あらすじ

優勝したご褒美がハワイ旅行だってぇー!?都大会で活躍した信介、加納、大垣、青野の4人が、ハワイで開催される日米高校9ボール選手権に招待された。ビリヤードが盛んなアメリカ代表は、ミラクル・スルーショットのボイドほか、未知の強豪ばかり。白熱した戦いも、米国チームのリードで最終日をむかえるが、依然スルーショットの謎は解けない。日本チームには、ボイドを倒さない限り、勝利はないんだ!
ブレイクショット(1)

織田信介はジャンプボールに天才的なセンスを持った、清城高校ビリヤード部唯一の部員。部費獲得のためのパフォーマンスで大勝利をおさめ、部費だけではなくキュートな生徒会長・早川麻子をゲット!!ビリヤード部も学校から公認されて、初の公式戦にチャレンジする信介。麻子の声援に後押しされ、信介は次々と強豪を撃破し、ついに決勝戦に進出。最後の対戦はプロ並みの実力と評判の加納涼二と対決するが……。

ブレイクショット(2)

優勝したご褒美がハワイ旅行だってぇー!?都大会で活躍した信介、加納、大垣、青野の4人が、ハワイで開催される日米高校9ボール選手権に招待された。ビリヤードが盛んなアメリカ代表は、ミラクル・スルーショットのボイドほか、未知の強豪ばかり。白熱した戦いも、米国チームのリードで最終日をむかえるが、依然スルーショットの謎は解けない。日本チームには、ボイドを倒さない限り、勝利はないんだ!

ブレイクショット(3)

ハスラーの夢、「アメリカンサーキット」を制覇した土門巌。実業界に転身し頂点を極め、再びビリヤード界にその勇姿をみせた。彼に無謀にも挑戦した織田信介は、逆に伝説のショット“ドモン・スペシャル”の謎解きを要求される。手玉が一瞬消える、ミラクルショットを解明するなんて……と頭を抱え込む信介。しかしヒントは意外なところにあった。持ち前のチャレンジ精神を発揮した信介は見事に伝説のショットの謎を解き明かす!

ブレイクショット(4)

半世紀以上前、わずか1週間の間に60連勝を記録したダグラス・モード。その伝説の“ダグラスショット”を織田信介は現代に蘇らせ、関東大会で快進撃を続ける。だが些細なミスがもとで、Aブロックの決勝戦で土門巌に敗れてしまう。全国への最後の切符を手に入れるため、信介は魔法のセフティを自在にあやつる日高透に挑む!!ダグラスショット対セフティという好対照な2人の戦い。魔法のセフティを解き明かす鍵は!?

ブレイクショット(5)

ダグラスショットを越える技は可能なのか?ダグラス・モードと対戦した日本人がいたなんて……。佐伯陽子の祖父・大吾の日記に、織田信介は“D・H・S”という言葉を見つける。これはニューショットの手がかりなのか?試行錯誤を続ける信介は土門のアドバイスで、アーティスティック・ビリヤードの天才ニック・メイヤーに出会う。そして芸術的なメイヤーのショットに、信介はあるヒントを見つけた!

ブレイクショット(6)

ナインボール日本選手権大会の1回戦で、あの土門巌と対決する織田信介。優勝候補の土門は、信介にひと突きもさせずに6ゲームを先取してしまう。あわやD・S・3(ドモン・スペシャル・スリー)でゲームセットかと思った瞬間、ファールに助けられ、ようやく信介に出番がくる!!アメリカンサーキットに挑戦するための切符は1枚だけ。信介はプレッシャーと戦いながら、ついに勝利の扉に手をかける!!

ブレイクショット(7)

ダグラスキューを盗まれてしまった織田信介だったが、職人技を駆使する巴プロを相手に大接戦を繰り広げる。そこへ巴プロの息子・太郎が、ダグラスキューを取り戻して現れる。太郎に感謝しつつも、信介はD・H・S(ダブル・ヘッデット・スネーク)で決着をつけた。次の対戦相手に決まったのは、ベテランの出島プロ。“ゴースト・ボール”と命名した謎のショットを武器に、打倒信介にプロの執念を燃やす!!

ブレイクショット(8)

織田信介と佐伯陽子。ともにダグラス・モードが製作したキューを駆使する、因縁の2人が準決勝で対戦する。豪快な攻めの信介に対し、驚異のコンビネーション・ショットで、陽子はナインボールを次々と沈めていく。だが本家ダグラスキューの意地を見せて、信介が勝利を収める。そして決勝戦の相手は、やはり加納涼二。信介は自らあみ出したニューショットで勝負に出る!!新ハスラー伝説『ブレイクショット』ついに完結!

ブレイクショット

人気No.1ビリヤードマンガ、必殺技ショットにご用心

ブレイクショット 前川たけし
兎来栄寿
兎来栄寿

前川たけしさんといえば、1983年から月刊少年マガジンで連載されシリーズ累計で90冊近く刊行されている『鉄拳チンミ』が最も有名です。小さな子供でも親しみやすい絵柄と、それでいて迫力のある戦闘描写や魅力的なキャラクターたち、派手な必殺技、サスペンス性溢れる展開と魅力が満載の作品です。 そのテイストがそのまま色濃く反映されながら、週刊少年マガジンで1987年から1990年にかけて連載されていたのが『ブレイクショット』です。 1961年に公開されたアメリカ映画『ハスラー』が人気を博し、1986年に公開された『ハスラー2』が日本で公開されると一気にビリヤードブームが巻き起こりました。 『ハスラー・ザ・キッド』、『ザ・ハスラー』、『撞球水滸伝』、『キング・オブザ・ハスラー』、『獣たちのように』、『[W]ウォン』、『GAME-ゲーム-』、『ハスラー・レプリカン』、『ちょっとナインボール』、『モンキー・ハスラー』、『HOT SHOT』、『POOLPLAYER ISABU』、『ナインパズル』、『J.Boy』などなど数多くのビリヤードマンガが描かれてきましたが、ビリヤードマンガで大ヒットした作品というのはあまりありません。その中でも、異例の人気を見せた作品が『ブレイクショット』でした。 まだビリヤードという競技の存在すら知らない人も多かった時代に、マガジン読者の少年たちにビリヤードの存在を広く伝えた功績が大きい作品です。 この作品で秀でていたのは、何と言っても加納涼二や佐伯陽子といったライバルキャラクターたちの魅力です。そして、それを生み出していたのが「ショットガン・ショット」や「リバースショット」、「北斗七星」など、ライバルたちが繰り出してくる派手な必殺技の数々でした。 ビリヤードという競技はヴィジュアル的には格好いいのですが、画的には一箇所に留まって玉を打ち合うことになるので卓越した心理描写や何かしらの工夫がないとマンガとしては映えません。それを、『ブレイクショット』ではカッコいい&可愛いキャラクターとビリヤードを知らない人が見ても「何だかよくわからないけどスゴいことはわかる!」という必殺技を以って克服してみせていました。 サッカーがマイナーだった頃の『キャプテン翼』や、麻雀のルールを知らなくても派手で楽しめる『咲-Saki-』などにも通底する部分があります。実際にはプロでもできないであろうショットに関しても上手く理屈をつけて説得力は持たされていました。 それが故に、特に主人公・織田信介のダグラスショットやDHSを真似した人は多いと思います。しかしながら、スカイラブハリケーンの真似をしても怪我するだけで済みますが、ビリヤード場で無理なショットを撃つことで台のラシャを破いてしまったりすると高額な弁償を行わなくてはならなくなってしまうため、現実での代償が非常に大きい誘惑でした。 読んだらビリヤードをやってみたくなること請け合いの名作ですが、くれぐれも必殺ショットの取り扱いにはご注意ください。