名無し
1年以上前
スレ主です。 一応補足すると元々言いたかったのは、日本人がすごいと言いたいわけではなくて「おじさんなので文化的な違いの受け入れ方がわからん」的な話です。 レスでいくつか見受けられるように画力面では全然引けを取らないどころかトップクラスに上手い人も多数いますし(BOICHI先生とか好きだしすごいと思う)日本で漫画を描いてくれている中韓の漫画家さんたちは日本の漫画編集が付いてるのかなーっていうところがよくわかってませんが、そういった「寄せるテクニック」的なのは日本の文化側の人が助力してるのではないかなと思ってます。あくまで市場が日本だからという意味で。 逆にWEBTOONみたいに縦読みのものだとおじさん読みづらいと思っちゃうなぁっていうだけなので、最近の若い人たちが全面的にWEBTOON肯定派なのであれば(普通の横読みと比較してとかじゃなく、良いものは良いというだけで充分)そういう時代ってことですので、今後日本の漫画家もWEBTOON的な縦読みじゃないと売れなくなったりしていくのかもしれませんし、発展していくってことなんでしょうね。 10年後にどうなってるか楽しみではあります。冒頭で書いたように危惧してた事はあるとして、読み方がどっちであるかっていうところにこだわるわけではないので。
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
1年以上前
梶原一騎の凄さを、今の読者にどう伝えたら良いのか…って、前にも同じような文章をクチコミで書いたような気がするが、こっちはそんなに悩まない。 梶原一騎は、もう要するに「フィクション=嘘」のとんでもないパワーが、その真髄であるに決まっている。 言い換えれば、ホラ話の面白さだ。 日本漫画史で、これほど胸躍るキワキワのホラを騙り続けた作家はいない。 昔、『巨人の星』の消える魔球の秘密で、「魔送球の縦の変化」という説明を読んで、少年だった私は「え、そんな、重力あるじゃん! じゃあドロップを横に変化させたらカクっと真横に「落ちる」って言うの!? 変化球を縦やら横に投げ分けられないでしょ!」と、とても釈然としなかったことがあった。 しかし、そんなガキのクソ生意気でクソ正論なションベン臭い小理屈と、漫画の「面白さ」はまったく関係がないのである。 『巨人の星』は、本当に素晴らしく陶酔的な魅力に溢れた大傑作で、私も大好きなのだから。 そういう点では、なんと言っても『ジャイアント台風』である。 このマンバの「あらすじ」からしてメチャクチャで、「(馬場選手の言葉、作中より一部抜粋)」って、こんなことを馬場が絶対言うはずがない。 トレーニングで足に鉄アレイをくくり付けられて、力道山から蜂の巣を投げつけられ、「このままでは死あるのみ」と苦悶した……そんな「汗と涙の苦しい経験」、馬場がしてるわけないでしょう! だが、既に馬場も梶原も物故し、それから長い時が過ぎた今も、この「騙り」はインターネットという新しいメディアの中で、ギラギラと我々を挑発してくる。 だって、「馬場選手の言葉」って書いてあるんですよ。 「ノンフィクションコミック」って堂々と言い切っちゃってるんですよ。 そんで漫画読んだら、そりゃあ今も信じちゃう人、いるでしょ! (……いや、いないかな。 つまんない時代だな。 ホント、リテラシーなんていう薄気味悪い言葉使うヤツ、梶原兄弟の霊にボコられちゃえばいいのに) 同系列の『プロレススーパースター列伝』に出てくるもろもろも、ほぼほぼ嘘ですよね。 とんでもなく面白いですけど! エリックのアイアン・クローとか、ブッチャーの地獄突き体得のエピソードとか、最高。 まあ、プロレス自体が、そうした虚実の皮膜を豪快に利用するジャンルではあるので、そのケミストリーが最大限に発揮された、というのはあるかもしれない。 それにしても、あまりと言えばあまりではある。 今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。 思えば、とても幸福だった。 あの頃は、漫画を読む純粋な喜びに満ち溢れていた。 とにかく、『ジャイアント台風』は、あの中島らもが、笑い過ぎて痙攣を起こし「このままでは死あるのみ」となった生涯最高の漫画である、と賞賛を惜しまなかった本当に面白い傑作なのですよ。