ITエンジニアマンガの感想・レビュー16件コスプレをして働く人がフロアにいたらえ、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?(コミック) 伊於 下城米雪 icchistarstarstarstarstar_borderゆゆゆめちゃくちゃな仕事環境と業務量のなか、主人公の心を守ったコスプレの完成度はさっぱりわからないのだけど、作中でそのコスプレ&振る舞いに対し「解釈違い」と言われているのを見て、神は三物も四物も与えないのねと思ってしまった。 プログラミングも裁縫も、人間関係を円滑に進めるコツもよく知っている主人公。 さらにガチのコスプレ衣装姿を会社の人に見られても、普通に仕事ができる心の強さをもっている。 美容室で髪をサラサラにして、エステでお肌ツヤツヤにして、ネイルをサロンでバチッと決めて…が彼女にとってのコスプレらしい。 ものすごく優秀な人とは言え、職場のコスプレはどうなの?TPOは?と思ったものの、それなら和装ならOKかとふと疑問が湧いてきて。 さらにおかしな環境のせいで、おかしなことをし始めた(服装以外はおかしくない)なら、そもそも、おかしな環境を提供したブラック企業がおかしいわけで…と考え始め、混乱してきてしまった。 プログラマ向け塾がメインの舞台となるが、プログラミング知識は不要。 大変な状況にある方への処方箋というか予防薬というか、スカッとするというか、誰かと生活するうえでの心構えというか、そういうかんじの漫画だった。ちょっとエンジニアの方〜!え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?(コミック) 伊於 下城米雪 icchi名無し自分は普通に読んでしまってるんですが、本職エンジニアが読んだらどんな感想抱くのか気になるところです。 コスプレする社員→まあありそう 凄腕社員解雇→ある…のか?此ノ木先生の良作の1つSE 此ノ木よしるstarstarstarstarstar_border宮っしぃシステムエンジニアの主人公の就職先の社長が女子高生で天才SEで、そこからラブコメ始まってと要素もりもりだが、開発するものがオナ◯ールというところで、「うん、此ノ木よしる先生ですね」って感じの良作 マジメにSEしつつも開発しようとするのが未来のオナホってところが、先生らしくて、やっぱマジメにアホエロ要素あるのが良い所ですよね 短い巻数ながらキレイにまとまっているので、「変女」などを楽しめた人はこれもオススメです現場の苦しみを理解されない悲劇が減りますように #1巻応援え、社内システム全てワンオペしている私を解雇ですか?(コミック) 伊於 下城米雪 icchi兎来栄寿一部の人は、タイトルを聞いただけで胃が痛くなりそうな小説のコミカライズ作品です。 現場のことなど何も解っていない上の決定によって、現場が大混乱に陥るのは古今東西どこにでもある話ですね。 「何事もその基は人です 人を得る国はさかんになり 人を失う国は亡びましょう」 とは『三国志』の周瑜公瑾の言葉ですが、会社にも同じことは言えるでしょう。人を大事にする会社は栄え、そうでない会社は亡びます。 本作も、主人公・佐藤愛が新社長のリストラによってタイトル通り解雇されてしまったことで亡びへの一途を辿っていきます。愛が1人で管理していたシステム運用に、後任の社員が「最低8人は必要です」と訴えるも新社長は「前は1人でできていたものがそんなに掛かるわけない、エンジニア特有の大げさな方便だ」とバッサリ切り捨てるさまは現実ならそら恐ろしい話ですが、お話として見る分には『アリとキリギリス』のキリギリスの末路を見ている気分です。音速で有給消化に走り転職していく人事の姿や愛を信頼していた同僚がこぞって辞めていく姿も滑稽で、この後どのように社が転覆していくか、社員なんていくらでも代わりの利く歯車だとしか思っていない経営者がどのように慌てふためくかは見所のひとつとなっています。 一方、会社を辞めた愛は新たに幼馴染のスタートアップにジョインし、そこで新たに「真のプログラマ塾」を開いて、迷える社会人たちを救済していきます。超ブラックな環境下で死ぬ気で努力し続けても報われなかった愛ですが、そこで培った知識と経験で多くの人を救っていくことになります。普遍的な悩みを持つ受講生たちへの実践的なアドバイスや、それによって彼らが生活を立て直し人生のハリを取り戻していくさまは、読んでいて心が軽やかになります。個人的に本作で最も好きなポイントはここです。 「通常業務でも手一杯なのに同じ人が同じ質問を何度もしてくる 質問するのは良いけどせめて少し感謝の言葉が欲しかった どんなことでも『やってもらって当たり前』はダメ」 という節なども、強く頷き共感する人が多いところではないでしょうか。そして、それが何もビジネスの場だけでなく家庭においても大事なことなど、解ってはいても実践できていないという人も少なからずいることでしょう。 本書を読むことで日々の行動をほんの少しでも改善して、仕事や家庭で昨日より良い日を迎えられる人が増えたらいいなと思います。また、そうでなくともマンガを担当する伊於さんの上手さによって非常に読みやすく、物語としても純粋に楽しめるものになっているのでお薦めです。 なかなか衝撃的だった1シーズンが終わり...BLOODY MONDAY Season2 絶望ノ匣 恵広史 龍門諒starstarstarstarstar_border宮っしぃハッカーとして成長し、さらなるテロリストと戦う主人公たち 味方や敵やら敵の敵やら、色々な人・国の思惑が交錯していて、サスペンス物としてかなり良くできてる面白さが続いてる 1シーズンはすごい高校生がテロリストに挑んでいく〜程度だったが、2シーズンからは主人公もテロ対策チームにドップリ足を使っていて、1シーズンとは違った面白さがあるので、ぜひ通して読むのを推奨長く続いてるだけの理由はあるデスマーチからはじまる異世界狂想曲 あやめぐむ 愛七ひろ shristarstarstarstarstar_border宮っしぃ昨今の異世界豊作時代の中でも、かなり前からある作品のコミカライズ ゲームエンジニアが、仕事のデスマーチ中に異世界に転移して、ゲームの知識や経験を活かして冒険始めると、今では結構ありがちな内容 ただ、長く続いてるだけあるのか、設定や世界観は結構しっかりしてるし、読んでて普通にお手軽に楽しめるのも良い所 ちょっと女性向けっぽいイラストだが、バトルもしっかり描かれてるし、キャラクターも可愛らしく、キャラは立ってるのが多い コミカライズだからしょうがないが、要所要所で物語がはしょられてるのはちょっと気になるけど... なろうヒットの初期の方の作品(転スラや無職とか)はコミカライズも楽しめるので、いいですよね近未来SF将棋ドラマ!永遠の一手‐2030年、コンピューター将棋に挑む‐ 松島幸太朗 伊藤智義toyoneko「神」とまで呼ばれた最強の名人がソフトに敗北したことで将棋人気が急落、大きな制度改革が行われ、将棋の対戦は、「人間+ソフト」のチーム戦に移行した…。 そんな、ありえたかもしれない近未来が舞台となる将棋SFです。 そんな本作の何よりの魅力は人間ドラマ! かつて「神」と呼ばれた元名人の羽内、 そんな「神」をも倒すソフトを作り上げてしまった天才プログラマー、 ソフトに頼らず戦いを続ける現名人増山、 そしてその娘の翔子。 それぞれの思いが交錯しながら物語は進み、感動のクライマックスを迎えることになります。 面白いし上下巻で綺麗にまとまっている名作なのですが、どうもあまり売れなかったようですし、諸々のランキングにも絡まなかったので、改めて紹介するものです。 発表時期がソフト不正疑惑の時期と重なってたというタイミングの悪さも一因でしょうかね…。 ちなみに、原作の伊藤智義先生は、大学教授でありつつ(現在は千葉大学)、「栄光なき天才たち」(の一部エピソード)の原作者でもあります。 週刊少年チャンピオン編集長(当時)の沢考史さんからの熱烈なラブコールのおかげで https://yayoi-2011.hatenablog.com/entry/20170609/1496962629 本作は週刊少年チャンピオンに連載されました。その関係で、栄光なき天才たち(電子版)のうち伊藤智義先生が原作をつとめている部分は、秋田書店から出版されています こっちも最高に面白いですよ!(私はロケット関連の一連のエピソード〔6巻〕が大好き) ブラックユーモアいきのこれ! 社畜ちゃん ビタワン 結うき。名無しブラックなIT企業に勤める女の子が主人公。ブラック企業あるあるネタを、自虐的なコメディとして描いています。休日出勤や慢性的な残業など、IT企業以外に勤める人にも共感できるネタが多くて、思わず「あるな〜」と呟いてしまいます。絵柄は可愛いのに中身はブラックという点も面白いです。IT系社畜あるあるで共感の嵐いきのこれ! 社畜ちゃん ビタワン 結うき。六文銭IT系の会社でSE・で働いたことある人は、共感できる作品ではないでしょうか。 逆に、ネタがリアルすぎて笑えない、なんてことも。 やりがいのある仕事→サビ残、休日出勤、土壇場の仕様変更 実力主義→大量採用、大量離職 高収入→時給になおすと実際は? …うっ、頭が。ラクして稼げる仕事なんてないんでしょう。 社畜ちゃんの頑張っている姿に勇気をもらい自分も頑張ろうと、謎の元気をもらえます。 また、巻末にはプログラミングをやってみようのコーナーもあり、プログラミングはよくわからないけど興味があるって人も楽しめるようになってます。(しかし、ここまで地獄をみせておいて啓蒙していくスタイルに、社畜の鑑を感じます。) なんとなく、アニメ映えしそうな作品。ある少年が天使に導かれ世界を変えてゆく物語王様達のヴァイキング さだやす 深見真sogor25高いハッキング能力を持ちながらコミュ力が低く、高校を中退、バイトもクビになり、廃墟となったビデオショップに住んでいる少年、是枝一希。彼の目の前に現れたのは"エンジェル投資家"の坂井大輔。坂井は是枝に「お前の手を使って世界征服がしたい」と嘯く。住む世界の全く違う2人の出会いが、やがて世界を大きく変えていくという物語。 一見すると凸凹な2人のバディものっぽいけど、私には是枝が主人公の成長譚のように見える。エピソードを重ねるごとに、是枝のほうは何かしら新しいことを自分の中に取り入れどんどん引き出しを増やしていくけど、坂井のほうは細かい言動には違いがあるけど行動の軸は当初から一貫しているように思う。年齢面もあるかもしれないが、やはり坂井が是枝を導いて広い世界へと引っ張り出しているという印象が強く見えるからじゃないかと思う。ただ、単純な1対1のバディものではないからこそ、是枝は坂井だけではなく、巻き起こった事件に関わる多くの人々と"仲間"となり、文字通り是枝の世界を大きく広げていくことになる。そして最後の最後で是枝は坂井と対等な立場で坂井に問いかける。これによってこの作品が完結するところも清々しい、全19巻で綺麗に最後まで駆け抜けた作品。 全19巻読了 パソコンの勉強に役立つかもBLOODY MONDAY ファルコンのコンピュータ・ハッキング FALCONマウナケアコンピュータの扱いについては疎い方です。用語の使い方も、最近までハッカーとクラッカーをごちゃまぜにしていたりして恥ずかしい限り。で、これではいかん!と一念発起して勉強しようと思っていたら、意外に身近なところにこんな良い本がありました。漫画の『BLOODY MONDAY』のスピンオフとでもいうべきこの作品は、ファルコンこと高木藤丸が著者という設定。パソコンに興味をもった人が、ハッカーへの道を歩むことができるよう、基礎的なことから最新のパソコン・ネット事情などをわかりやすく解説してくれる読み物です。一歩目はパソコンの構造や歴史から。次に用語を学び、システム、ネットへと話題は高度化していくのですが、扱っていることが一般的になっていることばかりなので特に抵抗感はなく、するっと頭に入ってきます。本来は元ネタ同様、中高校生向けなのかもしれません。ですが、いまさら聞けないことの多い私のような中高年こそ読んだ方がいいのかも。ハッカーってかっこいいよね~!王様達のヴァイキング さだやす 深見真名無しパソコンとかネット世界って理解するのが難しそうで中々手が出なかったりするけど、そういうのわからなくてもなんとなーくで楽しめる漫画なのでオススメです。 天才的ハッカー少年(生きるのが不器用)と大金持ちの投資家(グイグイ系)。2人のタッグが絶妙で、少年の成長を見るのが楽しいのです。近未来SF仕立てな哲学的作品説得ゲーム 戸田誠二マウナケア近未来SF仕立てで、森博嗣や瀬名秀明の小説などと同じ理系の雰囲気を漂わせた短編集。なのですが、作品全体として投げかけているのはむしろ”哲学”な印象を受けました。生きること、もしくは生きていくこと、というか。それが、脳を入れ替える手術や男性の出産、そして表題となっている自殺志願者を思いとどまらせるゲームなど、奇抜なアイデアの中でうまく主張されているのです。このテーマを一番感じたのは、「キオリ」という作品。自殺をはかった女性。だがその脳は無事。研究員たちは実験のためその脳を人工的に培養し、意思の疎通をはかる…。研究員の生い立ちと、女性の人生観を照らし合わせながら淡々と進むストーリー。それでも生きていく、ではどう生きるのか、と考えさせられ、ラストの漠然とした語りが切なさを倍増してくれます。他の作品でも、形は違えど同様な試みがなされているのでそれぞれの味わいを感じてみてください。あ、「タイムマシン」だけは違うかな? でも自分もタイムマシンがあったらこれはやってしまうかも。 天才少年が見つめる、社会の闇王様達のヴァイキング さだやす 深見真たたみ人とのコミュニケーションがほとんど取れない引きこもりの少年が、警察や周囲の大人たちに見守られながら天賦の才能を発揮し、ホワイトハッカーとして成長していく物語。 一話一話がスリリングで濃厚、とてつもなく読み応えがある上、章の終わりには読者に対しても明確な課題をつきつけてくる。 この情報社会をどうやって生き抜けばいいのか、深く考えさせられる。三千年紀の新たな神話王様達のヴァイキング さだやす 深見真mampukuアメリカ合衆国が定義した、陸・海・空・宇宙空間に次ぐ「第五の戦場」ともよばれる"インターネット空間"を舞台とし繰り広げられるサイバーバトルの漫画。エンジェル投資家・坂井に才能を見出された天才ハッカー少年・是枝は、全く新しい形のサイバーセキュリティを立ち上げ様々な犯罪者たちと対峙していく。 我々の祖先が「集合的想像」による虚構の世界(宗教・国家・貨幣経済など)を獲得したことで核家族や小さな村落の枠を超え数千人、数万人を超える協力のネットワークを生み出すことに成功したことで、彼らはネアンデルタールをはじめとするほかの霊長を滅ぼし地球上の覇者となった。そして2千年紀の終わり、人は新たな世界「情報通信網」を作り上げた。何万年もの昔に生まれた「集合的想像」の虚構は、「情報通信網」によって急速に拡散し共有され、文化という文化を均した。インターネットの出現は、宗教や貨幣が世界を変えたことと等価かもしれない。 急速な変化に苦しむ旧い社会・体制はやがて淘汰され、「第五の戦場」を征服した者が新たな世界の王となる。ロマン主義の思想は人々に自由と幸福の追求を促し、そのために人々は富を蓄え、それを消費した。新しい虚構世界の誕生はそうした旧来の幻想を壊し誰も想像してこなかった価値観をも生み出しうる。 そうした新しい空間の冒険者である是枝そしてライバルの笑い猫やValkyriaと、彼らの手綱を引き、貨幣と法の支配する現実社会に繋ぎとめる役割をする坂井、サイバー空間を征服することで世界の王になろうとしている魔王のようなラスボス──。日本にはハッカーが足りないとは耳にするけど、案外いま一番必要なのは坂井さんみたいな人なんじゃないかなぁ あと一番重要なポイントですが、ヴァルちゃん可愛すぎません?めっちゃ好み。。電王戦漫画 ロマンがある永遠の一手‐2030年、コンピューター将棋に挑む‐ 松島幸太朗 伊藤智義地獄の田中人間と将棋ソフトどっちが強いかって漫画。電王戦の究極系って感じがする。ソフトの方が強くなっちゃって、人間雑魚だってなるところからはじまっていって…みたいな感じでなかなかロマンがあった。
めちゃくちゃな仕事環境と業務量のなか、主人公の心を守ったコスプレの完成度はさっぱりわからないのだけど、作中でそのコスプレ&振る舞いに対し「解釈違い」と言われているのを見て、神は三物も四物も与えないのねと思ってしまった。 プログラミングも裁縫も、人間関係を円滑に進めるコツもよく知っている主人公。 さらにガチのコスプレ衣装姿を会社の人に見られても、普通に仕事ができる心の強さをもっている。 美容室で髪をサラサラにして、エステでお肌ツヤツヤにして、ネイルをサロンでバチッと決めて…が彼女にとってのコスプレらしい。 ものすごく優秀な人とは言え、職場のコスプレはどうなの?TPOは?と思ったものの、それなら和装ならOKかとふと疑問が湧いてきて。 さらにおかしな環境のせいで、おかしなことをし始めた(服装以外はおかしくない)なら、そもそも、おかしな環境を提供したブラック企業がおかしいわけで…と考え始め、混乱してきてしまった。 プログラマ向け塾がメインの舞台となるが、プログラミング知識は不要。 大変な状況にある方への処方箋というか予防薬というか、スカッとするというか、誰かと生活するうえでの心構えというか、そういうかんじの漫画だった。