六文銭
六文銭
1年以上前
ただずまいや風貌からデキる雰囲気をまとった鷹野。 実際はポンコツで、さっき言ったことも覚えられないほどの無能っぷり。 でも、オーラだけは半端ないという。 しかも、職業がコンサルというのが、個人的に よくわかってらっしゃる! と膝をうった。 コンサルって、雰囲気が大事で、ぶっちゃけ雰囲気でどうこうなりそうですもんね(失礼) 当たり障りのないことを、 パフォーマンス~とかファネル~とかの横文字や、KPIだのCVRだの3文字英語とかで煙に巻いてくるしね。 ※元コンサル出身の個人的感想で、コンサルに親を殺されたとか恨みがあるわけではないです。 本題。 本作は、ひょんなことで、 同期入社した気弱でうまく喋れない鶸田と、そんな鷹野がタッグをくむことになる。 自信のない鶸田と根拠のない自信だけがある鷹野。 実際は有能な鶸田と、実際はポンコツな鷹野。 それがなぜか良い感じにシナジーを出していくんですね。 鷹野のもつ謎のオーラに圧倒されて、アフォな発言も先方が勝手に忖度して、そこに畳み掛けるように鶸田の分析やロジックが炸裂し、顧客も納得という流れ。 ギャグ的な展開ですが、なんとなくこんな感じだよなと実感してしまう。 大したこと言ってないけど、謎に説得力ある人いますもんね。 逆にすごい良いこと言っているのに、自信がなさげなばかりに、 周囲から賛同得られない人もいる。 なんとなく、この社会の断片をきりとったような作品だと感じました。 自信のない社会人はみんな読んで、なんだこんなもんかと思ってほしい。 最後に、鷹野のどこに行ってもでてくる突拍子のない言動は、純粋に面白いですね。時々、良いこともいうし。
六文銭
六文銭
1年以上前
両親の教えにより自己肯定感皆無な主人公。 彼女がバイト先のスーパーの店長と不倫をし、その店長の息子から好意をもたれ、その息子にも好意というか狂気じみた愛情(ストーカーっぽい感じ)で接してくる幼馴染みがいる。 そして、店長の奥さんは鬱病で家庭にも問題がある状況。 もうこの時点でお腹いっぱいなほど、こってりした人間関係なんですが、どれも目が離せなくてグイグイ読ませてくれます。 とりわけ主人公が、上述のように自己肯定感皆無だから、色々トリッキーな動きをします。 スーパーのバイトを辞めて、カウンセリングまがいなことをはじめて、店長の奥さんに接近します。 接近して何するかといえば、奥さんを治そうとする。 店長に幸せになって欲しい一心で、家族を助けようとする。 普通、不倫関係の相手の家庭がボロボロだったら、そこに付けこんで奪いにいくもんですが、治す方向にいく。 この斜め上をいく行動に、どこか狂気すら感じます。 店長の息子・ハルキに好意を持たれ、彼に好意を寄せる幼馴染み・みふゆとの複雑な関係も、物語を面白くしてくれます。 特に二人共、店長との不貞を知っており、それをネタにかき回していく感じがゾクゾクします。 ただの泥沼不倫劇以上の奥行きをみせてくれて、まだ3巻ですが、どの方向にいくのか今後も予想がつかず楽しみな作品です。