あらすじ

妊娠三ヶ月の野坂陽子(のさか・ようこ)は、ひどいつわりを我慢しながら教師生活を続けようとするが、校長から産休を早めるように勧められる。そんな状況に落ち込んでいた陽子は、彼女を元気づけようと気遣う生徒達に楽な姿勢で授業してほしいと促され、イスにもたれて足を上げて授業をする。しかしその授業風景を見た健吾(けんご)の母親は、こんなのは授業ではないと校長へ怒鳴り込んで……!?
空への手紙(1)

病院内学級を舞台に、その学級を担任することになった新人教師とさまざまな病気を抱えながらも懸命に頑張る子供達との交流を描いた感動のヒューマンドラマ。病院内学級に採用された新人教師・大空陽子(おおぞら・ようこ)は、病気とは思えないくらい明るい修平(しゅうへい)、明美(あけみ)、勇(いさむ)ら3人だけの「たんぽぽ学級」の担任となる。そして無邪気に慕ってくる彼らとの日々を愛しく感じる陽子だったが、勇の容体が突然悪化して……!?

空への手紙(2)

手術が成功した京子(きょうこ)の退級が決まり、寂しくもあるが嬉しい事だと思う大空陽子(おおぞら・ようこ)。そんな中、手術日が決まって張り切っていた修平(しゅうへい)が母親と口論しているのを目撃した陽子は、手術に反対している修平の母親が交通事故で亡くなった修平の兄に続いて修平までも失ってしまう不安でいっぱいなのだと知る。その後、母親によって強引に退院させられそうになった修平だったが……!?

空への手紙(3)

生まれつき虚弱体質な明子(あきこ)の作文から、彼女が遠足に行きたい思いを感じ取った大空陽子(おおぞら・ようこ)。そこでなんとかしたいと思って恋人・進(すすむ)に相談した陽子だったが、その後、進が過労で倒れたと知って自分の事ばかり考えていたと自責の念にかられる。そして明子が「将来の夢」という作文で「私の夢は病気が治るか死んでしまうことです」と書いているのを見た陽子は……!?

空への手紙(4)

結婚して心機一転で仕事に励む野坂陽子(のさか・ようこ)は、クラス行事のお店屋さんごっこにケチをつける石田(いしだ)を注意する。そんな中、家庭と仕事の両立がうまくいかず、石田の存在でクラスがバラバラになってしまった陽子は、単身赴任になる進のアパートを見に行くために休暇を取る。しかしマイナス思考の石田が気にかかる陽子は、進との約束の時間を目前にして石田の病室へ乗り込んで……!?

空への手紙(5)

妊娠三ヶ月の野坂陽子(のさか・ようこ)は、ひどいつわりを我慢しながら教師生活を続けようとするが、校長から産休を早めるように勧められる。そんな状況に落ち込んでいた陽子は、彼女を元気づけようと気遣う生徒達に楽な姿勢で授業してほしいと促され、イスにもたれて足を上げて授業をする。しかしその授業風景を見た健吾(けんご)の母親は、こんなのは授業ではないと校長へ怒鳴り込んで……!?

空への手紙(6)

不注意から切迫早産になり、帝王切開で予定よりも二ヶ月早く娘・珠美(たまみ)を産んだ野坂陽子(のさか・ようこ)。ある時、自分の母親が夫・進(すすむ)の両親へ、珠美が未熟児として生まれた事を詫びているのを目撃した陽子は、切ない気持ちになってしまい、小さな身体にいくつもチューブをつける珠美に申し訳なく思う。そして珠美の緊急手術が決まった陽子は、ずっと珠美のそばにいようと教師を辞める決意を……!?

空への手紙(7)

若い女性・美奈子(みなこ)とその婚約者・均(ひとし)が別れ話をしている現場に偶然居合わせた野坂陽子(のさか・ようこ)。手術で子宮を摘出され子供が産めない体になった事に苦悩していた美奈子は、ある日、たんぽぽ学級の生徒・久美子(くみこ)と知り合う。そして職業がデザイナーの美奈子は、デザイナーの仕事に憧れる久美子と親しくなり、久美子に連れられてたんぽぽ学級へ……!?

空への手紙(8)

久しぶりに帰ってきた単身赴任の夫・進(すすむ)を、娘・珠美(たまみ)と笑顔で迎える野坂陽子(のさか・ようこ)。しかし進の調子が悪そうなので病院へ行かせた陽子は、進が再検査を受ける事になって不安を抱く。そんな時、たんぽぽ学級にやってきた小児ガンの麻紀(まき)とその家族のとても明るい様子を見た陽子は、進達とピクニックに出かけて明るく過ごすのだが、数日後に出た進の検査結果は……!?

空への手紙(9)

たんぽぽ学級にやってきた3年生の慶子(けいこ)は、花形ニンジンなど工夫された調理で食事制限のある子供達も楽しくなれる給食タイムに心ときめく。それは調理を担当する園田(そのだ)のおかげであり、野坂陽子(のさか・ようこ)は手間を惜しまない園田に深く感謝する。そんなある日、慶子の母親から慶子は養女であり、慶子に自分の腎臓を移植したいのに不適合でできないと知らされた陽子に、園田が意外な申し出を……!?

空への手紙(10)

プリントで満点を取り続け、学校の先生になりたいという千里(ちさと)に太鼓判を押す野坂陽子(のさか・ようこ)。それを聞いて感激する千里の母親は、教師になりたかったという自分の夢を千里に託しているのだと陽子に告白する。しかし調理師である母の料理は世界一だと誇りに思う千里は、実は母のような調理師になりたいと考え、オリジナルのレシピノートを秘かに作っていて……!?

空への手紙(11)

テストを白紙で提出する投げやりな態度の生徒・正臣(まさおみ)が気にかかる野坂陽子(のさか・ようこ)。そんな時、陽子をお世話になった教師・向坂(さきさか)だと勘違いした入院患者の老女・田辺(たなべ)は、勉強に対する情熱を思い出してたんぽぽ学級に入れてほしいと頼み込む。そして特別聴講生として授業を受ける事になった田辺は、正臣をはじめとした生徒達に良い影響を与えていくのだが……!?

空への手紙(12)

最愛の夫・進(すすむ)を失って三年後、桜花医院の病院内学級「たんぽぽ教室」の担任として奮闘する野坂陽子(のさか・ようこ)。そんなある日、手術を控える少年・一樹(かずき)から人見知りの少女・章子(しょうこ)と友達になりたいとお願いされた陽子は、女医・操(みさお)に章子の悲しい過去を教えられるのだが……!?そして謹慎処分でたんぽぽ学級に戻れなくなってしまった陽子はどうなる?愛と感動のヒューマンドラマ、ついに完結。