マンガ・エロティクス・エフの感想・レビュー3件ピーチクアワビが好きなのでこっちも読んでみたキナコタイフーン 渡辺ペコ はと実鶴nyae※ネタバレを含むクチコミです。泡のような愛の物語集 ~その愛は祈りだね~殻都市の夢 鬼頭莫宏影絵が趣味舞台は近未来の都市か、もしくは、誰からも忘れ去られた過去の都市か。 この外殻都市は、都市の上に都市を重ねる形で成長を続けている。いったい、いつ造られたのかさえ定かではない。下部階層の劣化は激しく、このグラスを伏せたような形の殻構造がなければ、上部階層の安定はおぼつかない。いや、古い下部階層では、その殻構造の強度さえ低下している。 白を基調としたコマに、淡々として、きわめて抑制的なモノローグをそえて展開される七つの愛の物語。それは愛の物語であり、同時に、消えていってしまうものへの祈りの物語でもあると思う。 愛は、その形を定義づけた瞬間にも、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように、たちまち立ち消えてしまう。その一瞬一瞬を描くことに注がれた『殻都市の夢』には、痛々しい描写こそ数あれども、そこには不思議と慈しみの表情がある。それは消えていってしまうものへの祈りの態度であると思う。愛が、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように消えてしまっても、そこに愛があったことは永遠に変えられない。もはや触れることができず、干渉することができず、だからこそ永遠に不変のかつてそこにあった愛。それは消えてしまうのではなく、そこにずっと在り続ける、私たちが祈ることさえ忘れなければ。 川の水の流れるように、つぎつぎと積み重なる殻都市、あるいは私たちの記憶。その絶え間のない流れは、目に触れた先から流れ去っていってしまう。でも、いつかの川のせせらぎが陽光をきらきら反射させていたのを私はいまも憶えている。見せておきたい景色が、ひとつ、ふたつ、と募ってゆく。それをいつか誰かに話し聞かせたいと思っている、祈りのように。そして、モノローグはようやくセリフへと変わる。 これから話すのは いつか存在した 今では存在すら忘れられた都市 ひたすら上へ上へと積みあがっていった都市 目的もわからず 理由も定かではなく その行為に没頭した都市 そんな 都市の抱いた 夢の残滓の こと そんな 人々の 物語エロかわいい短編集イタイほどかわいい 阿仁谷ユイジstarstarstar_borderstar_borderstar_borderかしこ高校時代にずっと好きだった進藤くんと不倫相手の部下として再会する。しかも彼はゲイになっていて上司のことが好きだという。恋敵だし自分は恋愛対象にならないはずなのに進藤くんの魅力に抗えない主人公。←ここまでが「巡恋歌」(2007年)。そして続編が表題作「イタイほどかわいい」(2014年)になります。この短編集は作者の阿仁谷ユイジさんご自身が企画プレゼンしたらしく、あえて最古作の続編を最新作として載せたかったとのこと。7年も間があると進化 がすごくて(進藤くんがFカップになったり)、その見所も加わってより面白い。他にも教え子と恋しちゃう先生の話とか、エロかわいい女の子が盛りだくさんでした。
※ネタバレを含むクチコミです。