あらすじ演技に対するストレスのたまっている七色いんこのところに、謎の物体が現れた!!他人の目にはただのボロきれにしか見えないその物体に、七色いんこは自分の本音をいつも指摘されているように思え、ひどく動揺する!?
最近の「アクタージュ」や「累」「マチネとソワレ」のような役者(舞台・演劇)系マンガのブームを鑑みて改めて評価されるべき作品。 よくブラックジャックと比較している人がいた気がするのだけど、チャンピオンでの連載枠としてブラックジャックの次がこの「七色いんこ」だったらしい。 人情物語は手塚治虫ならではなので当然のようにあるのだけど、役者としての顔と裏側で見せる怪盗七色いんこはとても魅力的なキャラで、人としての弱さというか深い情が見え隠れする。 ヒロインの背景も面白く、登場人物たちも今読んでも適当なようでしっかり作られていくので読んでいて思い入れが出来てくる。これらの伏線がグチャグチャ絡んでいくのに最後にギューッと回収していくところは一つの劇を見終えたような気持ちになれただろう。 最終話はほんとに評価が高いのだけど、当然そこまでの流れがあってこそなので最後だけ読んだりしないで順を追って全部読んで欲しい。