完結したマンガの感想・レビュー16275件<<129130131132133>>なんでも質問&感想スレ 荒らしNG銀牙伝説ウィード 高橋よしひろ名無し※ネタバレを含むクチコミです。最高学府の闇に抗うサスペンス #1巻応援アカデミックSOS まつかわ兎来栄寿大学を舞台にした作品は数多くありますが、大学というアカデミックな場で現実的に起こっているリアルな問題をメインテーマとして扱っている作品は珍しいです。 本作では、大学の金銭的な問題や歪なパワーバランスによって生まれる闇の部分が描かれます。最高学府といえども、経営や研究を維持していくためには先立つものが絶対に必要です。そして、大学における研究はときに莫大な富を生む原動力となります。そこで動く金額の大きさやそれに付随する諸々は、望まずとも腐敗を招く要因となり得ます。また、閉鎖的な世界では一部の者の権利が不当に強くなることがままあります。そして、普通では有り得ないことも起こってしまい、あまつさえそれが闇の中に葬られてしまうことも。 そうした闇に対して、主人公が立ち向かうという構図はシンプルで共感しやすくなっています。大学というピンポイントな場所での出来事を扱ってはいますが、似たようなことは世界でたくさん起こっており、またこの作品で苦しんでいる人と同じ苦しみを持つ人もたくさんいることでしょう。「アカデミックハラスメント」というと難しそうと感じるかもしれませんが、多くの人にとっては想像以上に解りやすいエンターテインメントとして楽しめるはずです。 この作品の最大の美点は何よりも非常にテンポが良いことです。第1話からその良さが存分に出ているので、まず1話だけでも読んでみてください。1話で大きな目標が掲げられるのですが、そこで強く主人公に感情移入させられることで話に乗っていけます。サクサクと話が進んでいくのですが、しっかりと1話ごとに見せ場も強い引きも作られていて素直に「面白い!」と思える作品です。 実写ドラマ化なども非常にやりやすく映えるでしょう。作画こそまだ初々しさが出ていますが、キャラクターの魅力やマンガ力などもっと大事な部分の力量を感じる作者さんですので、今後も楽しみです。【感想板】月光条例は藤田和日郎の漫画家魂が見える月光条例 藤田和日郎らららばい※ネタバレを含むクチコミです。女に怒られる理由が分からない、と言う男に女がイライラする理由 #1巻応援下北沢バックヤードストーリー 西尾雄太あうしぃ@カワイイマンガ『アフターアワーズ』『水野と茶山』と百合マンガを描いてこられた西尾雄太先生が、今なぜ男性主人公を?と思われるかもしれませんが、読めば納得の内容でした。 本作の主人公は古着屋の店主にして、大の服マニア。 古着屋稼業・店舗経営の裏側を見せ、古着への拘りを開陳しながら、主人公が出ていった彼女とヨリを戻すヒントを得るために、昔の彼女たちに会う物語が展開します……さあ、ダメな感じがしてまいりました笑 よく、人柄は悪くなさそうな男性が、パートナー女性にものすごい怒りを買っていて不思議に思う経験、ありませんか?本作の主人公も一見まともなので、「趣味に夢中になりすぎると愛想尽かされるのかなぁ」と、同じ趣味人としては不安になりかけますが、次第に彼の「本当に悪いところ」が見えてきます。なかなかに胸が痛い内容。 男性から女性へのDV、モラハラ、マンスプレイニングやマイクロアグレッションなどには、実はかなり根が深く、複雑で言語化しにくい「悪さ」があります。 そういった「悪さ」が作品のあちこちに描かれて(時にそれは従業員にも向く)2巻末までにその一部はかなりはっきりと言語化され、ハッとさせられます。 服のストーリーと目上の人の言葉は聞けるのにher storyに耳を傾ける気のない主人公と彼にうんざりしている彼女の物語は、恐らくあらゆる男性と女性に普遍的な物語。今後も自分ごととして、丁寧に読みたいと思います。 (1、2巻同時発売ですので1巻応援とします) 宇宙が舞台のサスペンス兼ミステリー兼SFリバイアサン 黒井白ユーカリ独特の絵柄が何とも言えない不穏な雰囲気。 書き込みによる黒々とした絵柄は好みが別れそう。絵が上手いことに間違いはないんだけど、苦手な人は読めないかも。ストーリーとしては、バトルロワイアル系が好きならオススメできます。 時系列が変わりながら進んで行くので飽きずに読める。サスペンスとミステリーとSF…いろんな要素が詰まってます。たぶん小説でもいけると思う!政治 × ヤクザまんがサンクチュアリ 池上遼一 史村翔starstarstarstarstar_border酒チャビン柔道部物語の史村六段のモデルでおなじみの史村翔先生(別名義:武論尊)さんの原作に、絵がうまいことでお馴染みの池上遼一先生が作画したまんがです。面白くないはずがないです。すぐ読んでください。 少しだけ浪花節的なじめっぽさがなくもないですが、基本的には良いスパイス程度で、登場人物は皆良い男です。カッコ良す。 欲を言えば、もう少し続いても良かったかもしれないですね。わからないですが。 ■好きになった点 登場人物が魅力的(生き方がカッコ良い) 敵キャラが強キャ(魅力あり) 夢があり、ワクワクする じめじめしてない 絵がうまい 話が面白い(どういう展開になるのか気になる) 一話目から引き込まれる 展開がサクサク進んで小気味良い ■良かったエピソード 一話のラストで、一話の中盤で敵として出てきた人物が「目がピカァ」という感じで味方だったことが判明したシーン。ちなみに光っていたのはメガネと思われます。 敵のボスが絶体絶命のピンチに陥ってなお社民党との連立を拒む点。これは絶対にやってはいけないことですからね。しっかりと矜持を保っている点が良かったです。 政治の解説員として舛添さんっぽい方が出てきて時代を感じる。 敵ボスの散り際(流石すぎる散り際。敵といえどあっぱれ、流石の見識です。敵ボスの格がググっと上がるので、それに勝利した主人公チームの強さも際立ちます) 最後のBLシーン(個人的にはなくても良かったですが、なんとなく見せ場っぽかったので一応ランクイン)こんな素敵な子がいたら学校楽しい!からかい上手の高木さん 山本崇一朗starstarstarstarstar_borderこめつぶ授業中でもたくさんからかわれるのに、可愛くて憎めない高木さん 技のレパートリーがありすぎて、ワクワクします。高木さんが隣にいる学校生活をおくってみたいな~絶対楽しいだろう~と思いながら読んじゃいました。 すごく可愛らしくて微笑ましくてキュンとします まだ大人じゃないから変にがつがつしてないし、淡い青春て感じで好き。 ほのぼのしてて中学生らしい、カワイイ 完結!もっともっと読んでいたかった亜人ちゃんは語りたい ペトスさいろく亜人ちゃん完結かーーーー ってなった。 ちなみに「オカルトちゃんは語れない」の方も完結。 最終巻も同日発売。 そして、オカルトちゃんを後から読まないとわからないけどめっちゃリンクさせてきていて、亜人ちゃん本編→オカルトちゃんという順で最終巻を読むことをオススメします。 本作はデミヒューマンJK、亜人ちゃん達の高校生活が主題。 主人公は高橋先生なのかな、多分。 非常に優しく、亜人の問題や悩みを解決させたい!という気持ちでいっぱいの伝承大好き先生。 様々な亜人が出てくるけど、どれも温厚というか普通にニンゲンの両親から生まれているケースが多く、最初はニンゲンだったけど途中で発覚する事も多い。 現代社会らしい複雑な問題も起きるし、人ん家に乗り込んで文句を言いまくり責め立てるだけのモンクレもやっぱりいる。 彼女たちが幸せに過ごせるように、と穏やかな気持ちで読めるマンガです。 画像はスカッとした印象に残る名シーン。不器用な大人の恋 5時から9時まで 相原実貴starstarstarstar_borderstar_borderこめつぶ前にドラマを見ていて、今回偶然見つけたので読んでみました。 溺愛ものが好きな人にはたまらない、ぐいぐい引き込まれました。 2人の価値観や、気持ちとかたくさんのすれ違いをしても、お互いに離れられない。 理解したり出来なかったりしながらも、ちゃんとお互いを思い合っていて・・・そんなところが羨ましく思えました。 周りの恋愛事情も様々で楽しかったです。 はぁ~よかった~突然ですが、明日結婚します 宮園いづみstarstarstarstarstar_borderこめつぶテンポの良い会話でサクサクとストーリーが進むので、9巻まであっという間に読み終わりました! 結婚の価値観て、自分が理想としてることだったり、ほんと人それぞれだと思うけど、付き合う相手でいくらでも変わるんだなと思った。 結婚したくないリュウが、あすかと過ごすうちに、あすかと一緒に居たい理由=結婚に結びつき、 結婚したいあすかが、リュウと過ごすうちに、リュウの仕事を応援したい、足枷になりたくない=別れを決断。 どちらもホント相手を思って考えてこその気持ちの変化。 ホントに素敵なお話でした。 みんなみんな生きていたんだ(過去形) #1巻応援わけあって絶滅しました。ビューティフル 行徒 河田雄志 今泉忠明兎来栄寿「名著『わけあって絶滅しました。』をコミカライズってのはわかる…スゲーよくわかる いろんな生き物が絶滅したエピソードは マンガで読んでも絶対面白いに決まっとるからな… だが『×美少年』って部分はどういう事だああ〜〜〜ッッ!? あらゆる生物を擬人化して美少年にするっつーのかよーーーッ! 行徒先生の作画でェ〜〜〜ッ!? どういう事だ! どういう事だよッ! クソッ! ナメやがってこのコミカライズゥゥゥ〜〜〜!! 超最高じゃねーか クソッ! クソッ!」 と、心の中のギアッチョが猛りだしました。この企画を立案して通した方は最高だと思います。 私が特に好きなのはオドントケリスの回だったのですが、まさにその回を作画担当の行徒さんがTwitterで上げていたのでぜひ読んでみてください。 https://twitter.com/yukit0o0/status/1630391315635802112?s=46&t=aPYURLk7MwHKhx8tFWOvzQ このような形で、さまざまな生物の絶滅に至ったまでの物語が1種数ページで描かれます。中高生がこれを読めば生物の成績が良くなること間違いなしなので、ぜひ学校にも置いて欲しいです。 また、小学生の頃から美少年が大好きな私は行徒さんの美少年がたくさん見られて二度美味しかったです。 しかし、『学園革命伝ミツルギ』に出逢ったときからずっと河田雄志さん×行徒さんが大好きなのですが、『ミツルギ』が再来年で20周年というのは人を宇宙猫のようにするのに十分な事実ですね……。 『誰が奥寺翔を殺したのか?』も始まりましたが、今後も末長いご活躍をして欲しいです。ラブコメ、キュンキュンです!!ハマる男に蹴りたい女 天沢アキstarstarstarstarstarこめつぶドラマを見て、マンガも読みたくなって一気読みです。 設楽さんカッコイイなぁと思いながら読んでました 2巻のラストはついにこの時が!??な展開でニヤニヤしちゃいました! いつかちゃんが、設楽さんの事を、蹴りたい、押し倒したい…と、一風変わった感情が芽生えて、お話が動いていきます。 少し毛色の違う感じにワクワクします。 イケメン最高 咲かない花に水やり yoshistarstarstarstar_borderstar_borderこめつぶとにかく絵がキレイでした!イケメンと美人で眼福です。 再会ものが大好物なので絵も綺麗だし素敵なストーリーで感動しました! ただ、櫻庭がかっこいいんだけどなんか物足りないというか…共感しにくい部分があって。ストーリーは意外とあっさりで読みやすかった 上下巻ともページが少なくて、いい意味で物足りなく、しょんぼりしてしまった 感動しましたふれなばおちん~あの恋を忘れない~ 小田ゆうあstarstarstarstarstar_borderこめつぶ本編がよかったので勢いで読んでしまいました。スピンオフかぁぐらいに読んだけど、本編よりずっと好き。 お父さん編で、泣けました。 純粋な恋ってほんとに羨ましい。 少年から大人になっていく良くんが話すことは、とても深いです。中学3年生でもまだ子どもなんだということだったり、不倫で傷つく人がたくさんいることを思い知らされました。 傷付く人はみたくない、みんな幸せになってほしい、という気持ちになる作品です。 是非、世の旦那様方に妻が口をきいてくれません 野原広子starstarstarstarstar_borderこめつぶ読む前からなんか想像出来ました。 いきなり無視はされる側としては辛いと思いますが、妻の気持ちは痛いほどわかる。ゆっくりご飯を食べる時間さえ取れない事にも気がつかないし、睡眠がとれていなくて疲れがピークな事にも気づかない。話すだけでもイライラしてしまう、もう無視しないとやっていけない、限界を通りこしての対応なんだろうな。でも旦那さんもよく耐えたと思う。 最後は和解?のような終わり方だったので、よかった。ふたりに会話が戻って良かったです。 絵で食わず嫌いはもったいないハイパーインフレーション 住吉九ユーカリ絵が苦手な人が多いかもしれない。 わたしもそうで、面白いんだけどそれ以上に絵が苦手…なんか胸焼けする絵…でももうちょっとだけ読んでみよう…と読み進めていると、あるときから絵の苦手さよりも面白さが勝つ時が訪れる。 すごーく簡単に言うと経済に関して楽しくマンガで学べるって感じ。 絵が苦手とか言いつつ、キャラクターが魅力的。敵キャラや性格の悪いキャラクターでもなぜか憎みきれない愛嬌がある。 テレ東深夜枠あたりでドラマ化してほしい。笑 ただの素敵なお嫁さんではなかったプロ嫁 渡辺慎一名無しプロ彼女ならぬプロ嫁の話かと思ったら実はそういう店でした!というオチ。でもそれで終わりではなくラストでは本当の嫁になるかもしれない匂わせが…。これは面白い!しかし主人公は「実質的独身」とはいえ既婚者。ここからどう発展していくんだろう?気になる新連載が始まりました。毒贄ってタイトルからして斬新...!毒贄クッキング 水無月すうstarstarstarstarstar_border宮っしぃ生贄グルメファンタジーというか、生贄にすらできないというか... 表紙のエルフ→進んで食べられにいく、でも凄く臭い 表紙の魔物→臭すぎて食べられない...てか村に帰れ みたいな流れが繰り広げられていき、エルフも自分が食べられようとする為に色々なレシピで料理(自分を)のはマジで斬新だった... タイトルの通り、生贄というより毒って本当にピッタリ 相変わらず合間に真面目っぽい話しが入るのは心が追いつかないのはいつも通りで、このドタバタコメディは先生の作風に合ってて楽しい この作品も水無月先生ファン必見の1つ良い水無月先生節JUDAS 水無月すうstarstarstarstarstar宮っしぃ私の救世主様から始まり、この辺りから水無月先生の良い味が出てきてる エロと可愛いとアホとおっさんの絶妙なマッチはやっぱり水無月先生らしくて好き キリストのユダを題材にした物語で、現代に終末をもたらそうとする敵と戦って行くのだが、実は遥か昔のキリストの弟子たちが... と5巻と短いながらも壮大な物語が描かれていて、まだこの辺りは真面目→アホの振り幅は少なめ それでも水無月先生らしさがあって、かっこいいカワイイは健在 少し古い作品だが、先生のファンなら読んでおいた方が良い作品の1つ 展開を知っていても刺激的ただ離婚してないだけ 本田優貴starstarstarstarstarゆゆゆ※ネタバレを含むクチコミです。出オチに見せかけた、本格青春漫画高校生家族 仲間りょう名無し頭を空っぽにして心の底から笑えるのに、熱くなり、切なくなり、続きが気になって仕方がない。で、「なんでこんな熱くなってんだ自分」と自分につっこむそんな作品。 40代の父母、8歳の妹が、同じ高校に進学すると入学式の日に知った家谷光太郎。家谷家は、一家全員が高校生の高校生家族。 出オチとしか思えない、読み切りにしか使えなさそうなこの設定でなぜ8巻以上も連載が続くのか。 それは仲間りょう先生が家谷家、一人ひとりの青春を本気で描いているからだ。 本気で30年ぶりの部活に打ち込む父、本気で野球部員の青春を支える母。将棋の才能ゆえに重い宿命を背負ってしまう妹。普通に部活をしたり片想いする主人公。 それぞれの視点での努力や成長や達成感を、描いた結果、バレー漫画、野球漫画、将棋漫画、そして青春恋愛漫画の大トロの部分だけを詰め込まれた唯一無二の作品になっている。 展開としての純粋な熱さと、「家族で高校生をしてる」というブレないネタ部分が相互作用して、めちゃくちゃ笑える。そして熱くなったりほっこりしたり、時には自分の青春を思い出して切なくもなれる。 仲間りょうの天才的なストーリーテリングを是非みんなに味わって欲しい。タイトルそのまんまのギャグ漫画高校生家族 仲間りょう増田家族全員が同じ高校に通うという設定でギャグもテンポ良くて面白かったのだが、「磯部磯兵衛物語~浮世はつらいよ~」のインパクトに比べると、少し物足りなく感じてしまったな。絵も現代が舞台だと少し増田こうすけ寄りになるんだな。主人公の親父とペットの猫の活躍に期待してる。 世は言葉の暴力で戦う時代に…!新競技「怒道」GEKIRIN ~逆鱗~ 馬田イスケ名無し※ネタバレを含むクチコミです。最後の人間がAIと共に視る世界 #1巻応援メールブルーの旅人 こだまり兎来栄寿2022年に始まったきらら系作品の新連載の中でも、個人的に特に大好きな一作がこちらの『メールブルーの旅人』です。 遠い未来の世界、滅びた人類の中で唯一生き残ったハカセが「せっかく生き残ったなら最後にやっておきたい」と、AI搭載人型探査機クマノミを作り「情報の海(メールブルー)」に眠る祖父の残した宝を探し求めてさまざまな「情報世界(チャンネル)」へと向かわせるSFストーリー4コマ。 01 隔離の世界 02 保存の世界 03 本の世界 04 画一性の世界 05 階段の世界 06 ゲームの世界 07 情報の海の世界 08 部隊の世界 09 外の世界 10 レストランの世界 11 学校の世界 という目次を見ても解る通り、「情報世界」は非常に多種多様で1話1話異なる読み味を提供してくれます。感覚としては、『キノの旅』でさまざまな理の世界を旅してさまざまなものに出会い続けるのに似ています。 その中でも、私はエピソード3の「本の世界」がとても好きです。 「本って誰かが綴ってきたものでしょう? これって世界の誰かをひとりぼっちにしないためにあるんじゃないかしら! だから私は一人じゃないの! むしろ恋人がいっぱいって感じかしら!」 「たしかに研究は引き継がれたけど 過程にたくさんの思いがあるのよ でも研究には関係ないから省かれた でも省かれた思いは本(ここ)にしか無いから残したいの」 といったセリフは、本を愛する人にとっては非常に響くものではないでしょうか。 また、エピソード4の「画一性の世界」における特徴的なヴィジュアルや哲学性、そしてホラー感も良いです。 怖さを感じさせる世界もあれば、和むような世界もあり。AIのクマノミが、さまざまな世界や情報に触れることによって変わり育っていく様、また人間である博士がいつかくるクマノミとの別れを予感する様も合わさってエモーショナルです。 唯一である現実世界の人間は滅びてしまっているという根幹の設定が、何とも言えない切なさを帯びさせています。SFとしての味が確かに存在していて、ひとつひとつの言葉やシチュエーションに意味が付与されており、切り取ってそこだけ見れば何気なく見えるシーンでも深い意味を賞翫できるように作られています。 1冊を読み通した後に、冒頭で描かれる各情報世界のカラーページを読み返すと何とも言えない良さがじんわりとこみ上げてきます。 画力や演出力、構成力的にそうとは思えないレベルですが、作者のこだまりさんは初連載・初単行本ということで今後も応援していきたいです。4コマという制約の中ですら画面を上手く使った演出の上手さを感じさせてくれるので、4コマ以外の作品も見てみたいです。<<129130131132133>>
※ネタバレを含むクチコミです。