狂恋【特別版】
「お前は俺だけを見ていればいいんだ」会社員の優一(ゆういち)と敬吾(けいご)は、自他共に認める幼馴染みで親友。だがその関係は、上司の奥村(おくむら)が優一に迫り始めたことで崩れた。ついにある日、激怒した敬吾に優一は突然陵辱されてしまう。敬吾の真意が分からず、敬吾を避ける優一だが、敬吾から与えられた全てを食い尽くされるかのような愛撫や、身体の奥で感じた熱が忘れられず、追い詰められていく……。そんな時、敬吾が仕事で重大なミスを犯したと聞いて!?
「迎えに来たよ、私の花嫁」大学生の香(かおる)は突然現れた外国人・レオポルドに、いきなり求婚(プロポーズ)されてしまう。男なのに嫁!?混乱する香に追い打ちをかけるように知らされたのは衝撃の事実。なんと自分は、双子の妹の代わりに会社再建の『景品』にされていたのだ。父親が遺した会社を救うため、男に抱かれなければならないなんてと困惑する香にレオポルドは、本当の花嫁に接するように愛を囁いてくれる。妹に向けられるはずの彼の愛情に、香は何故か切なくなってしまい。
恋する本能
真夜中に電柱を口説き、通りかかった史信に突然キスした変人は、なんとお隣さん!日頃は寡黙で近寄りがたい隣人・国見は、ある一線を超えると情熱的な男に変身してしまうのだ。しかもその間の記憶が飛ぶようで、なりゆきから国見の食事の面倒を見るようになった史信とキスしたことさえ、憶えていない様子。一見、野犬のようで懐かない男の持つ二面性に惹かれ始めた史信は、情熱的な時の国見に口説かれるまま関係を持ってしまい!?
「割り切って遊ぶには、俺は最適な男だよ」男に裏切られ、言い争っていた怜(れい)を助けてくれたのは、編集者の鵜飼(うかい)。妖艶な容姿ながら恋に不器用な怜は、彼に誘われるまま一夜を共にしてしまう。自分だけを愛してくれる恋人(ひと)が欲しかったはずなのに、鵜飼から愛がなくとも身体は淫らに反応することを教えられた怜。だが、戯れだけで身体を繋ぐ関係は、怜の前に別の男が現れたことで一変する。簡単に相手に身体を許すな――不敵に笑い首筋にキスしてきた鵜飼に、怜は戸惑いを隠せなくて……。
【単行本未収録の短編をセットした特別版!】親友の貴之と関係して二ヶ月。どんなに濃密な夜を過ごしても、知也は素直になれなかった。ベタベタせず、常にそっけなく。それは、高校時代から貴之を見続けてきた知也だけが知っている、嫌われない為のルール。身体を繋げたことで貴之は和也に親友以上の感情を持ち、ずっと好きだった彼に抱かれた知也は自分に臆病になっていた。貴之の激しい執着を嬉しいと思う反面、己の醜い独占欲を知られることを恐れた知也は別離を決意するが!?
研究員の鴫原は、鍵屋の高任と奇妙な友情を育んでいた。無精髭にサングラスという見た目に似合わず情に厚い高任に、否応なく惹かれていく鴫原。だが、鴫原が研究中に作ってしまった「あるもの」によって、その関係に亀裂が入る。知られてしまえば危険に巻き込んでしまう……鴫原は距離を置こうとするが、激昂した高任によって陵辱されてしまう。行為は強引だが、与えられたのは蕩けるような快感。高任の心が見えず、傷ついた鴫原は、秘密を狙う組織に誘拐されてしまい!?
孤児院で育った蓮が交わした愛人契約。学費を稼ぐためには仕方ない、そう思っていた蓮は、パトロンに会った瞬間、呆然とする。目の前にいたのは、蓮の命の恩人とも言える人物だった。更に追い打ちをかけるように、その男・高羽は冷酷に言い放った。――四年間、お前は俺の奴隷だ――自分の身体を代償にしたギブ&テイク……そんな蓮の甘い考えを、高羽は打ち砕いたのだ。男に奉仕させられ、喘がされる日々。心だけは渡さないと思っていたはずなのに、時折見せる淋しげな瞳に惹かれていくのを止められなくて!?
執事の誘惑
「もっと奥まで、私を受け入れてください」下校途中で攫われた蒼は、見知らぬ屋敷で目覚めた時、少女の服を纏わされていた。動揺する蒼に、後見人を自称する男は財産相続のために、淑女教育を受けろと強要する。監禁される日々の中、唯一の味方は美貌の執事・伊織だけ。だがある夜、蒼は突然部屋を訪れた伊織からの甘い誘惑に抗えず、淫らな恥辱に溺れてしまう。巧みな愛撫に、無垢な体は翻弄されながらも次第に開花し……。
支配者は罪を抱く
皇(ファン)一族総帥・飛鶲(フェイオン)も仕える小陵(シャオリン)には、幼い頃の記憶がない。そんな彼にとって、深い愛情で自分を育ててくれた飛鶲が世界の中心だった。だが、飛鶲の周りに花嫁候補が現れる度に胸が痛むようになった小陵は、その感情が恋だと気づく。「私は……とても悪い男だぞ。それでも好きか?」悲しげに問う飛鶲の真意を読み取れない小陵は、彼の巧みな愛撫にただ溺れてしまった。しかし数日後、失った記憶に飛鶲が関わっていたと知って――?
「優しくしたら、絆されてくれるのか?」恋人の前で陵辱され、純潔を失った孝也は、夢も希望もなく、NYで高級男娼として生きていた。だがある夜、指名されたホテルの一室で、思いがけない男と再会する。その男・砂漠王シャラフは、かつて無垢だった自分を辱めた憎き相手。拒むこともできず、力ずくで攫われた砂漠の国で奴隷として扱われる孝也。再びあの男に身体を赦すなんて――人格すら踏みにじられ、生きることすら諦めた時、シャラフからかけられた意外な言葉に、孝也は揺れてしまい……?
上海金魚
しっとりとした花のような色香を持つ水端佑季の恋は、初めて訪れた異国の地、上海で終わりを告げた。男の狡さに気付きながら、嘘を信じていた佑季は突然の別れに傷付き、旅先で出会った男、滝乃と体を重ねてしまう。滝乃の包み込むような優しさに、つかの間の関係だとわかっていても、心惹かれることを止められない佑季だったが……。
雪花の契り
「帰ってきたよ――おまえに復讐するために」花房伯爵家の跡取り・薫の前に現れたのは、かつての親友であり、忘れられない男・桂木だった。学生時代、薫の父の商略により桂木家は破産。全てを失い単身アメリカへ留学する彼を、薫は物陰から見つめるしかなかった。八年後、艶めく容姿の薫とは対照的に精悍な風貌となって男は戻ってきた――瞳に憎悪の光を宿して。複雑な想いを胸に秘めた薫は、憎しみをぶつけるような口づけに翻弄され!?