「椎塚、“くちさけ”と付き合ってるって本当?」――9年間、誰にもマスクを外した素顔を見せた事が無い小美玉さん。そんな彼女についたあだ名は“くちさけ”。だけどある日、同じ学校の椎塚君が小美玉さんに告白してきちゃった…?! 『きっと一生恋なんてできないと思ってた――』小美玉さんの恋の行く末は…? ほっこりあたたかくて、じんわり泣けちゃう、ピュア・ラブストーリー!
かのこ
「だっ…だ…だいて」こわく…ないわ、加乃。こわく…―― 母の入院で、甘味喫茶をしている叔母夫婦の家にあずけられることになった、小学生のみずき。そこには、同じようにみずきの前からあずけられていた、加乃子というドキドキするほど美しい少女がいた。でも加乃子はみずきにイジワルばかりしてきて…ケンカのたえない二人はそのまま中学生になった。――が!? 中学校の入学式の日、みずきは可乃子の制服姿を見てビックリ! 可乃子が着ていたのはなんと男の制服で!?実は可乃子はある事情で女として育てられた、加乃という男の子だった―― 同じ家に住む加乃とみずき。高校生に成長した二人は、いつしか意識しあう仲となり、そして………
「おれはバラ」半田礼一の謎を、「母なる男」雑巾兄さんサバさんこと探偲(さぐり しのぶ)が見事に解決!? ――毒体質のため、女性と肉体交渉を持つと相手を殺してしまうことになる、税務署のバラ半田。彼の妻となり、幸せでありながらも、徐々に迫る死の恐怖と戦うあけ乃は、偶然入ったティールームで謎の青年に出会う。死にたくない、半田さんと生きていきたい…と、涙を流すあけ乃に、彼はこう言った――「わかりました、答えが」
母なる男
「犯人は―…。」まるで雑巾の化身と見えたその男…サバさんこと探偲(さぐりしのぶ)は、その時すでに謎を解いていたのだった…―― 出版社に務める23歳のOL浜本きゃらはあわてん坊。普通ありえない間違いから、探偵だと勝手に信じた男に自分に起きた『奇妙な事件』を話してしまう。しかし…その男は探偵でもなんでもなく!? 探偵じゃないとやっと気づき帰ろうとしたその時だった…彼は、冷やかな月のような眼をして語り出した。
ごはんだよ!
「好きになってもらえることなんかないんだ…おじちゃんの胸にだかれることも…結ばれるはずのないひとだから」――両親を失ったあんこを引き取ったのは、叔父であり、世間からは嫌われ者の悪役俳優で名高い、星月千夜!? TVとは全く違う一面を見せられ、ドキドキしっぱなしの同居生活を送るあんこ。おじちゃん、そんなにステキにしないでよ…切ない日々を送っていたある日、実はあんこと千夜には血の繋がりがないことを知り…!?
わたし「ちひろ」には好きな人がいる。悪友の女の子、コハクだ。外見はいいけれど本性がゲスくて人望はまったくなし。我ながら趣味悪いなーなんて思いながら、今日も彼女の笑顔に逆らえない…。学園祭の日、コハクは演劇部に飛び入り参加しイケメンの役を演じた。わたしはクラスの催し物でお姫さまみたいな衣装を着ることになって――。綺麗なコハクと地味なわたし。釣り合わないって分かってはいるけど…。