「私にはもう、この縁談しか残されていない」異能を持たない家に生まれたのに、”化け猫”が憑いている環(たまき)。幼い頃に化け猫が妹を傷つけてしまったため、小屋に閉じ込められ、家族から虐げられる日々を送っている。ある日、大人になった環のもとへ冴えない中年との縁談が舞い込む。生家から抜け出すべく、藁にもすがる思いで縁談を受ける環だが、初夜、旦那となった男に夜伽を迫られ、化け猫を発動させてしまう。恐る恐る目を開くと男の姿はなく、なぜか絶世の美少年が目の前にいて……?家族から虐げられた娘と名家を背負う若き当主が紡ぐ、大正純愛歌。【本作品は『化け猫憑きの嫁入り』第1巻~第4巻を収録した合本版です】