あらすじ

孤島に残された日本兵のメッセージを暴く「九九式の伝言」など、松本戦記コミックを新編集した傑作短編集。
ザ・コクピット〔小学館文庫〕(1)

▼第1話/アフリカの鉄十字▼第2話/成層圏になくセミ▼第3話/幽霊軍団▼第4話/パイロット・ハンター▼第5話/鉄の墓標▼第6話/独立重機関銃隊▼第7話/成層圏戦闘機▼第8話/グリーン・スナイパー▼第9話/スタンレーの魔女▼第10話/メコンの落日 ●あらすじ/舞台は1942年、北アフリカ。ドイツ空軍大尉ワルターフォン・ラインハルトは、戦闘機メッサーシュミットBf109Gでエルアラメイン上空を飛んでいた。敵機との交戦で無線器とコンパスを壊されていた彼は、運悪く視界ゼロの砂嵐の中に入ってしまう。燃料を節約するため、コンクリートデザートあるいはロックデザートとよばれる硬い砂漠地帯に降りる。そこで彼が目にしたものは、砂嵐を避け着陸していたイギリス戦闘機スピットファイア2機であった(第1話)。▼終戦の雰囲気が漂いはじめたベルリン。狙撃兵レステルマイヤーは謎の女性レヤと出会う。彼女が住み家としている放置された突撃砲戦車ファントムには、燃料こそなかったものの、砲弾は残っていた。どうにか燃料を手に入れた彼は、彼女とともに、戦車一台でアメリカ軍の戦車隊に向かっていく。砲弾が最後の一発となり、彼は死を意識した。その時……(第3話)。▼1944年、ガダルカナル。狙撃兵・野山二等兵は、友軍が撤退する時間を稼ぐために、戦線にとどまるよう命令される。その際に手渡されたのが、新しく開発されたばかりの新型自動小銃だった。一方、野山に義理の弟を殺されたアメリカ軍狙撃兵ウォーカーは、義弟の敵・日本人狙撃兵を必ず殺すと固く誓っていた。そしてついにふたりは相まみえる(第8話)。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(2)

▼第1話/零距離射撃88▼第2話/音速雷撃隊▼第3話/鉄の竜騎士▼第4話/戦場交響曲▼第5話/ゼロ▼第6話/ラインの虎▼第7話/ベルリンの黒騎士▼第8話/晴天365日▼第9話/妖機 黒衣の未亡人▼第10話/大艇再び還らず▼第11話/爆裂弾道交差点 ●「零距離射撃88」/イギリス空軍アーサー・アダムス・トレンター大尉は、基地に帰還する途中、隣を飛んでいた同僚機が日本軍の88ミリ砲に撃ち落とされる。その頃地上では日本軍とイギリス軍が銃撃戦を繰り広げていた。日本軍で生き残ったのは4人だけ。二等兵の石川、山下、酒田、砂山だった。戦線を撤退しようとしていた彼らの目の前にトレンターを襲った88ミリ砲が現れる。▼「鉄の竜騎兵」/1944年、フィリピン・レイテの戦場、ゼラバンカの草原。宇都宮一等兵は飛行場防衛の援軍を要請するため、サイドカーで重砲兵連隊に向かっていた。しかし、敵の砲撃を受けた重砲兵連隊は戦線を撤退することになる。これを聞いた宇都宮は仲間に撤退命令を伝えるため、再び伝令として、飛行場に戻ることを決意する。▼「ベルリンの黒騎士」/ヘルベルト・フォン・リヒター大尉はドイツ空軍歴戦の勇士。騎士道を重んじる彼はベルリンの黒騎士と呼ばれていた。ある日、彼は情けをかけた敵機によって撃墜されてしまう。命は取り留めたが、左目を失い、さらに自分の墜落で一人の女性を死なせてしまったことを知る。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(3)

▼第1話/潜水航法1万メートル▼第2話/衝撃降下90度▼第3話/オーロラの牙▼第4話/亡霊戦士▼第5話/流星北へ飛ぶ▼第6話/わが青春のアルカディア▼第7話/紫電▼第8話/エルベの蛍火▼第9話/勇者の雷鳴▼第10話/消滅線雷撃 ●「衝撃降下90度」/戦闘機のテスト・パイロット、台場は新型機の急降下試験の際、空中分解した飛行機の破片にあたり、右足を失う。義肢をつけて臨んだ2回目の試験飛行も失敗。左手と右目を失う。それでもプロペラ戦闘機で音速を超えるという夢をあきらめない台場は再び操縦桿を握る。そこにアメリカ軍の戦闘機が現れる。▼「オーロラの牙」/デスバルト・フォン・ドライゼはドイツ海軍きっての歴戦の潜水艦乗り。北極海を進む彼の前に、イギリス海軍リチャード艦長の戦艦バラクーダの姿が。潜行していても、正確に場所を見つけだすバラクーダにドライゼは苦戦する。▼「紫電」/戦闘機パイロット服部中尉はフィリピンでアメリカ軍のマッドウェー大尉に撃墜されてしまう。命は助かったものの、その時の逃げ回る様子を撮影され、そのフィルムがニュースフィルムとして全世界の映画館で上映されたことを知った服部は、マッドウェーを殺し恥をそそぐことを決意する。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(4)

米を作る時と同様に、一生懸命、まじめに頑張ってまじめに死んでいく……。戦場に駆り出された農民たちの痛切な哀感を描く『アクリルの棺』他、全9作をまとめた巨匠・松本零士の傑作戦記短編シリーズ第4弾!

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(5)

大量の補給物資とともに砂漠に放り出された二人。補給物資の中身はスコッチ!? ウイスキーを燃料に飛行機を動かして陣地に辿り着こうとする二人は…『砂のウイスキー』他、追随を許さない傑作戦機計9編を収録!

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(6)

それぞれの志を抱き、愛する家族や恋人を残しながら激しく戦い、そして倒れていった戦士たち。男の意地と誇りが花火のように炸裂する過酷な戦場で、愛と青春を問いかける巨匠・松本零士の傑作短編13編を収録!

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(7)

米諜報部員が見た秘密日本部隊の正体「幻影800」や歴戦の勇士の悲しみ「黒衣の太陽」など傑作14編を収録。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(8)

孤島に残された日本兵のメッセージを暴く「九九式の伝言」など、松本戦記コミックを新編集した傑作短編集。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(9)

▼第1話/シルクワーム ミッション▼第2話/エルドラド(黄金郷)成層圏の伝説▼第3話/闇夜の仮面舞踏会▼第4話/ピラニア河畔の舞踏会▼第5話/鷲(コンドル)は明日(あした)飛ぶ▼第6話/片霊漂白 片雲万里▼第7話/野獣技術兵団記録 三人盗賊▼第8話/蚊柱の彼方▼第9話/夏のバラライカ▼第10話/ブラックアウト●あらすじ/日本軍が絶対制空圏を維持している南方戦線に、突如現れた謎のエアコブラ。たった1機の敵に攪乱されてなるものかと、五木曹長ほか陸軍航空隊が迎撃に向かうが、エアコブラは空中でかき消えるように瞬時に姿を消してしまった。その後も悠々と偵察に現れた敵機を見て、五木は再び単機での追跡を試みるが…(第1話)。●本巻の特徴/アメリカ軍に比べ、物量・技術とも圧倒的不利にありながら、不屈の闘志で戦う日本兵たちがいた! 戦友の仇を取るため、極限の高度に挑む飛行機乗りの姿を描く「エルドラド成層圏の伝説」、“原始人の本能”で果敢に戦い、生き抜いていく男の姿が忘れられない「闇夜の仮面舞踏会」など、傑作10編を収録。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(10)

▼第1話/死せる王女の楽園▼第2話/明日(あした)の装甲兵▼第3話/黒の軍艦旗▼第4話/緑の絨毯(グリーンカーペット)▼第5話/レニングラードの椰子の実▼第6話/赤道霊の伝説▼第7話/虚空弾道▼第8話/重擲弾頭の遺言▼第9話/黒船漂流記▼第10話/ガンサイト 4(フォー)▼第11話/成層圏の神殿▼第12話/重力兵器▼第13話/暴龍の涙滴●あらすじ/サンピエトロ島監視哨として、たった2人で南洋の小島を守る台場・亀山両少尉。敵潜水艦に周囲を封鎖され、ろくな武器も持たない彼らは不安な日々を送っていたが、そんなある夜、近くのセント・ラーマ島、サンストロ島が相次いで大爆発を起こした。最初は火山噴火と思った2人だが、漂ってくる噴煙は火薬臭く、敵が島を爆破していると疑い出して…(第1話)。●本巻の特徴/アメリカ軍に比べ、物量・技術とも圧倒的不利にありながら、不屈の闘志で戦う日本兵たちがいた! 特殊装備の試作車を作ることになった航空エンジン技術者たちのドラマ「明日の装甲兵」。沈没した輸送船乗組員が、謎の巡洋艦の女海軍大佐に助けられる「黒の軍艦旗」など、傑作13編を収録。

ザ・コクピット〔小学館文庫〕(11)

▼第1話/交響死『棺桶』第五番▼第2話/祖母(ばあちゃん)の日本刀▼第3話/黒蠅(ブラックフライ)の伝言▼第4話/第四の忠誠▼第5話/蝙蝠(こうもり)兵団▼第6話/海神(ネプチューン)の応接間▼第7話/化石城の亡霊▼第8話/無の島の二人▼第9話/真空管作戦▼第10話/戦いの末裔▼第11話/奈落魔道の妖霊▼第12話/親爺(おやじ)の親心●あらすじ/三輪と島岡が搭乗する“九九棺桶”は、エンジンの調子の良い時は爆音を立てて快走するが、不調時は高度を維持することすら不可能になってしまう、気まぐれな旧型艦爆機。だが、その不調時のエンジン音は、まるで交響曲を奏でているかのように心地よい響きで…(第1話)。●本巻の特徴/遠く異郷の地にあって、兵士達はさまざまなことを想った。故郷のこと、親兄弟のこと、そして愛する者のこと。だが、生きて再会を果たせた者はわずかであった…。肉親の情が痛切に響いてやまぬ「祖母の日本刀」、異色作「戦いの末裔」など、戦記漫画の最高峰12編を収録!!