室町時代、丹波の猿楽三枝一座に羽角という若者がいた。能楽で天下を取る夢を抱いた羽角は三枝座を率い、念願の京興行へ旅立った。戦国間近い乱世の中を、能役者たちが舞い歌う、「夢の碑」室町幽玄編。
清冽な乙輪と艶麗な羽角。看板役者をもつ三枝座は京で大評判をとっていた。だが、舞の神髄を追究する近江猿楽の白楊太夫は羽角の能を見世物芸ととがめ、芸術的幽玄能を舞うべき乙輪は三枝座では大成しないと予言する
羽角は乙輪の舞の芸術性を理解するがゆえに白楊座への移籍を決意する。悲しみを忘れるため舞に打ち込む乙輪。一方、乙輪への深い恋の渕に落ちていたことに気いた羽角は…!? 感動の夢の碑・室町時代編最終話!!