バンチコミックスの感想・レビュー8件悲しいことに、これ現実なのよねコオリオニ 梶本レイカまみこ※ネタバレを含むクチコミです。自分を異常者だと社会不適合者だと思いたい全ての人へコオリオニ 梶本レイカstarstarstarstarstar生卵『コオリオニ 上下巻』 再読 警察官×ヤクザのBL 異常者と異常者が必然的に出会いヤクザと警察を巻き込んだ愛憎劇を繰り広げていく作品。 実際にあった日本警察最大の不祥事事件と言われている稲葉事件をベースにこの作品は描かれている 物語の軸は自分をまともだと思い込んでいる異常者の警察官鬼戸と 女性のような見た目をしたサイコパスヤクザ八敷が共犯関係になっていくに連れ 愛を深めていきそれに周りの人間が巻き込まれていくといったストーリーであるが 個人的にはこの二人ではなく 佐伯という八敷と幼なじみのヤクザに僕は感情移入してしまった。 この佐伯という人物は書字障害という文字を読む事はできるが描く事ができない発達障害を持っていて この文章を書いてる僕個人もその書字障害を持っている。 佐伯は自分は人よりも劣っている自分は人とは違う人間だという意識を持っていて それは僕個人も幼い頃から感じていた。 しかし佐伯は出会ってしまう。 自分よりも倫理観もバグったヤバイ存在である八敷と。 自分はマトモじゃないと思っていたのに自分よりもマトモじゃない存在と出会ってしまったことで 自分はマトモな人間だったという事に気付かされてしまう。 マトモじゃないと気づいてしまったら それは単なる自分の努力不足になってしまう、異常者だから許されてたことが一気に許されなくなってしまう。 そんな佐伯の気持ちを僕は他人事だとは思えない。 心が苦しくなる。 自分はマトモじゃないからみんなと違うように生きなきゃいけないんだと思ってたのに 本物の異常者を見てしまったら 今までの自分の生き方さえも否定されたような気持ちになる この本物の異常者の2人の恋愛を見ていると 社会の中で生きる普通のファッション異常者の俺には突き刺さる。 世の中の自分を異常者だと思う全ての人に読んでほしい 死ぬぞバッキバキにサイバーパンク!カプセルから生まれた桃太郎サイバーパンク桃太郎 Rootport名無し※ネタバレを含むクチコミです。80年代ジャンプ編集部の物語!!少年リーダム~友情・努力・勝利の詩~ 次原隆二starstarstarstarstar_border酒チャビン結構最近色々と出ているマンガ家&編集者マンガ。その中でも本作は、80年代前半のジャンプ編集部の物語です!!それだけでもうすごく面白いです。 第3代編集長の西村繁男さんによる「さらば、わが青春の『少年ジャンプ』」という本が原作のようで、それのダイジェストをコミカライズしたもののようです。 80年代ジャンプはわたしがちょうどジャンプを読み始めた頃で、出てくるマンガはどれも懐かしく、その裏話も興味深く読めました!! ただ、当時にたくさんいらっしゃった編集者でも、わりに西村さんと仲の良かった??堀江信彦さんが担当されていた作品(北斗の拳やキャッツアイなど)の描写が中心で、わたしが夢中になっていたキン肉マンやアラレちゃんや奇面組あたりの作品はそこまで登場していなかったので、そこだけ少々残念でした。 原作の方には、そのあたりの作品の裏側の話も載ってるかもしれないので、今度読んでみたいと思います。 独特な磁場が、読後の満足感を引き寄せるマグネット島通信 伊藤正臣名無し南の島に移住してきた低迷気味な青年翻訳家。 爽やかさとほのぼの感の両方が漂う島の女子高生。 空から降ってきたらしい謎の金属片。 ちょっとSFが混じったメルヘンでドリーミイな物語が 始まるのかと思いきや、謎のカケラが色々なことを引き起し、 繋がり、広がって、やがて時空を超えた壮大な物語になっていく。 空から金属片が降ってくるという完全なSF設定でありながら、 SF設定を夢や愛や物語を成就させるためだけで使っていない。 小さな部品それぞれがちゃんと繋がることで 凄い働きをする機械が出来上がるように、 夢も希望も不満も事情も抱えたそれぞれの人たちの心が いくつも繋がって動いて大きなものになっていく。 その「ちゃんとした繋がり」にするためにSF設定が 使われてはいるが、決して安直に使われていない。 SFで繋げることで、湿っぽい繋がりにならずに済んでいるし、 パニック物な展開もありながら、最後までほのぼの感も崩れない。 夢物語と論理的物語をバランスよく組み合わせて 「マグネット島通信」という物語を構築するために SF要素が必然性を持って組み込まれている。 読後には滅多にないそして独特な満足感を味わいました。離島スローライフ×SFという不思議な組み合わせマグネット島通信 伊藤正臣sogor25翻訳家の本山田が移住してきたのは自然豊かな離島・磁辺島。彼が島で出会ったもの、それは島に流れる緩やかな時間、心優しい島民とのふれあい、空から降る謎の金属片、そして道端に置かれたネコの像に消えるお供え物…アレ、なんか変だぞ!? そんな自然豊かな島でのスローライフとちょっとだけ不思議なSFとの組み合わせ。それらが島の人々の人間関係、そして翻訳家である本山田というピースと組み合わさることで1つの大きな物語を生み出していく。 それでも作品全体からはほのぼのとした雰囲気が滲み出ている。伊藤正臣さんの絵柄も相まって、しっかりSF要素がありながら穏やかな空気感が広がる不思議な作品。 ちなみに単行本は新潮社のバンチコミックスから出版されていますが、元々はジヘンというWEBマンガ誌で掲載されていた作品。島の名前もここから来てるのかなーとかいろいろ思いを巡らせながら読んでも楽しい作品。 全3巻読了離島漫画にハズレなしマグネット島通信 伊藤正臣むお願いだから3巻まとめて買って読んで欲しい! 離島漫画の最初ってちょっと負の感情から始まると思うんですよ。 辛いとかモヤモヤした心情から始まって、離島に行って何かが変わると予感させる。実際変わるんですよ! 読んでて島の海辺の描写に癒されるし、どこかにあるであろう知らない土地に思いを馳せることができる。 この漫画もすごいよかったです。心が晴れるみたい。 ほっこり離島田舎SF、、、とでも言いましょうか。ジャンルが難しい! 読了!最高にいい気分になりました。 離島とSFマグネット島通信 伊藤正臣starstarstarstarstar吉川きっちょむ(芸人)いい離島ゆるSFマンガに出会いました。 主人公の男性はタイ語の翻訳者なんですが、契約を更新できず仕事もあまりないので叔父の入院中に空いてしまっている家を任されるついでにリフレッシュしに離島へ移住します。 そこで出会った少女は東京に憧れ、雑誌の真似をしたおしゃれをたしなむ子で、彼に興味津々。 この二人がちょうど対照的で関係性が面白いです。 お互いが大したことないと思っている身近だったものが相手にとっては価値のあるものということは日常生活を送っていてもよくありますよね。 まさにその感じです。 見る景色は全て美しく読むと穏やかな気分になれるその島の風景に混ざるのは、条件を満たすと動く不思議なパーツ。 「マグネット」と呼ばれるそのパーツがこの島にとって、彼らにとってどのような役割を担うのか、今後の展開が楽しみです。 マグネットを一つ一つ分析していく過程も知的好奇心をもぞもぞさせていい感じです。 単純に沈みゆく島だったり神話的な何かがワクワクしていいのでオススメです。
※ネタバレを含むクチコミです。