あうしぃ@カワイイマンガ2019/12/06神話の永遠、貴女と生きる。『麻衣の虫暮らし』に登場する二人の女性、来夏と美津羽の物語。本編でも出てくる、不思議な力(虫を集めたり等、自然に介入できる)を持つ美津羽と、自然を愛する来夏の出会いと未来について、不思議な神話が語られる。 三つの掌編が語られる。 初編では、やはり虫好きとして本編にも登場した、スナック店員の香織から、来夏とその周囲に起こったある事件が証言される。 それから、ナミウズムシの生態から来夏の体質が暗示される中編。続いて美津羽の誕生についての歴史と、来夏との出会い、そして互いの存在を支え合うようになる出来事が、終編で物語られる。 神話の時を生きてきた美津羽と、共に神話の時を生きようとする来夏。これは究極に尊い「神話百合」の物語である。麻衣の虫ぐらし 来夏と美津羽の特別編【電子書籍限定版】雨がっぱ少女群1わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/12/05虫が誘なう、夢現『麻衣の虫ぐらし』本編に未収録の、4話の短編集だか、テーマがなんとなく一貫している。本当に小さな、すこしふしぎ(SF)である。虫がたかる気味の悪さ、夢の世界、プチ時間跳躍など、虚実ないまぜな物語が語られる。 人間の他人の考えも、ましてや虫の考えなんて、分かるはずがない。そういうものに、対話無しで(たとえ嘘でも)触れるには、夢で出会ったり、空想に遊んだりしなければならない。 この作品集は、『麻衣の虫ぐらし』の大筋とは関わらないが、空想や夢から、ヒトや虫の内面に、たまたま触れてしまう物語を集めている。本編よりもちょっと不思議な面白さと切なさに、ぼんやりと浸っていたい掌編集だ。麻衣の虫ぐらし 未収録作品集【電子書籍限定版】雨がっぱ少女群1わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/12/04虫愛づる姫君に寄り添う日々死にゆく祖父を世話しながら祖父の有機農園を守る菜々子と、彼女を手伝いながら寄り添う無職の麻衣。昆虫の挿話に託して語られる、自然と人為、そして不思議な「虫愛づる姫君」達との縁の物語。 —— 菜々子は両親に裏切られ、祖父との絆を唯一の拠り所にして生きている。農業についても、自分の意思で始めたことではない。それ故か、いつも自信がなく、失うことに怯えている。 菜々子の麻衣に対する感情は、友情を飛び越えた強力なもの。依存や崇拝といった、ちょっと危なっかしい感情にも近い。 祖父が亡くなれば、身寄りがなくなる菜々子。祖父に菜々子を託された麻衣だが、距離感に悩み、挙句、菜々子を孤独にしてしまう。そして麻衣の選ぶ、菜々子との関係は……。 —— この作品は、二人の女性の関係性の物語と並行して、二つの「自然と人為」が描かれる。 一つは「有機農業」、もう一つは「自然保護」。 有機農業は、農薬等をなるべく使わない「自然への優しさ」を謳うが、その分労力は大きい。益虫を操り、害虫を殺す日々の営み故に、菜々子は益虫にものすごく優しい一方、害虫に対してはまさに「虫を殺す目」を向ける。菜々子は「益虫を愛づる姫君」である。 一方、麻衣が偶然知り合った来夏は、ヒメギフチョウや湿原を、ボランティアで保護する女性。彼女は自然を愛し、虫という虫に満遍なく愛を注ぐ「全ての虫を愛づる姫君」。また、来夏といつも共にいる美津羽は、簡単に昆虫を呼び寄せる特技を持つ「虫を愛で、共にある姫君」。 さらに、麻衣が出会う、スナックで働く香織は、虫と「食」(人間が食べる、虫が虫を食べる等)を嗜好する「虫食を愛づる姫君」。 様々な「虫愛」の形が提示され、彼女たちから語られる虫の性質と、人間の営みがリンクし、生きることについて考えさせられる。スローライフを描きながらも、「生の実感」の生々しさが常に残る作品である。 日々の営みの繰り返しから、ゆっくりと育てた大きな感情に、いつの間にか心動かされている。麻衣と菜々子が育む、じんわりとした優しさに浸っていたい。麻衣の虫ぐらし雨がっぱ少女群4わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/12/02百合の飴玉235粒、甘く切なく。実力派百合作家達が、お題に沿った1ページの百合漫画を描いていく「百合ドリル」シリーズ。同じお題に対して、各人様々な成分を配合してギュッと凝縮した、十人十色の百合表現。甘酸っぱかったり、ちょっと辛かったり、ひたすら甘ったるかったり……それぞれ魅惑的な味の飴玉のような掌編が、無印・応用編・難問編合計で235編。 あまりに濃厚なので、ページ数の割に読み進めるのに時間がかかる。ゆっくり読むもよし、時々引っ張り出してちょっと読むもよし。百合成分が不足してるな……という時に、すぐに補充できる、やっぱり飴玉アソートパックのような、おいしい作品集。 【無印】 基本的な百合のジャンルに沿ったお題。基本と言いつつ、すでに超濃厚。これだけでもしばらくは楽しめるが、そのうちもっと欲しくなる(何かやばいものを勧めているような気がしてきた……)計117編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百/最高に興奮する百合 【応用編】 1ページの漫画を元に、発想を広げた数ページ〜20ページ程度の漫画が描かれる。発想の広げ方が様々で面白いし、百合成分が広がっていく様は、濃厚なアロマオイルを部屋にミストで充満させているようで、豊かな気分になれる。計16編。 (内容)学生百合/同棲百合/姉妹百合/年の差百合/社会人百合/ファンタジー百合/幼なじみ百合/先輩×後輩百合/最高に興奮する百合 【難問編】 お題が難解になるも、テンションは全く変わらず、1ページに繰り出される百合は尊い。ただ、感情がより複雑になって、中毒性は強いかも(だからやばいものとかではなくて……)計102編。 (内容)学生百合/大人の百合/キスのある百合/吸血鬼百合/いけないとわかっているけど…な百合/本当にあった百合/バトル百合/となりのお姉さんとなにかする百合/ベッドにおける(※敷き布団も可)百合/未来の百合/後世に残したい尊き百合百合ドリル奥たまむし2わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/30一眼レフと「光」の世界(デジカメの話)11月30日は(オートフォーカス、以下AF)カメラの日。AF機構のカメラが登場した日です。 写真やカメラの漫画は多くありますが、こと最新のAFデジタルカメラとなると、扱う作品は意外と少なくなります。 ここからは『ルミナス=ブルー』に登場するカメラについて、推測してみたいと思います。 (物語の内容に関しては、sogor25さんのレビューをご覧下さい) 主人公の光(コウ)のカメラは、クラシカルな外見から、SONYのEマウントかと思われます(ミラーレスで軽いので、女性におすすめ)。レンズが短いので、恐らく単焦点の標準50mmf1.8。初心者は50mmの画角を覚えるべし、と言われる入門レンズ。機動性がいいので、光のようなスナップ派は、これをつけっぱなしで街に出るのが楽しいと思います。 また、単焦点レンズはズームレンズよりレンズの構成が単純で、画質が良いと言われます。シャープネス、ボケの表現は単焦点に分があり、光の写真のきらめき感は説得力があります。 一方、葉山先輩は、1巻の終わりで長くて白いレンズを使って、光と寧々を隠し撮りしています。あのレンズはキヤノンの望遠レンズ、通称白レンズと思われます。高価です。光が見て「すごいレンズ…」って言ってますね。 街撮りでは意外と望遠レンズが重宝します。かっこいい建造物、向こうに見える植栽の花など、広角や標準だと対象に寄りきれないのですが、望遠だと好きなように遠景を切り取ることができます。 被写体と近しい距離感で撮影する光。一方、被写体に無断で、ありのままの感情を撮ろうとする葉山先輩(寧々も勝手に撮られて怒ってましたね)。二人のスタンスの違いは、機材にしっかり現れていると思います。 ここまで、分かる範囲で『ルミナス=ブルー』に出てくるカメラのお話をしました。もし間違っているとか、こっちじゃないの?とか、その他カメラの話をしてくださる方いらっしゃれば、どうぞコメントください! ちなみに私はニコン派です。ルミナス=ブルー岩見樹代子5わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/29漫画で繋がる、拗らせた二人。秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます)Still Sick灯4わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/27JSvsJK、魂のどつき愛!公園で出会った小学四年生の柚子森さんに、心奪われた女子高生のみみか。友達になるも、これは恋?変態?と揺れ動き、挙動不審のみみかに対して、常に無表情の柚子森さん。この二人、どうにかなるの、この先? —— 当初は、友達になれて舞い上がるみみかが、柚子森さんに過剰反応して赤面し、震え、発汗する変態的な画面が続く。柚子森さんと友情を結びたい一方で、恋情や欲情じみた感情が溢れ出すのを、何とか止めようとするみみかが、切なくて泣ける。 柚子森さんは大人びていて、家庭でも学校でも、つまらなそうにしている。しかし、みみかに対しては、次第に色々な感情を見せ始める。 絆が深まり、柚子森さんがとうとう気持ちをぶつける、その時の目力と、大粒の涙に、こちらも涙が溢れてしまいそうになる。 想いが生まれ、堪え、溢れ出し、どうしようもなく、相手にぶつける。そこから逃げ出せば、相手とすれ違うし、臆せず立ち向かえば、強い絆が生まれる。そういう場面を何度も描き、突きつけてくるこの作品。 大人も子供も関係ない。強い感情を持ってしまった者同士、拳(と書いてハート)を交えなければ、何も始まらない。 そう、恋をするなら、きちんと戦わなくてはいけないのだ。 ……そんな意外と熱い、年の差百合のお話。柚子森さん江島絵理4わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/23想い込め、花生ける日々。中途半端に終わった恋を引き摺る、OLの菊池。ふといざなわれた華道教室で、様々な想いを込めて花を生けることを学ぶ。折々に自分と向き合うように、季節を愛で、花に向かう一年の物語。 ----- 菊池は元気な女性だが、長く秘めた恋には、勇気を出せず身を引いてしまう。そんな彼女は華道に、自分を表現することや、誰かを思っての行為が相手に伝わる喜びを教わる。 大人になっても、傷ついていたり、精一杯な時にはつい、おろそかにしてしまう「自己表現」や「思いやり」の心は、お花の季節感や彩りに乗せて先生に教えられる。 そこから自分の気持ちに気付かされたり、懸念事項がスルリと解決するのが、とても心地よい。 派手な事件はないけれど、季節の風に日々の澱が洗われるような、清しい短編。 現在(2019年)『夜明けの図書館』という図書館司書の漫画を連載中の埜納タオ先生。美しいペンタッチと白場を活かしたレイアウトで生み出される、見開き単位の画面の美しさは、心に沁みる。華物語埜納タオ 槙佑子5わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/22「いい夫婦」になるために。11月22日はいい夫婦の日。夫婦と言われて私が思い出すのは、この連作集です。谷川史子先生の、夫婦にまつわる6つの連作+それとは別に短編一編の構成。 前の方のレビューの通り、この連作は「相手の気持ちに不安を持つ」話が多いです。最終的には、二人の関係はハッピーになるので、優しい読後感を得られるのですが、そこに至るには、皆ある工程を経なければなりませんでした。 それは、「気持ちを伝える」工程です。 簡単な事のようですが、ついうっかり忘れているな、と思う方、結構多いのでは?そんな方は、この連作集の各話で行われる、多種多様な「気持ちを伝える」やり方を見てから、ちゃんとパートナーに向き合ってみませんか?いい夫婦の日ですから……(2019年の11月22日に書きました) 追記:最後の短編ですが、谷川先生には数少ない女性の同性愛が描かれています。男性と結婚する人への悲恋なので百合好きに紹介するのは憚られるところではありますが、報われなくて、切ないけれどとても感動的なお話です。くらしのいずみ谷川史子2わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/21華道に生きる「道」を見つける専門学校いけばな芸術コースの学生達は、2年間でそれぞれ、花に関する職を見つけて羽ばたいていく。そんな中、頑張り屋の南侑生だけは、何かに迷っていた。彼女の進む道とは……? ----- 全3巻のうち2巻を使って、クラスの面々が躓き、悩み、それでも前を向いて、花を生けることと進路に取り組んでいく、群像劇が繰り広げられる。 専門学校や大学に通ったことのある人なら、クラスメイトの描写は、こんな適当な奴もいたなぁ、などとリアルに感じられるだろう。 花の仕事のリアルも描かれて面白く、立ち向かう生徒達の、元気でわちゃわちゃした雰囲気で進行していく1、2巻。 3巻になり、南が皆とは違う進路を選ぶと、次第に雰囲気が変わる。 人に道を示し、体現してみせる立場を目指す南。いつもドタバタしていた彼女が、次第に迷いを捨て、凛とした雰囲気を醸し出すようになると、途端に画面が引き締まる。 更に高め合う存在に出会うと、交わす言葉の志の高さと共に、見開きがぐんぐん詩的になっていく。 感性はあれど不器用な人が、人より少し遠回りでも、確かな「道」を歩き出すまでを紡いでいくこの作品。 特に3巻は、見開きが平安絵巻のように流麗!その美しさは連載中(2019年現在)の『夜明けの図書館』でも健在!百花日和埜納タオ 槙佑子1わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/20「調べ物」で市民の人生お手伝い!図書館のレファレンス・サービス、それは利用者の「知りたい事」を探すお手伝い。新米司書の葵ひなこは、日々様々な要求に応えるべく奮闘する。見つけた先に、利用者の喜びが待っているから! ----- 図書館にある書籍・資料は、文学から実用、科学から法律、児童書から専門書と多岐に渡る。そのため、図書館には様々な知識を求める人々が集まり、そこでは日々、思いがけず沢山の人生の物語が紡がれる。 苦しみ、切なさ、懐かしさ……多種多様な物語がレファレンス・サービスによって解決する時の、優しい着地と利用者の喜びには、とても感動させられる。 その一方で、利用者から得られる少ない情報、あやふやな記憶を頼りに、膨大な分類をしらみつぶしに当たっていく「レファレンスの苦労」を共に見てきた私達は、そこを乗り越えた司書達の達成感を、一緒に味わえる。 物語の爽やかな終局に似つかわしくない、ギリギリのジタバタっぷりを見せる司書達のあがき。その落差によって最上の「舞台裏漫画」となっている。 巻が進むと、図書館の社会問題への参画も描かれ、図書館の存在意義について、前向きな提言となっている。 図書館と図書館司書を知り、応援する作品として、最高に面白い! 2000年代に華道の作品を描かれた埜納タオ先生。白場が美しい、独特の凜とした画面は、当時から一貫している。最近流行りのギッチリ描き込まれた漫画に慣れた身としては、一周回って新しい!夜明けの図書館埜納タオ11わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/16きのこの世界、踏み込んでみる?📷農業大学で、「きのこ」等の菌類を研究する三枝教授の研究室に、何故か連れて来られた新入生の天谷。さあ、楽しいきのこ講座の始まりだ!……って、頼んでねぇよ! ----- 小学二年生の舞ちゃんにいざなわれて、素敵な紳士風の三枝教授から、半ば強引にきのこの知識をレクチャーされていく天谷。 教授と舞ちゃんのきのこ愛は熱烈で、天谷はとてもついていけない。でもそんな素人の彼が、細かく強烈なツッコミを入れることで、オタクのしょうもない拘りを笑いにしてくれるので、読んでいて飽きない。 同級生とのやりとりから、または生活の中から生まれた「きのこ」に対するよくある疑問が、三枝教授によって解説され、きのこの知識が増えるのも楽しい。 農大の描写は、例えば『もやしもん』(石川雅之先生)と同様に、普通の大学とは違う独自の文化が見られて、大学生活漫画としても今後、期待できるかも。 とかく分かりにくく、興味はあっても取っ掛かりのない「きのこ」の世界の入門書として、楽しく分かりやすく、何より「情報が正しい」、貴重な一冊となっている、と思う。 (1巻の感想。今後、野外で観察する回があることを望む!) ----- 最後に、一介のきのこ好きとして、参考文献の頻出人名を少しだけ紹介させて下さい。 ●伊沢正名…きのこ写真のパイオニア。古い図鑑は基本、この方の写真で構成されている。 ●大作晃一…白バックの、図鑑用きのこ写真撮影の技法を確立。近年の美しい図鑑はこの方の労力の賜物。 ●新井文彦…阿寒湖を中心に、きのこと、きのこのいる風景を撮影する写真家。ひたすらに美しい写真。 ●小宮山勝司…きのこ好きが集まるペンションを経営し、自身の名前で図鑑も出される程のきのこ通。 ●保坂健太郎…きのこが専門の、国立科学博物館の研究者。面白そうなきのこの本や企画には、この方がよく絡んでいる。 ●飯沢耕太郎…写真評論家として著名だが、きのこに関しては、きのこの文学や切手の蒐集家として有名。 ●堀博美…きのこライター。図鑑では得られないきのこ知識を網羅した『きのこる』は名著。三枝教授のすばらしき菌類学教室香日ゆら6わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/14退行世界の絶景&美食満喫家族!文明の断絶、野生の侵攻……変わり果てた世界に取り残された、父と小・中・高の三姉妹。どうやったら元に戻れる……いやそれより、どうやってここで生きていこう? ……と言いつつ、家族の他に誰もいないこの世界。どこに入っても、何をお借りしても自由!残された文明を遊ぶ家族は、基本楽しそうで、明るい。この自由感、例えば『地球の放課後』(吉富昭仁先生)と同等か、さらにゆるい。 父は「まずは食が大事!」と方針を定め、残された加工食品を費やしつつ、少しずつ野生からの食材調達を試みるが、次第に家族は、ある事に気付く。 「自然旨っ!」 娘達は、素材の味と父の調理技術で大地の恵みを満喫しながら、少しずつ新たな食材を求めて努力を始める。 それはすぐに上手くはいかないが、苦心と労力にはリアルが感じられ、少しずつ新たな挑戦が実る喜びも、共に感じられる。 そして家族が乗り出す世界は、文明の残骸に自然が侵食してきた退行世界。時が止まった寂しさと、巨大な文明を飲み込む自然の雄大さ。この魅力を理解するとしたら…… 恐らく、廃墟マニア。 荒廃した世界に圧倒される子供たちの小ささと、咎める者のない自由の中で躍動する、若い身体を交互に描写し、世界を生き生きと輝かせるこの作品。 絶望なんか追いやって、今を生きることを「ゆるく」満喫する家族と共に、退行世界を楽しみたい。 3巻までの感想。ゆるさば。関口太郎5わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/09子育て小学生が日本の家族観を揺さぶる母を亡くしたばかりの小学生・榎木拓也。彼の前には、泣いてばかりの弟、稔。母はなくても子育ては待ってくれない。家事に育児に忙殺され、苛立ち苦しむ拓也。それでも……やっぱり弟、可愛いかも。 —- ハートフルコメディというには、ちょっと息苦しく、それでも愛おしい作品である。 ほんの1、2歳の幼児にべったりで面倒を見る、思春期間近の小学生である拓也。子育てがうまくいかず、悩み、苛立つ彼の様子が、綺麗事を抜きに表現されるので、この作品で子育ての辛さに向き合うことになった読者の少女(そして私を含めた少年)は、ショックを受けたものである(昔話)。 家庭から目を外に向けると、拓也の前には、家庭や対人関係に苦しみ、傷ついた人達が現れ、捻じ曲がった言動を彼にぶつけてくる。 しかし拓也は、まっすぐさと優しさで彼らに接し、その捻じ曲がった心に気づかせて、本来の優しさを取り戻してやる。その優しい着地に私達は安堵しながらも、何か心を抉られたような痛みも同時に感じる。 家庭とは、性差とは、愛情とは……コメディに隠されて提示される問題意識は根深い。この作品を読んだ少女(私を含めた少年も)は、自分を支えている価値観や、甘く楽しい将来像を、激しく揺さぶられた。 2019年の今、この作品を読んでも、日本の家族観・性差の問題というのは、なかなか変わらない部分があるなぁ、と気付かされる。そういう意味で、1990年代のこの作品は今だに読まれる意味を持つし、この作品の問題意識を、新しいやり方で表現する漫画が、現れて欲しいと思う。 拓也の笑顔の向こうには幾千万の、年上・女(今作ではむしろ男)・母といった役割を押し付けられ、苦しんでいる人がいる。そういう人達のためにジェンダー論で戦う前に、まずはこの作品を読むことで、むやみに人を傷つけない、優しい解決を目指したい。赤ちゃんと僕羅川真里茂7わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/07本作の続きについて(2020.6.22追記あり)どうやら昨年(2018年)、続きが、著者のなめたけ先生による自費出版で出版された、ということのようです。 『歳下の先輩ちゃん2』というタイトルです。 pixivの先生のページで詳細を見ていただきたいのですが、 内容は……いいですよ〜! 彼ららしい着地で、いい終わり。 https://www.pixiv.net/member.php?id=22154672 (2020.6.22追記) Amazon kindleにて発売が始まったと、なめたけ先生からアナウンスがありました!やったぜ! https://twitter.com/nametakesantaro/status/1271098355771301888年下の先輩ちゃんには負けたくないなめたけ2わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/06仔猫が世界を哲学する猫も人間も、一緒でしょ?どちらの世界も愛する須和野チビ猫の、世界を知る為のスリリングな冒険に「今日もちょっと行ってくるね!」 ----- この作品中の「猫」は、人間の姿に猫耳と尾がついた格好で、人間と同様に「思考能力」が付与されている。 まるで夏目漱石の『吾輩は猫である』のように、猫達は人間を観察し、思索に耽る。 主人公のチビ猫は、とりわけ人間に近い価値観を持ち、猫の世界にそれを持ち込んでは、猫と人間の根本的な違いにぶつかり、悩む。 そうして可愛い仔猫の世界観は、次第にシビアになっていく。 生きることの不思議や、ままならない本能や感情。チビ猫が遭遇する問題意識の鋭さと根深さには、人間である私も唸らされる。 しかし、チビ猫の目に映る世界は、酷薄ながらもキラキラと美しい。彼女がその小さな体で大きな世界(海や野原など)と対峙し、溶け合う時の果てしなく茫洋とした感覚は、読んでいて心地よい。 チビ猫が世界を知る為に、猫にも人間にも、無謀な介入を繰り返す様をハラハラしながら見守り、彼女の猫らしからぬ思索と猫らしい本能の両方を観察させてもらう、そんな作品。綿の国星大島弓子8わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/04恋愛マスター始まりの書秋★枝先生の初期作品集。恋愛が中心テーマだが、そこは先生のこと、一筋縄ではいかない。オモロイ切り口の物語に、読んでいて思わずえっ?と言ってしまう。 ●『伊藤さん』クリスマスに失った恋から始まる、新たな恋の歳時記。育まれる恋にトキメキが止まらない。 ●『先生+』女性教師が手違いで魔法使いに!彼氏にそれをバラそうとするところから始まる切ない恋の顛末。切なさが急に来て辛い… ●『はじまり』母親の再婚相手の連れ子に、お兄ちゃんと呼ばれてドキドキするけれど……。この変身はズルい! ●『ハイ&ハイ』背の高い女の子が、初めて自分より背の高い男の子と付き合ってみたら……。なるほどそういうこともあるのか… ●『憧憬の家』夫がノリノリで買った忍者屋敷。彼は買ったきり興味を持たないが、実は私は……。これ一番好き。妻かわいい。 ●『Chocolate Cake』結婚記念日を忘れた夫の、お詫びのケーキに悪態をつく妻。夫の気持ちは……?表情を見せない夫の演出が意味深でニクい。 ●『ふたりの出会いのお話』現実のカップルの結婚式のパンフレットに寄せた作品、ということらしい。特別変わった話ではないが、番う二人のやりとりの「ときめき」を美しく描く。 ●『ブラフ』バレー部の引退試合に向けて、次期キャプテンは3年の先輩達に厳しく当たる。先輩達は怒るが……。悪役の不器用さ。最後にニヤッとさせられる。秋★枝短編集秋★枝4わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/02真面目にやって下さい、先輩方!新入生の毛利と楠が入部した弓道部は、ふざけた先輩の巣窟だった!今日も用具を手に、モノボケに興じる面々。ウケた時の合言葉は「射!」……それでいいんか? 思考戦と人間関係のドラマを紡ぐのが「陰」の秋★枝先生だとしたら(『純真ミラクル100%』『Wizard’s Soul』『恋は光』など)、『煩悩寺』や『起きてください、草壁さん』のような、細かいネタを詰め込むシチュエーションコメディを繰り出すのは「陽」の秋★枝先生。この『的中!青春100%』は、「陽」の作品に分類されるだろう。 (やや強引に分類しましたが、がっつり秋★枝先生ワールドに引き込まれたい方は「陰」の作品、気軽にコメディ+恋愛を楽しみたい方は「陽」を読むといいかも、くらいの気持ちです) 弓道部の先輩達は、なかなか部活をしない。用具を手にモノボケに興じ、別のスポーツで遊び、真面目な毛利(本名は杉本)を呆れさせる。 特にシリアスなドラマもないので、おかしな面々に振り回されるうちに、状況に染まりそうになる毛利(本名は杉本!)の行く末を、気軽に眺めていたい、そんな作品が、およそ100ページ。 後半は、恋愛のかけらの4ページが少しずつ積み重なってゆき、幾つかの愛になる約70ページの作品群『ワンシーン』。どちらかといえば「陰」の秋★枝先生だが、短い瞬間の恋心を切り取り、ドキッとさせられて終わるのが気持ちいい。的中!青春100%秋★枝
あうしぃ@カワイイマンガ2019/11/01睡魔にプレゼン。勝てる気がしない戦い。土曜日の朝寝を満喫する草壁さんを起こそうと、学臣は毎週、様々な趣向を凝らす。しかし草壁さんの睡魔には通用せず、逆に同じ布団に誘われて一緒に寝るはめになる。 学臣は毎週、ものすごく手の込んだ仕掛けを用意して、草壁さんの気を引き、覚醒させ、デートに連れ出そうとする。そのネタのバリエーションは幅広く、面白い。 時に知的興味に、また時に羞恥心に働きかけ、ロジカルかと思えば時に情緒に訴える彼のプレゼンは、草壁さんも、読者も飽きさせない。 なのに。 それでも草壁さんは、起きてはくれない。 草壁さんの最終兵器は、学臣を容易に屈服させる。 その最終兵器「一緒に寝る」は、学臣にとって敗北であるはずなのに、学臣に幸福感を与えてしまうという点において、誰も不幸にしない、究極兵器である。卑怯だ。だがそれがいい。 果たして彼は、一度でも草壁さんに勝てるのか、よしんば勝てずとも、2巻を通して、学臣のネタは枯渇しないのか……。女の子の寝室で尖ったネタと豆知識を繰り広げる、良質なバラエティ漫画を、お試しあれ。 【教えてください】 2巻真ん中あたりで終わった後、ちょこっとキャラが変わった、ダイジェスト版みたいなのが始まるんですが、これ何ですかね? だんだん違うネタになっていって、これはこれでいいのですが、説明がないんです……。起きてください、草壁さん秋★枝3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/10/30嫌われても、泣いても、私は勝つ。父の借金返済の為、世界的カードゲームの大会に出る一ノ瀬まなか。母譲りの「不快な」戦い方で、恋も友情も捨てる覚悟で戦いに臨む、まだ中学生のまなかは、戦いの果てに何を見出すのか……。 母の命を繋ぐ為に必死でゲームに強くなった幼少期、そして今は家族を守る為……。中学生のまなかが背負う荷物は、重すぎる。 それに耐えるように、試合中のまなかはいつでも無表情。それが彼女の試合の、異様な緊張感の演出になっていて、息苦しい。 まなかの戦術は「パーミッション」と呼ばれる、相手の行動を阻害するもの。それだけでもいやらしいのに、彼女はプレイに神経戦を持ち込み、相手を陥れる。これがハマる瞬間の、相手が「何も出来ずに呆然と見送る」絶望感が気持ち良い。 楽しくプレイするプレイヤーには嫌われる覚悟のまなかだったが、意外とプレイヤー達は、猛者であればあるほど、まなかを放ってはおかない。そして戦いの合間に、思いがけず人に好かれ、ガードが緩み感涙するまなかに、こちらも涙を誘われる。 このゲーム自体が嫌いだ、と思っているまなかは、次々と出会う猛者達の、様々な「好き」の形を見ることで、抑圧していた自分の心と少しずつ向かい合う。 この作品、例えば何らかの競技者で「自分は才能はあるが、競技への愛情が不足している」と悩んでいる人に届いて欲しい。まなかの心の確かめ方から、新たな気付きを得られるかもしれない。Wizard’s Soul秋★枝6わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/10/29オトナの秘密基地、煩悩寺。小山田君の部屋は、ヘンテコグッズでいっぱい!恋に仕事に疲れた小沢さんは、今日も彼の部屋でダンボール箱を開ける。中身に驚き、笑って飲んで元気になれるこの部屋、通称「煩悩寺」で、今日は何して遊ぼうか? 小山田、小沢と小山田の友人・島本の3人は、部屋にあるグッズで遊んだり、それをネタに笑い転げたりと、あまり社会人っぽくない遊びに興じる(酒は飲む)。その日の遊びは、開封する段ボール箱任せ!という博打感を楽しむ、彼らの力の抜け具合がいい。 煩悩寺にあるグッズはとにかく悪趣味、煩悩丸出しで、くだらないものが多い。しかしそれらは裏を返せば、欲望に忠実で、隠し事がないということ。小山田の基本ウェルカムな性格もあって、小沢にとって煩悩寺は、素の自分のままでいられる、寛げる場所のようだ。こんな秘密基地、私も欲しい。 失恋の痛手や仕事のストレスを癒してくれる煩悩寺は、小沢にとって、次第に大切な存在になってゆく。そしてそんな場を創り出す「変人な善人」小山田との関係も……。 煩悩寺のグッズ達をゲラゲラ笑いながら遊び、受け入れる小沢は、島本に言わせれば「素質あり」。部屋の主との相性はいいんじゃないの?ということで、いつも楽しそうな息のあった二人の関係を、島本と一緒にいじりながら眺めていたい、そんなお話。煩悩寺秋★枝2わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/10/27クサい台詞が芸能界を動かす!弱小芸能事務所の所長・高杉は、新人ミュージシャン・木村の恥ずかしい顔、困った顔にゾクゾクする。変な芸名、衣装、仕事を木村に与えて楽しもうとするが、それが次第に妙な方向へ盛り上がりを見せ……。 この作品で常にネタなるのは「クサい」「恥ずかしい」という言葉。 例えば大人の高杉がわざと「恥ずかしさ」を木村に与えようとしているのに、それをポジティブに捉える未成年の木村=モクソンは、却って大人が吐くには「恥ずかしい」言葉を高杉に与え、狼狽させる。 登場する大人達は皆それぞれに、仕事でも恋愛でも何かを隠しながら、捻くれた行動しか取れないのだが、モクソンの才能と嘘のない真っ直ぐさには、照れながらも自然と心を寄せ、協力を惜しまなくなる。 時に彼女のパチモンとも心を通じ、ウザいっす、と言われながらも大切に思い合う関係を築き、友情のドラマを紡ぐモクソン。彼女は敵を作らずに、みんなを繋ぐ中心となる、タレントとしては最高の「人たらし」の才能を持ち、音楽の才能も相まって大きなムーブメントを形成していく。 モクソンの描く理想は「ずっと事務所のみんなと仕事したい」というもの。大人たちのグチャグチャの人間模様は、それを安易に許さない。しかしそれでも「モクソンのため」という大人達の思惑の一致がどのようなラストを見せてくれるか、最終5巻の最後の最後まで、目が離せない。純真ミラクル100%秋★枝5わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/10/27「敬語」を巡る甘酸っぱい攻防戦!先輩には敬語を使いたい大学生・坂上良太郎に、「年下なのでタメ口で」と迫る高校生の先輩・山下かをり。バイト先での「敬語」を巡る攻防が、今日も静かに繰り広げられる……。 先輩であるかをりは、高校生なのにやたらと仕事のできる、頼りになる存在。助けられてばかりの坂上は、気後れしてつい、色々遠慮してしまう。一方かをりは、そんな彼をからかうように、「敬語禁止!」などと言っては坂上に、打ち解けることを要求する。 クールに坂上を手玉に取るかをりと、年下の彼女にどうしても敵わない坂上。この構図、ちょっと『からかい上手の高木さん』っぽいと思いません? さらに二人と共に仕事をしつつ、二人の仲を(主に坂上の方を)いじってくる、女子高生の若菜と真中のおかげで、二人の仲がじわじわ進展していく……ようでいかない感じが、もどかしくも楽しい。 ホームセンターが舞台なので、コンビニやスーパーではなかなかお目にかかれない商品と、それにまつわる顧客対応の模様なども目新しい。結構特殊な商品知識が問われる場所なんですね……。 遅々として進まない二人の先を見たいと願うよりは、いつまでも二人でああでもない、こうでもないと駆け引きして、拗らせる様子を眺めていたい。その先に少しでも進展があるといいな……という感じで楽しみたい漫画。 クールなかをりの静かな笑顔、マジ天使!年下の先輩ちゃんには負けたくないなめたけ3わかる
あうしぃ@カワイイマンガ2019/10/25『キツネと熊の王冠(クローネ)』のレビュー「狐と熊亭」は店内の醸造タンクから直にビールを提供する珍しい酒場。経営するのは元気で気さくな親方のマヤと、穏やかな大男・代表取締役のニルス。マヤはニルスが好きだけど……。 『キツネと熊の王冠(クローネ)』は、中村哲也先生の「王冠シリーズ」の第2作目。 最初にお伝えしたいのは、前作『ネコと鴎の王冠』が好きだった方は、読み進めていけばちゃんと前作の世界と繋がっていくので、安心して読んでいただきたい、ということ。 この巻の前半は新キャラクターの二人のお話。新たに醸造所を構えるための準備や店の広報、看板作りなど、ビール造り以外の話にページを費やしながら、マヤがニルスへの恋心を募らせていく様子が描かれる。最初はキツい感じに見えたマヤが、だんだん可愛く見えてくる不思議。 途中、しっかりと休日の過ごし方も描かれ、さらに互いに相手を休ませようと気遣う場面が随所にあり、ドイツの人たちのワークライフバランスについては、ここでもきっちり描かれている。 後半、新醸造所での新作ビール造りの工程は、恐らくビール造りを知る人には楽しい場面だろう。そして夏祭り出店のために周囲が盛り上がり、協力する様は、すでにここから祭りの高揚感をもたらしてくれる。 さらに前作『ネコと鴎の王冠』の登場人物たちとの繋がりが現れ、彼らの再登場に一気に世界が広がり、楽しくなる。 さあ、夏祭り本番は……? マヤとニルスのコンビが創る、賑やかでいて寛げるビール空間をこちらも楽しみつつ、二人の恋愛が成立するのかどうか、目が離せない、そんな漫画。 そしてアンナ。 アンナですよ……。 アンナ祭りがあります。 アンナファンはお楽しみに!ネコと鴎の王冠(クローネ)中村哲也7わかる