野愛
1年以上前
無愛想で淡々としていてお好み焼きを焼くのが上手で怖いものがない少年・平太郎。
ある日突然身の回りに怪異が起こり始めるが、怖がるそぶりはまったく見せない。
お世話になってる叔父さん叔母さんにも、めんどくさい先輩にも、彼女のゴンちゃんにも、妖怪にも、平太郎は変わらぬ温度感で接している(ように見えてしまう)。
平太郎が誰に対しても距離を取るのは、傷つけたり傷ついたりしないように、これ以上失うものがないようにという感情なのだと思う。
怪異を怖がることはないけれど、怪異以外の恐れているものがだんだん見えてくる。
次から次へと出てくる妖怪たちとクールな平太郎の温度感を楽しんでいるうちに、平太郎を応援する気持ちが湧いてくる。
実は誰よりも人想いで優しくて頼り甲斐があって、平太郎に惹かれたゴンちゃんの気持ちがよくわかる…!
上下2巻、たったひと夏の短い物語だけど読み応えは充分。また夏に読みたい!