せのおです( ˘ω˘ )
せのおです( ˘ω˘ )
1年以上前
本作は、10月末にあったマンバ読書会「ハロウィンに読みたいマンガ」の会に持って行きました🎃 10月31日、アメリカとドイツの、"世界のはしとはしで同時刻に"死んだ2人の子供、アレックスとリーテ。"片方はニュースになり片方は揉み消された"というプロローグから始まります。 本作は、大きく分けて2つの物語があります。 1つは、霊になったアレックスとリーテのことが見える、本編の主人公たちの話。 もう1つは、アレックスとリーテ自身の話です。 本作の面白さは、この2つの物語が絶妙に交差してオムニバス形式の話が進んでいくことです。 本編では、プロローグとは一転変わり、アレックスまたはリーテのことが見える人物の話が、オムニバス形式で進められます。 生きている頃の記憶が曖昧なアレックスとリーテの霊になった姿は、"魂の双子"、つまり"自分の「半身」がどこかにいる人"にのみ見えます。 本編に出てくる主人公たちは、物理的、または精神的な双子関係にあたる人物について、何かしら悩みだったり葛藤だったり、事情を抱えています。しかし、アレックスまたはリーテと出会うことにより、登場人物たちは気持ちの整理をつけていきます。そしてアレックスとリーテも、徐々に記憶を取り戻していきます。 記憶を取り戻していくうちに、アレックスとリーテは自分たちがなぜ成仏せずに彷徨っているのか、 「僕を見つけて」、 「私を探して」、 現世での目的を思い出していきます。 そして、アレックスのことが見える春陽と、リーテのことが見えるテオの、"魂の双子"同士が出会うとき、アレックスとリーテに何かが起こる…?!✨ 人物が抱えている闇を何一つ取りこぼさず描いている作風や、ファッショナブルな絵柄は、とても三原先生らしいです! 加えて、複雑なストーリーの混ざり合いを読み手に分かりやすく伝える巧妙な物語構成から、三原先生の代表作といっても過言ではありません。 特にラストはもう本当に見ものです…!!😭
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
1年以上前
猫も人間も、一緒でしょ?どちらの世界も愛する須和野チビ猫の、世界を知る為のスリリングな冒険に「今日もちょっと行ってくるね!」 ----- この作品中の「猫」は、人間の姿に猫耳と尾がついた格好で、人間と同様に「思考能力」が付与されている。 まるで夏目漱石の『吾輩は猫である』のように、猫達は人間を観察し、思索に耽る。 主人公のチビ猫は、とりわけ人間に近い価値観を持ち、猫の世界にそれを持ち込んでは、猫と人間の根本的な違いにぶつかり、悩む。 そうして可愛い仔猫の世界観は、次第にシビアになっていく。 生きることの不思議や、ままならない本能や感情。チビ猫が遭遇する問題意識の鋭さと根深さには、人間である私も唸らされる。 しかし、チビ猫の目に映る世界は、酷薄ながらもキラキラと美しい。彼女がその小さな体で大きな世界(海や野原など)と対峙し、溶け合う時の果てしなく茫洋とした感覚は、読んでいて心地よい。 チビ猫が世界を知る為に、猫にも人間にも、無謀な介入を繰り返す様をハラハラしながら見守り、彼女の猫らしからぬ思索と猫らしい本能の両方を観察させてもらう、そんな作品。