福島マンガの感想・レビュー9件男心くすぐる開拓ロマン漫画まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大starstarstarstarstar_borderゆゆゆ当時50歳手前、体型も気になるおじさん漫画家が、山を買って開拓して家を建てて‥ 電気ガス水道なし! 男心くすぐる、ロマンあふれる生活へ転換!! 男心を持たない奥さんからは「お猿さんの生活」と言われつつも、苦労しながらロマンあふれる生活を満喫。 生活スペースのみならず、サウナ小屋やピザも焼ける釜まで作ってしまいます。 ちなみにお猿さんの生活が嫌な奥さんは、途中から越してきて、そばに文明開化した別宅を建てて住んでいます。 要所要所の言葉掛けに愛情がこもっています。 ちなみに福島県でのお話なので東日本大震災の影響もちらりと書かれています。 漫画は全10巻ですが、途中から開拓の話は減り、山や川で遊んだり釣りしたりする話に変わります。 最初の建築ペースを考えると、新しい建物も追加で建てていそうに思えましたが、建てた分だけ税金がかかるので、原人生活には合わないのかもしれません。 開拓!浪漫!!サバイバル!!! 後半はアウトドア! そんな漫画ですので、実際の開拓生活は勇気が出なくても、漫画で疑似体験&情報収集してみるのも楽しいですね。白虎隊っていうか幕末会津藩史白虎隊 小島剛夕 杉山義法starstarstarstarstar_borderたか白虎隊と聞いて思い出すのは小学校の修学旅行。日新館に行って「ならぬものはならぬものです」の教えを聞いたり、白虎隊が鶴ヶ城を望み自刃したという飯盛山に登ってお土産買ったりしたな〜ぐらいの知識で読んだ(八重の桜は観てない)。歴史を学んだ今読むと会津藩の最後ってこんな壮絶で悲劇的だったんだな…そら愛されるわと納得。 15、6歳の少年を投じ、女子供は辞世の句を詠み、何千もの砲弾を浴びながら鶴ヶ城に籠城し降伏……。 ずっと徳川家に忠実に仕えてきた会津藩が朝敵となり、それでも最後まで抗い続けた姿はなんとも言えない切なさ美しさがありますね。 ただ1人生き残った白虎隊隊士・飯沼貞吉が昭和6年まで生きていたと知りメチャクチャ驚きました。すげえな。 あとプロイセン人の武器商人を軍事顧問に雇ってたっていうのも19世紀の欧州と福島にそんな形で繋がりがあったなんて…と衝撃。 白虎隊ってタイトルだけど実際は幕末会津藩史だったので、もし本当に白虎隊にフォーカスしたマンガがあるなら読んでみたい。「原発事故編」を読んでみた今日もいい天気 山本おさむ名無し前作の「田舎暮らし編」から3年後の話です。この3年間に同居していた奥さんのご両親が亡くなったり、東日本大震災が起こったり、原発事故が起こったり…。あんなに楽しそうに田舎暮らしを満喫していたのに、全く違う漫画になってしまいました。実際にはこれとは比べ物にならない喪失感があるんですね。今作も最初から1年間の連載と決まっていたそうで、途中からどう終わらせるか悩んだそうですが、最後にはハッピーエンドはありえないと断言されていたのが印象的でした。山本おさむ先生の誠実さが感じられました。「田舎暮らし編」を読んでみた今日もいい天気 山本おさむ名無し山本おさむ先生が都会暮らしに疲れてしまい(鉄腕DASHに憧れて…とも描いてあった)、奥さんのご両親の地元である福島県の田舎で暮らしを始めたことを描いたエッセイ漫画です。私が読んだ「田舎暮らし編」では、田舎で暮らし始めた一年目の出来事がまとめられているのですが、途中から奥さんの両親と同居したり、芝犬のコタを飼い始めたり、夏子の酒の尾瀬あきら先生も近所に家を借りたり、たった一年間の出来事とは思えない充実っぷりだな〜と思いました。 元陸軍上等兵のお義父さんがとても気難しそうで、同居したらトラブルが起きないか心配だったのですが、実はこのお義父さんがとてもよく出来た人なんですよ。お義父さんの意向で生前に建てたお墓の話には感動しました。 一回は読んでほしいリアルいちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人名無し隠されたものとか、なかなか知り得ないものは誰でも知りたい気持ちになるんだなという感じ。 いいとか悪いとかじゃなく、一回は読んでほしい作品背の眼背の眼 小池ノクト 道尾秀介マウナケア作品冒頭に出てくる「レエ……オグロアラダ……ロゴ……」という言葉。何のことやら意味不明で、響きといいとらえどころのなさといい、何とも言えない不安感をあおられませんか。ミステリーの導入としては秀逸だと思います。実際、私はその意味を知って安心したいがために、ページをクリックするマウスを止められませんでしたよ。で、読んでも読んでもどんどん不安感は増していくばかり。いやあまんまと術中にはまってしまった訳です。白峠村を訪れた作家の道尾秀介は児童の神隠し事件を知り、遺体が見つかった場所で奇妙な声を聞く。帰京した道尾は友人の霊現象を探求する真備庄介に相談。偶然にも真備の元には、自殺する前にとられた複数の写真に写る眼についての相談が舞い込んでいた。ここまでは1巻の時点でわかっていることなんですけど、これが霊現象なのかは明らかにされないのがミソなんだよなあ。原作は直木賞作家のデビュー作。で私の大学・学部の後輩ということをこれを書いた後に知って、期せずして前回と大学つながりになっちゃいました。う~ん、ミステリー。いちえふ 福島第一原子力発電所労働記いちえふ 福島第一原子力発電所労働記 竜田一人兎来栄寿「いちえふ」、と聞いて何のことか判るでしょうか? 世間では「フクイチ」と呼ばれることの多い東京電力福島第一原子力発電所。その呼称は、現場の人間や地元住民の間では「1F」であるといいます。今作は実際に1Fで働いて来た筆者による実録ルポマンガです。 これまでに多くの人が様々な形で福島第一原発について報じてきました。又、3.11や原発をテーマにしたマンガも出版されて来ました。しかし、その中でも現地で原発作業員として働いた人間が、そのありのままの様子をマンガという形で表した物はありませんでした。今作はモーニングで連載開始されるやいなや、国内外数多くのメディアでも取り上げられ大反響。今回はその単行本の感想を書いてみたいと思います。 現地で働くことを志望してもなかなか仕事を回して貰えず、現地で観光をして時間を潰したり原発に何の関係もない仕事を回されたりする6次下請けという歪な構造。 「ご安全に!」という、耳慣れない挨拶が交わされる現場。 身に付ける装備一つ一つに厳密な線量検査を行う一方で、汚染検査済証の半券はコピー用紙を定規で裁断。 東北とはいえ夏は暑く、放射能よりもダイレクトに命に関わる熱中症。 掻けない鼻の痒みの辛さ。 色んな年代が集まるなか、ギャンブルと下ネタが会話の大部分を占める男所帯。 何故か可愛い顔文字が書かれているJヴィレッジの入退記録。 危険区域でもセミはうるさく、道路には牛が飛び出してくることもあり、奇形動物など見た試しもない。 発電所や休憩所の構造、装備品の形状などなど……この作品を読むことで、今まであまり語られて来なかった現場の実情を沢山知ることができます。 > 「外の人に『1Fで働いている』なんて言うと超危険な現場でものすごい被曝しながら戦ってるヒーローみたいに言われたりシますけどね」 > 「なんの実際大半は俺達みたいに安くて地味な仕事タイね」 という会話も。裏方で機械や車のメンテナンスを行ったり、トイレの掃除をしたりする裏方の仕事も克明に描かれます。 > 「そやけどそんな仕事もやる奴がおらんと1Fは回らんのや。どんなつまらん仕事やろうとここで働いとる事には胸を張っていいと思うで」 と語る年配の明石さんがとても凛々しく見えます。現地で働く、あるいは働いていた方々には、感謝と敬意を表します。 メディアを経由して想像される「フクイチ」ではなく、一人一人の人間がそれぞれの想いを抱えて当たり前のように生きて働いている「1F」の姿が解る今作。 やはりマンガは、そのヴィジュアル要素を含む媒体としての特性ゆえに、字だけで書かれた本よりも何倍も解り易く物事を伝える力を有していると思いました。 貴重なドキュメンタリーとして、老若男女問わず一人でも多くの人に触れてみて頂きたいと強く願います。 今週のウーパ!まんが 新白河原人 ウーパ! 守村大マンガが主食石窯を庭に作るとかって、男の夢だよね。どこまでも穏やかな、謎のいきものとの日常あかまつ 作井ルビmampuku会津若松を舞台とした日常モノ。別マガでは「ふらいんぐうぃっち」に次ぐ少しファンタジー要素のある癒し系漫画ですね。表紙左側の赤べこのような生き物(?)がマスコット的な存在です。事件も何も起こらない穏やかな日常を、この不思議な赤べことのふれあいと共に描いています。「よつばと!」に匹敵するくらい何も起こらないので、何が面白いのか説明するのがとても難しいのですが、とにかく箸休めとしては最高です。国内なので異国情緒というほどでは無いですが、自分の知らない土地の文化や町の息遣いが感じられる作品は良いですね。
当時50歳手前、体型も気になるおじさん漫画家が、山を買って開拓して家を建てて‥ 電気ガス水道なし! 男心くすぐる、ロマンあふれる生活へ転換!! 男心を持たない奥さんからは「お猿さんの生活」と言われつつも、苦労しながらロマンあふれる生活を満喫。 生活スペースのみならず、サウナ小屋やピザも焼ける釜まで作ってしまいます。 ちなみにお猿さんの生活が嫌な奥さんは、途中から越してきて、そばに文明開化した別宅を建てて住んでいます。 要所要所の言葉掛けに愛情がこもっています。 ちなみに福島県でのお話なので東日本大震災の影響もちらりと書かれています。 漫画は全10巻ですが、途中から開拓の話は減り、山や川で遊んだり釣りしたりする話に変わります。 最初の建築ペースを考えると、新しい建物も追加で建てていそうに思えましたが、建てた分だけ税金がかかるので、原人生活には合わないのかもしれません。 開拓!浪漫!!サバイバル!!! 後半はアウトドア! そんな漫画ですので、実際の開拓生活は勇気が出なくても、漫画で疑似体験&情報収集してみるのも楽しいですね。