あらすじナチスのユダヤ人狩りは激しくなっていった。同胞を救うため、リトアニアへ赴いたアドルフ・カミルの父はパスポートをすられ、ドイツへ送還される。そこで今やヒットラーに傾倒しているアドルフ・カウフマンと再開する!!
手塚治虫で好きな作品ってなに?トークをした時に「アドルフを告ぐ」と言う人が必ずいるじゃないですか。なぜかやけにツウっぽく見えるんですよね。ずっと気になっていたのですがようやく読みました。面白い!ですが、私の一番はこれじゃないな…というのが率直な感想です。 ヒトラーの話というのは知っていましたが、他に2人のアドルフが登場する、物語の半分は日本がベースになっている、中東戦争まで描かれている…などなど、あまりのスケールの大きさに驚きました。それにミステリーとしても人間ドラマとしても読み応えがすごいんです。どんなに風呂敷を広げても最後まで面白いってまさに神業ですよね。私が読んだ単行本には手塚先生のインタビューが収録されていて、もっと描きたいエピソードがあったとおっしゃってましたが、もう十分すぎるくらい完璧ですよ…!と思いました。