漫画の傑作ミステリーといば?と言われて何が思い浮かぶだろうか、soilはコナンや金田一などのただ面白いだけのミステリーとは違ってミステリーの革新に近づいていくに従って人間が長い歴史の中で常に自分達にとって都合の悪いとされるものを排除してきたという恐ろしいテーマを浮き彫りにしていくのだ。一見綺麗に整えられた新興住宅地soil、一見穏やかな住民達、全てあくまでも括弧付きの一見で、掘り下げていけばいくほどこの町の不気味さが涌いてくるのだ。この物語にのみ相応しいと思わされる様に、一見物差しで引かれたと見まがう整った背景もよく見ると丁寧なフリーハンドで描かれていることにカネコアツシの絵の上手さが分かる
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 連載当時読んでいたが久しぶりに読み返したが、なんかアイアン・ゴーストの少女と記憶が混ざっていたぞ・・・相変わらずネロが途中までは良かった 「ベニユリ学園」の先生ってサタニスターの一派なのかな ・特に好きなところは? 「聖アルジェント学院」のパンフレットを見たドリエとそれを知ったギーコたちの反応。こういうのが三家本礼マンガの好きなところなんだよね ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 血まみれスケバンチェーンソーとサタニスターを読んでから読むとより楽しめると思います
日本と古代ローマの温泉文化比較マンガ。 ほとんどがエピソードごとに完結し、それぞれに温泉文化のテーマがある。ヤマザキマリの歴史研究論文のような様相を呈しています。随所に散りばめられたユーモアが最高です。 学びにもなり、笑えて、温泉に入りたくなる。そんな名作です。 ルシウスのような情熱と信念の人になりたいとさえ感じさせられます。 続編も始まったところなので、特に映画しかみてない人にはぜひ読んでほしいです。
Xで読切版が読める。 読切版とは違うユニバース?の連載版はよりキャラクターに焦点が当たっている。ページ数も多く、1話の満足感がとても高い。面白い。続きが楽しみである。
「東京最低最悪最高!」の流れを色濃く受け継いで、現代を鋭利に刳り取ってみせる鳥トマトさんの新作が1・2巻同時発売となりました。同時発売の『アッコちゃんは世界一』とあわせて3冊同時発売ですが、全部オススメです。 主人公のジゲン(27)は売れないカメラマン。その姉・姫子は、新興宗教の教祖と仮面結婚をして莫大な財力を手に入れ、学生時代からの関係がある社長令嬢でビッチのアメリと恋仲。ジゲンが好きな5つ年上の男性・山田は、アメリと不倫する仲で奥さんとの離婚を画策中と1話目で提示される人間関係からドロドロの泥沼の様相を呈してきます。 そして、それだけでも成立しそうな人間ドラマにひとつまみ盛り込まれるファンタジーが、タイトルにもなっている「性欲を消すカメラ」の存在です。人間の根源を司る三大欲求のひとつを消し去ると、何が起こるのか。さまざまなシチュエーションの人間たちが、どこからどこまで性欲を原動力に駆動しているのかということを目の当たりにできるという意味でも非常に面白い作品です。 お金が無さすぎて資本主義の犬になるしかないジゲンは、生活のために姉や社会から多種多様なことを強いられます。マッチングアプリやブラック企業、メン地下や新興宗教、モラ男や家父長制など現代の象徴的なシーンを巡っていく中でさまざまな人間と関わっていきますが、「普通」とか「まとも」と呼ばれるような生き方をしている人がメインにはほぼ出てきません。 しかしながら、深い中身を見ようとしなければ、皆普通に生きているように見えるであろうという絶妙な状態の描き方が最高な作品です。あたかもカメラを通して切り取った一瞬が、現実よりも美しく見えるように。みんなみんな生きているんだ、友達ではないけれど。 ジゲンの恋愛に関するトラウマであったり、姫子やアメリの現在に至るまでの諸事情などが徐々に明かされていく構成、その上で描かれる主軸の人間ドラマも良いです。個人的には、1巻終盤のドライヴ感全開のセリフと展開が好きです。呪詛返しして強く生きていく力と魂を常に持っていきたいものです。 鳥トマトさんの絵柄とお話の相性も絶妙で、デフォルメが強いところとシリアス時のギャップがまた演出として強い効果を発揮しています。表情の描き方などもすごくいい瞬間があるんですよね。 唾棄したくなるような現実、人間、事象を描きながらも、読んでいると不思議とエネルギーをもらえる紛うことなき現代文学です。
割と時系列が複雑なので2回目を読んで理解したところも結構あります。上巻は三ツ郎視点で、下巻は真帆視点なのかな。2人が喫茶店で会話するシーンなんかはそれぞれの記憶が元になってるからか微妙に言動が違うのが面白い。 非常に淡々とした作品だけどそれが不思議と心地よく感じられます。三ツ郎と真帆と先生の3人の関係が絶妙に絡んでくるんだけど結局は何も起こりません。それが太陽の周りを複数の惑星がぐるぐると回りながら近づいたり離れたりするのと似てるなと思いました。 あの日に先生と会わなければ三ツ郎と真帆は離れ離れにならなかったかもしれないなと思わなくはないけど、でも彼らはすれ違ってもまた出会える、しかもより良い形でそれが実現するんじゃないかと淡い期待を自分は感じました。
虐待問題や少子化の加速により、子どもを持つことが免許制になった世界。「子どもは親を選べない。ならば社会が親を選別すればいい」理にかなっていると思ったし、現実でも起こりえる話かもしれないと思った。 「理想の社会」「人として、家族としての幸せ」「人でなし」「正しい大人」……現実社会を生きる自分も色々考えさせられたし、なにより一度最後まで読んでから改めて読んでからヒカリの気持ちを考えると苦しくなった。ラストは驚いたけど、よかったと思いました。全部繋がっていた…最初から…。本当に、読めてよかった作品です。
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 前に一巻読んで完結したら読もうと思っていたので今回読んだがある2巻のある小ネタのせいで元ネタを考え始めたら気になってあんまり集中できんかった・・・ ・特に好きなところは? 某組の先代の組長と今の組長の名前。どっかで見たことのある漢字の組み合わせでおそらく漫画の編集のプロが元ネタに違いない ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 個人の倫理と仕事の倫理と中間管理職っぽい悩みは面白かったのでおすすめです
初めはありきたりのオタク変態マンガかと思っていたら、キャラクターの小ネタ(Tシャツの文字など)にクスッとさせられ、かわいいえんじぇるたちの内面を小出しに明らかにされるにつれて「なぬ?えーーっ?きゃー!」てな感じで引き込まれ、後は怒涛の急展開!! チョー面白そうでワクワクしか無いぞこりゃ
Xで流れてきた漫画が気になって購入しました。想像以上にシュールギャグワールド。なのにどこか愛だったり奥ゆかしさを感じてたまりません。
漫画の傑作ミステリーといば?と言われて何が思い浮かぶだろうか、soilはコナンや金田一などのただ面白いだけのミステリーとは違ってミステリーの革新に近づいていくに従って人間が長い歴史の中で常に自分達にとって都合の悪いとされるものを排除してきたという恐ろしいテーマを浮き彫りにしていくのだ。一見綺麗に整えられた新興住宅地soil、一見穏やかな住民達、全てあくまでも括弧付きの一見で、掘り下げていけばいくほどこの町の不気味さが涌いてくるのだ。この物語にのみ相応しいと思わされる様に、一見物差しで引かれたと見まがう整った背景もよく見ると丁寧なフリーハンドで描かれていることにカネコアツシの絵の上手さが分かる