あらすじ千葉から片田舎に引っ越してきた主人公・モロハ。周りと馴染めずに、恋も青春の謳歌も諦めようとしていた… ところに 突如、頭にできたコブ“タナトス”。好意を寄せている隣の席の女子は、その地方のお姫様的存在。姫様を守る憂国の志士や、よそ者を嫌う不良たちなど邪魔者は大勢いるは、その娘を諦めようとしたらコブは大きくなるは、そもそもコブがあったら告白なんかできないはで、八方ふさがりのモロハ… でもいくっきゃないっ!! 田舎の伝統も頭のコブも、恋の前ではたいした障害では無い… のかっ!?
IKKIの付録についていた、「第56回新人コミック大賞受賞作」の『青い空の日』を読んで一発で大好きになった作家(当時の名義は内山八景)。 小林まことやいましろたかし、初期のタナカカツキの影響を受けたようなタッチと、登場人物すべてが爽やかな、作者の誠実さがわかる傑作だった。 そしてこの「とんがりタナトス」も同様。画はいくらか洗練されてはいるものの、瑞々しさはそのまま。 作者はこの一作を描き上げて以降、音沙汰はない。 もしかしたら引退されているのかもしれないけど、自分はいつまでも新作を待っていたい。