私の名は憂子。この絶え間ないいらだちはどこからくるのだろう。人が何かに遭遇する時、それを偶然というのだろうか!?不毛の日常から訣別したとき、憂子は翔んだ!!
硝煙の中で――血だまりの中で――生きている実感を持つ今の私、香取憂子この男のために――夜叉になる――夜叉になって、地獄を駆け抜けよう!!
さあ、早くおいで、銃がまだ熱いうちに!あの人の魂と私の怨念をぶちこんでやる。津軽海峡をまっ赤に染めて、いつか見た夢の血の地獄がよみがえる。憂子、26歳……