あらすじ

──早川の3年間 ちゃんと見ときゃよかった 旧校舎屋上の扉を開くと、気持ちよさそうに歌を口ずさむ早川がいた。屋上以外では会う事のない奇妙な関係だった。だけど、「あの日」から早川が屋上に来ることはなくなった。今でも時々、最後に見た早川の顔を思い出す。偶然か必然か、止まっていた時間が動きだす──…! 3年の空白、めぐりあい、合わさる時間、新鋭・苑生が描くモラトリアムラブ
被写界深度 上
…ねぇ紺ちゃん“セックス”しようか 何となく帰りたくない放課後、秘密の屋上で紺野と出会った。「話しかけづらい」「威圧感があって怖い」と言う人もいるけど、カメラを被写体に向ける紺野は、いつも楽しそうな顔をしていた。尊敬 羨望 嫉妬 劣等感──…欲しかったすべてを持つ紺野に、複雑な感情が募っていく……高校時代、折り重なる日常、掛け違う焦点、新鋭・苑生が描くモラトリアムラブ
被写界深度 下
──早川の3年間 ちゃんと見ときゃよかった 旧校舎屋上の扉を開くと、気持ちよさそうに歌を口ずさむ早川がいた。屋上以外では会う事のない奇妙な関係だった。だけど、「あの日」から早川が屋上に来ることはなくなった。今でも時々、最後に見た早川の顔を思い出す。偶然か必然か、止まっていた時間が動きだす──…! 3年の空白、めぐりあい、合わさる時間、新鋭・苑生が描くモラトリアムラブ
兎の森

兎の森

弓永環は、人懐こくてよく笑う。そんな環の笑う顔が好きだった志井洵太。二人は1歳差の幼なじみ。環が先に入学しても卒業していっても一緒に遊んだ。小学校、中学校、高校──いつからか、それが少し変わっていった。家の前で泣く環を見た時から、志井の何かが違っていった。この気持ちは、清くない。正しくない。美しくない。禁則事項がふえていく中、高校生になった二人の関係は急速に変化していき…?