お内裏さまとふたりして、今日は楽しいひなまつり――。この雛飾りに女雛はいない。代わりにこの家の娘が姫役をするの。ずっと、そういう習わしよ。宴の時はお内裏さまと並んですわり緋毛氈を敷いて桃の花を散らして遊ぶの――。表題作「雛の花遊び」を含む、鎌田幸美のちょっとＨな大人の童話。あなたを夢と現のあわいに誘います。