畑中純のライフワークともいえる『まんだら屋の良太』。『まんだら屋の良太』が、九州・九鬼谷温泉の旅館“まんだら屋”の一人息子、良太を主人公に描かれるのに対し、本作では『まんだら屋の良太』のヒロイン、秋川月子の視点から描かれる。秋川月子は、福岡県立小倉城南高等学校に通う女子高生。実家は、豊前・九鬼谷温泉の夕月荘を営んでいる。ある日、女将見習いとして年上の日向ひみこが夕月荘に現れる。月子にとって遠い親戚筋にあたるひみこは、実家が霧島でホテルを経営しており、その女将見習いとして夕月荘に来たのだった。九鬼谷温泉を完全に掌握しようと考えるひみこに、月子は自分も女将修行に入り夕月荘のポスト女将を競い合うと言い出す。温泉街に集う個性豊かな人間たちを中心とした、色欲全開でおくる泣き笑い人情ドラマ。