あらすじ

鵜匠・賀茂忠輔の孫娘・綾子が何かに憑かれたようだ。裸で堀に入り、魚を捕まえては喰らうという。そして、黒川主と名乗る怪しい男が現れ、綾子を妻にと所望する。だが、その男は巨大な尻尾を持つ妖の者だった!!ヒトを愛したあやかしとの戦いを描く「黒川主」、追儺祭で重要な役を任され、恨みの中で死に怨霊と化した民部卿元方とその娘祐姫と対することになる晴明と博雅を描く「鬼やらい」の2編を収録。
陰陽師 1巻

平安時代、稀代の魔術師と恐れられた陰陽師・安倍晴明。盟友にして管弦の道を究めた王子・源博雅と共に都の怪異に挑む。第1巻には賀茂忠行と共に、菅原道真率いる百鬼夜行に遭遇する少年時代の晴明を描くプロローグ「安倍晴明忠行に随ひて道を習ふこと」、盗まれた唐伝来の琵琶・玄象にまつわる羅城門での凶事を描く「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」、僧・寿水のもとに夜な夜な現れる口の無い美女の謎を解く「梔子の女」の2編を収録。

陰陽師 2巻

深夜、晴明の家に押し入った盗賊・犬麻呂は、晴明が仕掛けた呪によって逃げ出したところで、怪しい牛車と出会う。また、女の元へ忍ぶ藤原成平も同じ牛車と出逢い、恐ろしい化け物に命を取られそうになる。そこに真葛と、男女の秘め事に疎い博雅が受け取った謎の恋文も絡まって?夜の朱雀大路で繰り広げられる怨霊同士の対決がスペクタクルな「鬼のみちゆき」、博雅の師・菅原文時を襲う不思議な童子を描く「天邪鬼」の2編を収録。

陰陽師(3)

鵜匠・賀茂忠輔の孫娘・綾子が何かに憑かれたようだ。裸で堀に入り、魚を捕まえては喰らうという。そして、黒川主と名乗る怪しい男が現れ、綾子を妻にと所望する。だが、その男は巨大な尻尾を持つ妖の者だった!!ヒトを愛したあやかしとの戦いを描く「黒川主」、追儺祭で重要な役を任され、恨みの中で死に怨霊と化した民部卿元方とその娘祐姫と対することになる晴明と博雅を描く「鬼やらい」の2編を収録。

陰陽師(4)

管弦の才人・博雅の笛の音は、悪鬼を退け悪党の心を穏やかにさせる不思議の力を持つようだ。本人には全く自覚が無いのだが。そんな博雅を連れ出し、過去の応天門放火事件のあらましを見せる晴明。大伴家持の子孫・もののふである伴一族の悲運の歴史を描く「蟇」、父・秦道満の計らいで人魚の肉を啖わせられたがために、三百年の間、不老不死の運命を背負う比丘尼。彼女の晴明への願いとは?美しく哀しいものがたり「白比丘尼」の2編を収録。

陰陽師(5)

なんと唐渡りの琵琶・玄象が主役。いわくつきで妖しいものも憑いている玄象は、主上に弾いてもらえず、ストレスのあまり博雅の背に貼りつく「博雅朝臣宣耀殿の御遊にて背より玄象の離れなくなること」、藤原兼家の「あわわの辻」での鬼との遭遇という狂言事件に、播磨の陰陽師・智徳法師が関わり、二人の陰陽師の妖術合戦へと展開する大作「露と答へて」の2編を収録。

陰陽師(6)

コミック版「陰陽師」ならではの真骨頂、大極の図より万物の成り立ちと、都にかけられた呪を博雅に説明する晴明。そんな晴明の元に大納言源高明邸での怪異を解くべく依頼が舞い込んでいた。高明邸で晴明と博雅が目にしたものは?晴明による謎解きが見事な「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」と、謎の童子と笛を吹きあい、その童子より不思議な笛を得た博雅が、橋の上に現れるという、あやかしの女に会いにいかされる「源博雅朱雀門の前に遊びて鬼の笛を得ること」の2編を収録。

陰陽師(7)

囲碁で遊ぶ真葛の前に現れた菅原道真の怨霊。そんな折、「女房歌合わせ」で詠じる役目を務めることになった博雅が訪れ、歌合わせを無事にすませるよう晴明に願う。真葛は歌合わせの邪魔をしようとする道真に囲碁勝負を挑む。一方、喪中のために歌合わせの席に出られぬ皇后の前で安倍高子と囲碁を始める晴明。実はそれは道真の企みを阻む術だったのだ!怨霊・道真の陰謀を暴く「菅公女房歌合わせを賭けて囲碁に敵らむ」を収録。

陰陽師(8)

博雅より雨乞いの勅を届けられた晴明。既に高僧・寛空による請雨経法や陰陽寮の天文博士である兄弟子・賀茂保憲による五龍祭など雨乞いの儀式も予定されている。晴明は保憲の手伝いを断り瓜を届ける。そして晴明と博雅は若狭の霊泉を目指す。そこで瓜を受け取った晴明は水に関わる聖地を移動し術を施し続ける。晴明の思惑通りに雨は降るのか?「安倍晴明天の川に行きて雨を祈ること」を収録。

陰陽師(9)

博雅が出会った妖しい術を操る謎の翁。堀川のじじいと名乗った翁は晴明宅を訪れると博雅に告げる。翁の正体は?管狐を操る老法師を描く「瓜仙人」と、従者の俊宏に図られ、まんまと婚儀を交わしてしまう博雅を描く「源博雅思はぬ露見のこと」、菅原道真の祟りを恐れる右大臣・藤原顕忠の相談を受け、内裏を調べに赴いた晴明と博雅は、内裏の火災を予言した高僧・浄蔵と出会うが、やはり晴明も異常を幻視していた!都を揺るがす大事件「内裏炎上ス」の3編を収録。

陰陽師(10)

内裏の大火によって心身を傷つけた博雅と共に愛護山へ向かった晴明。山上より、焼けた内裏がいかにちっぽけなものか博雅に見せる。都では道真の祟りだという流言もあるが、八坂の浄蔵を訪ねた晴明は、道真の背後にある存在を確認するが?「天文博士賀茂保憲冷泉院遷御に於いて反閇をつとめること」、新造内裏のために、陰陽地鎮の曲を舞うことを奏上すべく保憲を訪ねた晴明だが、前例のない提案に保憲は?「安倍晴明建禮門の前にて安摩を舞ふこと」の2編を収録。

陰陽師(11)

解かれた天地を再び結び付けるべく、賀茂保憲を欺き、博雅を代役として安摩の二の舞を演じ終えた晴明は昏倒してしまう!「安倍晴明竜宮の宝玉を得ること」と、火災によって焼けてしまった霊剣に纏わる「安倍晴明温明殿の霊剣を修理すること」、人としての限界を超えて闇の中に立つ「安倍晴明闇に懐胎すること」、そして粋たる魔術師としての覚悟を博雅に語る「安倍晴明闇を解くこと」、霊剣の修理を機に、過去の因縁を持つ保憲と晴明が対峙する「賀茂保憲高雄山にて霊剣を修理すること」の5編を収録。

陰陽師(12)

真葛が産んだ吾子に数の神秘を説く「安倍晴明天の珠を得ること」、身命を賭して言祝いだ新造内裏に赴く「帝新造内裏へ遷御す」、新嘗祭で重要な役を務める少納言・藤原兼家が何者かに攫われる「藤原兼家新嘗祭に於いて自ら神饌をつとむ」、大納言・源高明と小納言・藤原兼家に呼び出される「安倍晴明火珠と方諸を手に入れること」の4編、そして遂に不死の白比丘尼が道満法師として、海より復活し晴明と対決することとなる衝撃の最終章に突入!!

陰陽師(13)

主上の前で、巷で噂の仮面の道満法師と箱の中身を占う射覆を競うこととなった晴明。道満の計らいで晴明の勝ちとされるが、道満の仮面のうちから現れたのは、さらに美しさを増したかのような白比丘尼であった。道満の目的は祝福された都を侵すことなのか?道満によって破られそうな都の守りを期する晴明だが、道満は晴明宅を訪れ結界を破り秘術を記した巻物を奪ってゆく。古より伝わる人間の叡智の結晶を持って、都に施すべき術を保憲と博雅に託した晴明は、命を賭して自ら道満の待つ若狭へ向かう。都を守る魔術は完成するのか?