あらすじ

殺人ウイルスの感染拡大、人身売買事件、そして遺伝子診断会社の役員の事故死――。医療事件や扱いが難しい事件を調査する、内閣情報室の健康危機管理部門。アドバイザーを務める義手で天才、変わり者の寄生虫専門家・紐倉哲が、事件解決のために奔走する! 前作『ネメシスの杖』で、圧倒的な読み応えと緻密なミステリ・サスペンス描写が話題を呼んだ朱戸アオ最新作!
インハンド 紐倉博士とまじめな右腕

殺人ウイルスの感染拡大、人身売買事件、そして遺伝子診断会社の役員の事故死――。医療事件や扱いが難しい事件を調査する、内閣情報室の健康危機管理部門。アドバイザーを務める義手で天才、変わり者の寄生虫専門家・紐倉哲が、事件解決のために奔走する! 前作『ネメシスの杖』で、圧倒的な読み応えと緻密なミステリ・サスペンス描写が話題を呼んだ朱戸アオ最新作!

インハンド 紐倉博士とまじめな右腕

読み応えのある1巻完結

インハンド 紐倉博士とまじめな右腕 朱戸アオ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

面白かった。 同作者の「ネメシスの杖」にも出てくる寄生虫の権威で天才的な紐倉博士が主人公の1話完結病気サスペンスもの。 「リウーを待ちながら」が秀逸すぎたので作者の過去作品を辿っていく形で読んでいるが、1話完結型でも内容が濃くて満足感がかなり高い。 このシリーズでの連載をずっと読んでいきたかったのだが、もう出ないのだろうか。 この漫画で扱っているテーマは、 ・水際対策を越えて入ってきた致死性のウィルスに対する初期対応 ・いきすぎたアンチエイジングブームからの不老不死への欲望 ・遺伝がもたらすものと環境因子 といった感じの濃厚な3話。 話の内容もかなり掘り下げられていて面白いが、登場人物の関係性も良く描かれている。 かなり変人だが天才の紐倉博士と、元医者の優秀な助手のやりとりがいい。 紐倉博士は目的のためには手段を選ばないタイプで、助手は倫理観、正義感から融通が利かない堅物なので当然衝突するのだが、二人とも優秀なので平行線ということもなく会話は案外建設的だ。 紐倉博士は興味で動き、助手は高い給料で釣られ正義感で動くのも対照的だ。 ドラマで見たいなとも思う。 インハンドというタイトルだが、全ては神の手の内ということだろうか。