琥珀の夢で酔いましょう

付箋を貼って読む漫画

琥珀の夢で酔いましょう 杉村啓 依田温 村野真朱
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

こんなに寄り添ってくれるメッセージに溢れた、胸熱くなる作品ってそんなにあるだろうか……大好きすぎるので6巻までを再読して、大切なところに付箋を貼ってゆく。 クラフトビールの話題が満載な本作。しかしそれと同じくらい、苦しい人・心折れそうな人の再生を描いて切実な物語でもある。 就労地位格差、身体的特性、人種差別、男性性に脅かされる女性性、性差別……さまざまな苦悩を秘めて生きる、大人になりたての登場人物たち。しかし彼らはクラフトビール専門店「白熊」で、次第に前向きになる。 クラフトビールを盛り上げるべく、打たれる幾度かのイベント。好きなものを学び、広げながら、人と繋がる。出会いの中で、自由へと解放されてゆく人たちに共振する……何かを始めたくなる! 燻る現状を告白し合うことで、主人公の派遣デザイナー・七菜は女性俳優の慎と同志になる。ピアノを諦めた同級生に、写真家の鉄雄は作品で、いつの間にか何かを伝える。ページを捲るたびに心が沸き立つ。 一方随所で、冷静かつ痛烈に、私の中にある残酷さ、思い込みや偏見を言葉にして伝える。はっとさせられたり、胸が痛くなったり。それでも西陣麦酒のブランドコンセプト「多様性(ダイバーシティ)と社会的包摂(インクルーシブ)」を取り上げ、ビールを介した人の輪の中でエンパワーメントの連鎖が起こるビジョンを語る本作は、とても力強く優しい。 私の本は、付箋でいっぱいになった。特に3巻と5巻が多いようだ。お読みの方はどうだろうか。

泥酔彼女

ストレスフリーなラブコメ

泥酔彼女 ぽんこつわーくす 加川壱互 串木野たんぼ
六文銭
六文銭

芸能事務所のマネージャーを姉にもつ主人公。 そこに所属する女性の1人が、酒飲みにやってくるという話。 年上女性×年下男性。 大きなくくりではそうなのですが、女性のほうが大酒飲みでウザ絡みをしてくるというのが本作の設定。 そして、ラノベ原作ではもはや様式美の、第3者の幼馴染がそのシチュエーションにヤキモキすると言った感じ。 年上のお姉さんが大酒飲みで泥酔がてら絡んでくるなんて、現実ならワンチャン期待しちゃうものですが、そこもラノベの主人公。 謎の貞操観念で、この状況でも何も起きない。 ひたすらダベって、たまにイチャコラして、それに嫉妬したりなんやりしするも、関係性にあまり進展はしない。 だが、それがいい!不思議とそれがいいのです。 この何も起きないヌルくて、ゆるい展開が、無駄にドギマギしなくて逆に良いのです。 ストレスフリーにペラペラと読める。 また、男女であっても上記のような関係が続くのって、今っぽい関係性の作品だなと思います。 ラブコメ作品ですが、ラブは少な目、というか主人公が安定の鈍感系なのであまり全面にでないのも個人的には良かったです。

酒と恋には酔って然るべき【電子単行本】

飲みたくなる!粋な日本酒と恋のマンガ

酒と恋には酔って然るべき 美波はるこ はるこ 江口まゆみ
nyae
nyae

酒(主に日本酒)オタクのアラサー女子が主人公で、恋と酒どちらにも酔い“過ぎない”のがこの作品のいいところ。 主人公の松子は頭の回転が早くユーモアもあって明るいしっかり者。人に媚びたりもせず、いつでも等身大で、友だちになりたいタイプ。 わりと冒頭から後輩社員(男)と2人で家飲みする展開がありますが、とくに何も起こらず、それに対してもモヤモヤしたりはしない。 日本酒愛に対して恋愛パートは薄味かと思いきや、2巻が終わるまでに展開も早く大きく動きます。 友達から紹介されたイケメンの「ウイスキーが好きだから度数は40が基準」というマウンティングに対しても、思ったことがそのまま口から出ちゃうところ(※画像参照)で松子のことが大好きになりました。 季節や行事、その時の気分や会う人によって何をどう飲むかを心から楽しんでいる様子が羨ましくて、こんな楽しく飲めたらいいなと思いました。カップ酒=おっさん、というイメージもガラッと変わります。 中に出てくるお酒と用語の解説も各話の後ろについてるので知識が欲しい人も必読! あとツイッターでもし実写化したらのキャスト予想がたくさんつぶやかれてますが、確かにドラマ化したら面白そう。