「バリ島物語」の背景を知り、バリ島という宇宙について考える5冊
honto
私の著書『バリ島物語』。原作は1937年に出版されたヴィッキー・バウムの小説で、1905年実際にバリ...
代表作『神童』『マエストロ』等で文化庁メディア芸術祭優秀賞、手塚治虫文化賞を受賞した巨匠さそうあきらが、ヴィキイ・バウムの原作『バリ島物語』のコミカライズに挑みます。物語は、約百年前の神秘の島、バリで実際に起きた王国の悲劇をベースにしています。大地は花に満ち、男たち女たちはヒンズー教の敬虔さの世界に暮らし、踊り、農耕し、大自然の恩恵を浴びています。そんな中、中国の商船が沖合で難破したことがきっかけで、甚大な戦火に巻き込まれていきます。侵攻するオランダ軍、毅然と対峙するバドゥン王。王の親友であり踊りの名手、ラカ。心優しき主人公、パック。彼らは歴史の波に翻弄され、やがて大いなる死の行進、「ププタン」へと事態はエスカレート。果たして華やかで儚い王国の行方は…? 今も観光地として絶大な人気を誇るバリに、このような美しくて悲しみに満ちた歴史があったことにきっと読む者たちは驚かれると思います。