野愛
野愛
1年以上前
原点にして頂点という言葉をこの漫画に捧げたい!! 現代的なアイテムや背景が登場すればするほど、時代感のアップデートされなさが浮き彫りになっていく酒のほそ道。 楽しく美味しく呑めればいいじゃないかと言いながらもめんどくさい酒呑みばかりが登場し、でも結局みんな楽しければいいじゃないかというところに収束していく酒のほそ道。 アプデ前の人も後の人も、楽しくなるまで呑んで食べればそれでいいよね。自分がよければいいの極地がここにある。みんな自分勝手に楽しければいいんです! という空気感が絶妙に好きなんですよね。 めんどくさいこと言いながら、干渉し合っているよいでありながら自由に酒を楽しんでいる宗達がなんだかんだ好きなんだなあ。 自宅でつまみを作りながら酒を飲む回はレシピ漫画としても重宝するし、一人酒も飲み会もちょっといい店もいろんな酒の楽しみ方が学べる(?)のもいいところ。 時代に迎合することもなく、自分の信念を押し付けることもなく、適度にめんどくさいリアルなスタイルを貫いてくれる酒のほそ道が好きです。 誰よりもめんどくさいカスミちゃんがどんどん宗達に影響されてるのかわいい。めんどくさかわいい。
toyoneko
toyoneko
1年以上前
「ダンゲロス」シリーズには「戦闘破壊学園ダンゲロス」「飛行迷宮学園ダンゲロス」「ダンゲロス1969」があり,もともとは架神恭介先生による小説です(その小説のもとになったTRPGっぽいものもあるらしいのですがよくわからないので説明省略)。 基本的には超人たちの能力バトルなのですが(なお能力者は「魔人」と呼ばれます。),能力は本当に異常なものばかり。 たとえば漫画版「戦闘破壊学園」1話に登場する女の子の能力名は「災玉」。男にのみ感染するウィルスを作り出す能力で,感染した男はありとあらゆる性病を発症したうえに精液を吐き散らしながら金玉が爆散して絶命するという,狂気に満ちた能力です。 そんな「戦闘破壊学園ダンゲロス」を漫画化したのは,今となってはジャンプ作家の横田卓馬先生。 シンプルながらも魅力的な絵柄と,原作をうまく整理したストーリー,そして何より,迫力ある演出が加えられたことで,最高の作品になりました。 さて,ここで紹介するのが,シリーズ第3弾「ダンゲロス1969」。 舞台は,1968年~1969年。過激化する学生運動の中で,「魔人」学生と,「魔人」警察/公安が入り乱れ,抗争を繰り広げるというストーリーです。 それまでのシリーズと比べてもさらにバカかつ下品になった「魔人」能力のため,これはもう絶対漫画化不可能だろうと思われた作品です。 特に警察側がヤバくて,常に下半身丸出しで精液で敵の動きを封ずる奴とか,常にうんこを食べている奴とか,オナホール刑事とか,触手生物(名前は「姦崎姦〔かんざきれいぷ〕)とか,異常な奴しかいませんでした。 そもそも「戦闘破壊学園」と「飛行迷宮学園」の原作小説は講談社から出版されてるのに,この作品だけ,作者の自費出版です(キンドル版のみ)。 ところが!この作品も商業作品として漫画化されました。 漫画化したのは,「戦闘破壊学園」と同じく横田先生。 横田先生は,「戦闘破壊学園」同様,原作の魅力を充分に引き出しつつ,一方で,その絵柄によって,癖のありすぎる「魔人」能力を,ちょっとマイルドな印象に仕上げることで,ぎりぎり商業出版に耐えられるようにしてくれました(画像参照)。 なお,小説版の表紙は武富健治先生が書いてます。武富先生が漫画版を描いた場合は,商業出版の範疇を超えた可能性がありそうです。 ヤバすぎる能力を持った魔人たちが次々あらわれ,学生と警察/公安の戦いは過激化していき,物語はどんどん盛り上がっていったのですが,しかしやはり,読者を選ぶ作品ではありました。 何しろ1巻ラストのヒキが,精液で敵の動きを封ずる「魔人」公安vs女子小学生のおしっこを操る能力を持った「魔人」学生の戦いが始まる!というものでしたから。 安田講堂決戦開始の直前で,漫画版の連載は終了してしまいました(打ち切り)。 コミックは全5巻。原作のうち三分の二強までが消化されました。 ある意味で一番盛り上がる聖百合超特急(リリアンエクスプレス)は描かれたものの,まさにこれから最終決戦!というところでの連載終了でした。 「革命の構造」の秘密は明らかにされておらず,「転校生」も戦いの舞台にはあらわれていません。 無念…実に無念です。 とはいえ,横田先生のツイッターをみると,いつか続きを描きたいとのことです。 https://twitter.com/kyooteta/status/1202790198771208192 いつか,どこかで,この作品の続きを読める日を待ち続けたいです。
「ダンゲロス」シリーズには「戦闘破壊学園ダンゲロス」「飛行迷宮学園ダンゲロス」「ダンゲロス19...
hysysk
hysysk
1年以上前
ドラマが1991年だから自分は当時小学校4年生くらいか。当然原作を読んでる訳はなく、ドラマを観る習慣もなかったのだけど、あの当時としては衝撃的なセリフ「セックスしよ!」をクラスのお調子者がふざけて真似していたり、物真似やパロディや懐かしのドラマを振り返る的な番組で見かけたりして、断片的な知識だけはあった。 するとなんとこの4月から現代版としてリメイクしたドラマが始まるとのこと!これって今の10代からしたらおじいちゃんとかおばあちゃんの世代(30年前の20代)の話でもおかしくない訳だよね? https://www.fujitv.co.jp/tokyolovestory/ 柴門ふみが「スタバもユニクロも無かった時代」って言ってるのがうけた(ださくて質が低いとされてたけどユニクロはあったよ!)。 ぜひリメイクドラマと91年版ドラマと原作を比較して楽しみたいのだけど、始まる前の期待としては、赤名リカは今の時代にすごく合ったキャラクターとして描き直せるんじゃないかな、ということ。あとがきによれば「作品の成功はリカが受け入れられるかどうかにかかっていた」とのことで、当時としては賭けだったようだけど、今ならむしろ普通の感覚として受け入れられるような気がしている。帰国子女の外資系バリキャリみたいな人も増えたはずだし。 くっついたり離れたりすれ違ったりまた戻ったり辛気くせえ〜と思うのと、ところどころ現代(2020年)の感覚と合わずに「うわっ」となるところはある。けれどもあの時代にしては新しい(自分の親はほぼ柴門ふみと同世代だけどこんなにリベラルじゃない)考え方や生き方を肯定しているし、新旧の価値観のぶつかり合いに、まさに今リアリティを持って考えたい問題が見えてくる。この作品が生まれた時代(恋愛至上主義的な価値観)含めて乗り越えられるべき名作だと思う。