あらすじ

ある夏の日、芦谷透は“楽園”に連れ去られた。地下労働、腐った食事、狂信的な信者たちの地獄から、苦難の果てに抜け出した、はずだった。地上に待つのは更なる試練。淫蕩な女信者の群れ、自身と同じ後継者たち。人間の尊厳なき楽園で、透は一人の少女と出会う。救おうか、見捨てようか。その選択が、新たな絶望の狼煙となる──。
絶望の楽園 1巻

17歳の初夏、母を亡くした。忙しい毎日の中で、少しずつ拡がった胸の穴を、彼女の笑顔だけが埋めてくれた。夏の盛り、青年は“楽園”に連れ去られた。地下労働、腐った食事、狂信的な信者たち。この地獄から脱け出す方法はただひとつ。偽りの信仰を捧げ、全てを騙せ──!

絶望の楽園(2)

ある夏の日、芦谷透は“楽園”に連れ去られた。地下労働、腐った食事、狂信的な信者たちの地獄から、苦難の果てに抜け出した、はずだった。地上に待つのは更なる試練。淫蕩な女信者の群れ、自身と同じ後継者たち。人間の尊厳なき楽園で、透は一人の少女と出会う。救おうか、見捨てようか。その選択が、新たな絶望の狼煙となる──。

絶望の楽園(3)

“楽園”と呼ばれる地獄へ拉致された芦谷透は、教団の後継者候補の1人とされたが、雪野澪を連れて脱出を図る。師父になりたい者、脱出したい者、後継者候補達の思いが交錯する中、師父になりたい側の人間、隼人が透に同盟を持ち掛け、隠された脱出口を教えると言う。そんな時、信徒達の裏投票を巡って教団が騒然となった。人の命が軽いこの地獄から生きて脱出するために、誰を信じ、誰を疑う?

絶望の楽園(4)

カルト教団に拉致された芦谷透は、後継者たちとの争いを潜り抜け、狂乱の神殿から脱出した。教団が放った追っ手は「同じ傷を持つ者」たち……? 樹海の奥深くで明かされた“奇跡”の真相、それは守りたい人を守れないという絶望。疑惑と信頼、服従と不屈、憎悪と嘲笑が交錯し、目前にした自由という美酒を打ち捨て、再び暗闇の洞窟へ足を踏み入れる。汚濁の地下神殿で、それでも抗う透に、最大の試練が訪れる……。

絶望の楽園(5)

嘘と欲望の宗教スリラー。強制労働、劣悪な住環境、偽りの奇跡。血まみれの神殿から脱出せよ! ──17歳の初夏、母を亡くした。忙しい毎日の中で、少しずつ拡がった胸の穴を、彼女の笑顔だけが埋めてくれた。夏の盛り、青年は“楽園”に連れ去られた。地下労働、腐った食事、狂信的な信者たち。この地獄から脱け出す方法はただひとつ。偽りの信仰を捧げ、全てを騙せ──! 狂信の“楽園”から脱出した芦谷透は、救助の希望を盟友に託し、雪野のために踵を返した。再び捕らわれた透を待つ、後継者3人を殺した絶望の最終試験。それは、奇跡と狂信の源、寄生菌の移植だった。逃れる透に、希望を託したはずの友が立ち塞がる。そして明らかになる“師父”の過去と“楽園”の創世記。透は“絶望の楽園”の根源に迫る──!

絶望の楽園(6)

嘘と欲望の宗教スリラー。強制労働、劣悪な住環境、偽りの奇跡。血まみれの神殿から脱出せよ! ──17歳の初夏、母を亡くした。忙しい毎日の中で、少しずつ拡がった胸の穴を、彼女の笑顔だけが埋めてくれた。夏の盛り、青年は“楽園”に連れ去られた。地下労働、腐った食事、狂信的な信者たち。この地獄から脱け出す方法はただひとつ。偽りの信仰を捧げ、全てを騙せ──! 信者を操り、偽りの教団の崩壊を仕掛ける悪魔の科学者、毒島。混乱の中、「選別」と称して信者の殺害を始める師父。毒島と対峙した透は、師父である父が、寄生菌の秘密を知りながら、憎悪と疑心で教祖を演じていたと知った。一方、透の友人たちが警察に通報、ついに救いの手が差し伸べられる…が、信徒である警官に、透は撃たれる。それでも透は血にまみれた教団を、そして父を止めようと……?