「軽蔑しているのに、私に従うのか」時は帝政ロシア末期。オルロフ公爵家の嗣子ユーリは天使のように優美な容姿を持ちながら、近衛師団では切れ者の大尉として知られている。そして、彼のそばには副官のヴィクトールが常に付き従っている。目的のためなら躯を利用することも厭わないと噂のユーリを侮蔑を籠めた目で冷たく見ながらも、屈従を崩さず──折しも、ユーリは幼馴染みのマクシムからある青年を紹介される。それは死に別れたはずの双子の兄、ミハイルだった!?愛と憎しみ、憧憬と裏切り。複雑な想いが絡まり合い……※このお話は「タナトスの双子1917」に続きます。
「お帰りなさいませ、ご主人様」その日、出版社の営業部に勤める葉鳥が、疲れた身体でアパートに戻ると、燕尾服を纏った美貌の男が恭しく彼を出迎えた。驚く葉鳥に男は九識と名乗り、存在も知らなかった遠縁である大富豪の遺言状を彼に手渡す。そこには、執事である九識を遺産として葉鳥に相続させる旨が書かれていて……。独り暮らしの狭いワンルームには不釣り合いな謎めいた執事に甘やかされ、淫らな悪戯で翻弄される日々に、初めは戸惑っていた葉鳥だったけれど──!? ※本作は過去に配信していた「僕の愛する執事へ」に挿絵を加えたものです。ストーリーに変更はございません。
もう長い間、恋をしている。美容師の昴大には秘かに想う相手がいた。芸能事務所にスカウトされるほどかっこよくて、才能があって、だけどどうしようもなく愛想がなくて言葉がきつい同僚、遠藤進太郎だ。周囲からは明るくムードメーカーと思われている昴大だが、本当は傷つきやすく、臆病な一面を持っていた。だから、遠藤にも告白するつもりはなく、今の、一番親しい同僚という立ち位置で十分なはずだった。それなのに、遠藤の地元へ引っ越して、遠藤の美容院で働くことになってしまい!?・無口無愛想×隠れ繊細のハートフルラブ登場!
初恋大パニック
「……いけ好かねえ」 人気の新人作家・藤原壮介と初打ち合わせの日、敏腕編集と評判の小宮山旭は壮介の著者近影を見ながら、思わずそう呟いた。しかも、それを壮介に聞かれていた…… 最悪な初対面を果たしたふたりの関係は、当然ながらうまくいくはずがなかった。……いくはずがなかったのに!? 月村奎先生の原作で、秋平しろ先生のマンガ『初恋ファンタジスタ』も特別収録。 【限定配布されたショートストーリーを電子限定で巻末に収録配信!!】
売れない絵本作家の高遠司は、絵本だけでは生活できず、家事代行サービスのバイトをしながら暮らしていた。ある日、司は青年実業家・藤谷拓磨の指名を受け、彼のマンションに通うことになった。極度のきれい好きと聞いていたので緊張していた司だが、なぜか藤谷は司が戸惑うほどやさしく親切だった。そして、司が性嫌悪、接触嫌悪であることを知ると、自分を練習台にして触れることに慣れようと言ってきて!? 【限定配布されたショートストーリーを電子限定で巻末に収録配信!!】
大学三年の北爪空は両親を早くに亡くし、誰にも頼らず、ずっと独りで頑張って生きてきた。そんな空だけれど、ある自転車事故をきっかけに、商店街で洋食店を経営する堤隼人と知り合い、隼人の店でアルバイトをすることになる。今までも、これからも、縁がない、普通の家族の風景。それは、空には憧れの空間だった。自分の居場所はどこにあるんだろう? 寂しい空の心に、隼人の存在はどんどん大きくなっていき…
【※本作品は電子限定発売です。本作品を3分冊した商品も同時発売しております。内容に変更はございません】 森に囲まれた小高い丘にあるリゾートホテル・グランドテラスキタノ──気品をかねそなえた容姿から貴公子と噂されるフロントマンの木山奏人は、淫蕩に耽った過去を封じるようにもう何年も誰かに興味をもつことはなかった。しかしある夜、同じ職場にいても接点のなかった長身で威圧感のあるガーデナー・竹原浩太と、行きずりの関係をもってしまう。ゆっくりとめりこむような快感に奏人は乱れ、浩太もまた奏人の柔らかく絡みつく体を夢中になって突き上げ……!?
ある夏の日、熱中症にかかった真知は、偶然とおりかかった佑に助けられた。真知の実家は和菓子屋で、佑は得意先のひとり息子だった。報われない恋をしている大人とまだ恋をしらない子ども、真知・二十一歳、佑・十二歳、それがふたりの出会いだった──。以来、佑はなにかと真知に懐き、少年らしい潔さとまっすぐな心を向けてくる。そして佑は真知に想いを告げる。「俺、真知が好き。どうしたらいいの」と。幼い告白に真知の心は揺れ──。 【限定配布されたショートストーリーを電子限定で巻末に収録配信!!】
上月しぐれは嘘が大嫌いで苦労性な研究所の事務職員だ。ふとしたきっかけで上月は羽賀郡司の親友・前河と親しくなった。羽賀は「神の申し子・孤高の天才」と称される研究者でノーベル賞にもっとも近い男と言われている。常にマスクをしているのに、容姿端麗と言われ謎に包まれた彼はいつも職場で噂の的だ。前河となにげなく交わす会話も羽賀のことばかり。だが、その時間がとても楽しみになっている自分に気づく。そんな折、誤解が誤解を呼んで、上月は羽賀からひどい仕打ちを受けてしまい!?
大学四年の初夏、教育実習生としてある高校に通っていた細川湊は、そこで荻原浩志と知り合った。荻原は陸上の有力選手で成績優秀、かつ容姿もすぐれ、生徒ばかりでなく、教師まで特別視しているような生徒だった。一方で、湊は地味で目立たず、口下手だった。それなのに荻原は湊に興味を持ったらしく、ふたりは一緒に過ごす時間が増えていった。そんなある日、ふたりは帰宅途中の電車で事故に巻き込まれてしまう。それがすべての始まりだった───傷つき、別れてから十年。ふたりは再会して……!?
マル暴の刑事でありながら傷害事件を起こした射場は出所してから下っ端ヤクザとして自堕落に生きていた。そんなある日、暴力団の企業舎弟、日夏晄介のボディガードを任される。それはずっと憎んでいた男との再会でもあった。ゲイではないと言いながら男を抱き、男に抱かれる日夏。同性愛を嫌悪する射場は苛立つが、一緒に暮らすうちに謎めいた年上の男に惹かれていく。だが日夏の命を狙う何者かが現れ……!? 愛と憎しみ、死と魂の再生の物語、誕生!! 【限定配布されたショートストーリーを電子限定で巻末に収録配信!!】
貴族シリーズ
パーティーで久我伯爵家の御曹子・馨はかつて秘かに惹かれていた守脇侯爵家の威彦と再会する。経済的に苦しい久我伯爵家は稲美財閥から融資を受け、そして稲美家の恭弘と威彦は昔からのライバルだった。威彦の挑発にのった馨は巧妙な罠に落ち…優雅で残酷、貴族達の恋愛遊戯!