あらすじ

火渡りの錬司が死んだのち、丹(まこと)は女渡世人になった。通り名を紅雀(べにすずめ)の丹と言った。迅鉄を母の仇と思い込むことで、錬司を失った悲しみを乗り越えようとしていた。鋼の迅鉄が、獄門峠の亡霊の正体を突き止めようとしたときでさえも、付かず離れず迅鉄を追う紅雀の丹の姿があった。
黒鉄(1)

犬使いの犬に、のど笛を噛み切られて賞金首・人斬り迅鉄が死んだ。だが、天才蘭学者・平間源吉の手で、半身は機械からなる渡世人・鋼の迅鉄として蘇る。迅鉄の声となるのはしゃべる名刀・鋼丸。仇討ちで命を落とした元武士の魂を宿して、これも源吉により蘇った。源吉の死後、二人はあてどもない旅に出る。

黒鉄(2)

金で人を斬るのも渡世人稼業。鋼の迅鉄に、火渡りの錬司を始末して欲しいと依頼が舞い込む。旧知の錬司とは浅からぬ縁があり、断る迅鉄。そんな折、錬司を父と慕い、迅鉄を母の仇と狙う娘が現れる。非情の錬司がいっときだけ情けをかけた、丹(まこと)の成長した姿だった。すべては丹の邪推なのだが…。

黒鉄(3)

火渡りの錬司が死んだのち、丹(まこと)は女渡世人になった。通り名を紅雀(べにすずめ)の丹と言った。迅鉄を母の仇と思い込むことで、錬司を失った悲しみを乗り越えようとしていた。鋼の迅鉄が、獄門峠の亡霊の正体を突き止めようとしたときでさえも、付かず離れず迅鉄を追う紅雀の丹の姿があった。

黒鉄(4)

しゃべる名刀・鋼丸の過去が明らかに。生前の鋼丸には許嫁・響(おと)がいた。響は、鋼丸が仇討ちで命を落としたことを知ると、あとを追って自害したと伝え聞く。その響そっくりの生き人形・玉響(たまゆら)が迅鉄と鋼丸の前に現れたのだ。刀になった鋼丸は、迅鉄の声を操って、その真相を探り出す。

黒鉄(5)

出入りで斬った千羽の新次郎の娘が、鋼の迅鉄を追う。娘は剣術道場の養女になっていた小宵(さよい)で、剣の腕は迅鉄に引けを取らない。迅鉄の加勢に入ったのは紅雀の丹(まこと)。迅鉄を斬るのは自分だからという理由で火花を散らす。迅鉄、丹、小宵の三つ巴の闘いの決着は? 冬目景の筆さばきが冴える最終巻!