羅剛王との婚礼の儀を控えた冴紗は悩んでいた。羅剛王は、こんな自分で満足しているのか…と。男でありながら王を護れず、しかも子供も産めぬ。ことあるごとに「おまえは色事にうとい」と言う羅剛王のために、冴紗は、せめてもっと房事を学ばなければならないと思い立つ。そんな折、羅剛と冴紗の婚礼で沸き立つ国内の騒ぎに乗じ、隣国が姦計をめぐらせる――。ふたりの婚礼は、無事に執り行われるのか!? 神官と王のファンタジックラブロマン、シリーズ最新作。
本当の心を仮面で隠した少年・至は援交相手を物色中に、人捜しをしている建築デザイナー・室岡に出会う。誠実そうなイイ男だったので、今夜のカモにしようとラブホに誘うが予想外に優しくされ至は戸惑う。行きずりの相手のはずなのに至は室岡に嘘をつき、その後もくりかえし彼を誘惑してしまう。どうせあんたは俺なんか見ちゃいない…。激しい愛撫に溺れる身体とは裏腹に、嘘だけで繋がる関係は至の心に深く突き刺さって――。
「使用人を管理するのも執事の仕事だ」 容姿、成績、家柄、全て兼ね備えたエバーツ観光専門学校バトラー科の誇る、永坂昌彦。豪華客船の実習で昌彦のもと、CAとして基は働くことになる。「実習中に男漁りはやめておけ」 ある夜、自分の性癖が知られたことに基は憤りを感じ、昌彦に勝負を挑む。その取り澄ました執事顔、暴いてやる! 基は懸命に官能的なキスをしかけるのだが昌彦は尊大ないつもの態度を崩さず…。快楽に堕ちた方が負け…執事×CAの愛の駆け引きが始まった――。
寄せては返す波のように
“エリィは、おれの好きな人。でもエリィが好きなのは別の人。おれは身代わり” 記憶障害を持つルースは、忘れないようにそれを手帳に記した。研究所所長のエリィにとって、一時間程度しか記憶が保てないルースは、都合の良い存在なのだ。だからエリィは、去った養い子に似た容姿のルースを気まぐれに所長室に呼びつけ、身代わりに抱く。一方的で身勝手だけど、あなたが好き――。切なくも愛おしい恋物語。