ツノミが母とともに、父ナムジを追って沖ノ島に移住して十年あまりが過ぎた。だが、邪馬台と於投馬の争いは孤島に暮らす彼らをも見逃さなかった。
於投馬、三輪と、かつて父ナムジの訪れた地を運命のまま流転するツノミは、まだ見ぬ巨大な祖母ヒミコの国邪馬台に興味を持ち、クマソを装って潜入。
於投馬に戻り、サルタヒコを斬ったツノミに弟ツヌヒコの訃報が舞い込んだ。邪馬台に下り今や力を失った於投馬に、もはやツノミの居場所はなかった。
ナガスネヒコに石牢に入れられたツノミは自力で脱獄に成功し、山の豪族弟ウカシの協力を得て山中を彷徨うイワレヒコ一行と再会する。〈解説〉山折哲雄
