あらすじ

実の両親と愛する夫、二人の子供にも恵まれて、家族6人で幸せな生活を送っているはずの舞子。だがある日、突然頭の中で声が聞こえる。毎日が少しも満たされない…と。すぐに自分の独り言だと気付くが、幸せだと思っていたのに、何が不満だというのか…?そんな話を夫にしたところ、それは話し相手がほしいからだと、久し振りに友人に会うことを勧められる。そして舞子は、中学時代の友人・林京子に会うことにしたのだが…?
母親の娘たち
実の両親と愛する夫、二人の子供にも恵まれて、家族6人で幸せな生活を送っているはずの舞子。だがある日、突然頭の中で声が聞こえる。毎日が少しも満たされない…と。すぐに自分の独り言だと気付くが、幸せだと思っていたのに、何が不満だというのか…?そんな話を夫にしたところ、それは話し相手がほしいからだと、久し振りに友人に会うことを勧められる。そして舞子は、中学時代の友人・林京子に会うことにしたのだが…?
悪い子

悪い子

郊外へと引っ越した先で娘の志保に出来た友達・のりこ。明朗快活なのりこは娘の一番の友達になった。しかし、ある日彼女の隠された闇を目撃してしまう――…。表題作「悪い子」他、5編収録。
あざみの花

あざみの花

田舎を飛び出して都会へ来たジョーンが見つけた仕事は、ボストン・ジャーナルの編集助手だった。そこでサッコ・ヴァンゼッティ事件と出会い、考える――。果たして、被告人は死刑にならなければいけないのか……。実際に起きた偏見による冤罪をテーマにした「あざみの花」他、「マルタとリーザ」など2編収録。
菜の花畑のむこうとこちら

菜の花畑のむこうとこちら

まぁちゃんのお家は菜の花畑を見渡せる場所にあり、お母さんと同居人の伯母さんと3人で暮らしていました。部屋が空いてるので、家計の足しに男子学生を下宿させようと募集をかけたはずが、寮を追い出され無一文の女子学生4人が下宿することに……。アットホームなドタバタコメディ。
カッコーの娘たち

カッコーの娘たち

ジョーン、ビリー、ベッキーの三姉妹は母親が長期入院することになり、別々の親戚のもとで暮らすことになる。しっかり者のジョーンは独身の叔母のもとで、ビリーは歓迎されず肩身が狭い思いをし、ベッキーは叔母の家族と楽しく過ごしていた。三姉妹はそれぞれの場所で自分の生き方を見つけていく――…。
母親の娘たち

母親の娘たち

「上野舞子は毎日が少しも充たされていない」何不自由のない幸せな家庭を築いている上野舞子は10年ぶりに高校の同級生、水島麻子に電話をかける。独身で自由に生きる彼女と話すうち、舞子は自分の人生について見つめ直す…。母親から観た娘、娘から観た母親。母娘関係について感慨させられるヒューマンドラマ。
歪んだ鏡

歪んだ鏡

高校時代の仲良しグループと久しぶりに会うことになった野川。しかしグループメンバーの沢本さんに対して会いたくないほどの嫌悪感を抱いていた。一体なぜ自分はこれほどまでに沢本さんが嫌いなのか―…?表題作『歪んだ鏡』の他、人間の繊細な心を描いた作品4作収録。
ジョーンBの夏

ジョーンBの夏

“ジョーン・B・アンダーソン”はハイスクールに通う高校生。人柄がよく誰からも好かれる彼女はある日、バーバラという女の子に声をかけられる。バーバラは以前友達だったと言うが、ジョーンは彼女を何故か覚えていなかった。
星に住む人びと

星に住む人びと

“ローマへ行くことになった主人公の少女は、「ローマだけはぜったいにひとり歩きはするな」と友人達に念を押されていた。しかしクォ・ヴァディス聖堂だけは見ておきたかった彼女は、ローマでひとり歩きをすることになる――。
母親の娘たち
ズバズバと斬り合うようなシスターフッド漫画「母親の娘たち」
母親の娘たち 樹村みのり
むらの
むらの
専業主婦の上野舞子は、同居の実父母の分も含めた家事を一手に引き受け、忙殺される毎日です。 夫の高男との間にふたりの子どもにも恵まれ、幸せなはずなのに、どこかが、何かが、満たされない。 そんなある日、疎遠にしていた中学生時代の友人、水島麻子に連絡を取ったことから物語は動き始めます。 「好きな人、いるわよ。 男の人ではないけれど」 独身のイラストレーターである麻子の恋愛事情を問うと、返ってきたのはこんなカミングアウトでした。戸惑いながらもそれを受け入れる舞子と麻子は頻繁に会うようになります。 麻子の想いびとは舞子ではなく、ふたりの間に恋愛感情は生まれません。 けれど会うたびにふたりの会話は深いものになっていき、心をえぐるような言葉を投げかけ合う時さえあります。立場が違うからこその優越感、または相手への嫉妬心もあるようです。ここまでズケズケ言い合える友だちがいたら心強いような…いや、恐ろしいような。 そんな丁々発止とも言えるやり取りの中で、ふたりは自分の心の奥底に潜む知らない方が幸せだった真実に気づきます。舞子は、資産家の母に建ててもらった広い家に暮らす自分は、ひとりの自立した人間ではなく、「母親の娘」でしかないことに。そして麻子は、望むように愛してくれなかった母への想いから、女性を求めてしまうという自分の幼児性に。彼女もまた、母という存在に囚われたままの「母親の娘」だったのですね。 1984年連載の作品ですが、舞子と麻子の会話は「専業主婦VS独身キャリアウーマン」の典型のような、今でも十分に通じるものもあります。 昔から人の言うことに大した変化はないということなのか、樹村みのりさんがとても新しい目を持つひとなのか。 さて、舞子と麻子は「母親の娘」だけの自分から脱却できるのでしょうか。 この人間臭いふたりの結末を、是非見届けていただきたいと思います。 (正直、舞子の選ぶ道は共感できないのですが…)