あらすじ

私にとっての『青春』はメイクをして恋をしてたくさん遊ぶこと!それで大満足! そう思っていた。彼と出会うまでは―― 金髪ギャルの女子高生、田中ララは毎日何か物足りなさを感じていた。そんなある日、ララは学校で絵の天才と言われる少年、奏と出会い人生を一変させる。超絶ポジティブ金髪ギャル×不器用な天才画家、美術の世界を舞台に恋愛以上恋人未満な青春ドラマ始まります!
奏のララ 1巻

私にとっての『青春』はメイクをして恋をしてたくさん遊ぶこと!それで大満足! そう思っていた。彼と出会うまでは―― 金髪ギャルの女子高生、田中ララは毎日何か物足りなさを感じていた。そんなある日、ララは学校で絵の天才と言われる少年、奏と出会い人生を一変させる。超絶ポジティブ金髪ギャル×不器用な天才画家、美術の世界を舞台に恋愛以上恋人未満な青春ドラマ始まります!

奏のララ 2巻

奏の「絵」にひとめぼれしたギャルのララは奏のように絵を描いてみたいと思い立ち、美術部の門を叩く。しかしそこはララのような「興味」だけの人間が入る余地のない世界が広がっていた。だけどララは諦めない。『賞を取れば入部を認める』という約束を取り付けた彼女は早速モチーフを探すために動き始めた。田中ララ、高校生、これまでただ楽しんで生きていたギャル。どんな困難も跳ね返す彼女の青春が本格始動する!

奏のララ 3巻

生まれて初めて熱中するものができたララ。彼女の暑くて眩しすぎる夏が始まった。テスト勉強、夏休み、海の家でバイト…これまでもやってきたイベントなのに、今までなかったくらいに充実してる! 絵を描き始めたララの青春が鮮やかな夏色に色づき始めた。一方、これまで孤独に絵を描いていた奏もまたララと出会ったことで変化が訪れる。連載時、あまりの青春ぷりに感動の声が多かった夏休み&合宿編が開幕!

奏のララ

陽ギャルミーツ陰ボーイ&絵画 #1巻応援

奏のララ 西宮瑠花
兎来栄寿
兎来栄寿

近年も「ギャル」という存在は大人気ですが、ギャルが持ち前のスーパーポジティブさと激高コミュ力によって、普通ならコミュニケーションを図るときに存在する壁をいとも容易く瓦解させ突破していくところは爽快ですよね。そして、触れ合った者にもその陽の気を与えていくところもまた強く、物語創作においても徴用されるのもむべなるかな。 本作は、『漫画的展開で彼をオトしたい!』の西宮瑠花さんが新たに描く、ギャル×天才陰キャ少年×絵画な物語です。 この作品の主人公ララも、非常に良いギャルっぷりを見せてくれます。高校入学1ヶ月で数学の授業を落とす直前まで行っている不真面目さ加減は見せつつも、心根は優しく明るい良いギャルです。すっぴん時にはパッとしない容姿が、化粧によってバチバチに盛れるのもある種リアルです。 そんなララが、同じ学校でありながら偏差値が40も離れた芸術科で絵を描く天才・奏(かなで)に出逢うことで運命の輪が転回を始めます。奏の絵に一目惚れして、まったく未経験ながら自分も絵を描くことを始めてみようとするララ。そして、ララという最高のモチーフにして、自分を全肯定してくれる無二の存在に初めて出逢った陰の者の奏。彼らが織りなすインパクトの強いハーモニーが、胸を高鳴らせてくれます。 「サイコミといえば毒親」というくらい、サイコミ作品の主人公たちは毒親に苦しめられていることが多いのですが、本作のララのお母さんは珍しく良い意味でこの親にしてこの子ありと言えるものすごく良いお母さんです。絵を描き始めようとしたララは周囲からさまざまな理由で反対されたり難色を示されたりしますが、そんな中でも慰めて明るく励まして応援してくれる母親の姿はサイコミでは非常に珍しくて思わず感激してしまいました。その分、奏の方の家庭がいろいろと複雑ではあるのですが……。 西宮さんの画力の高さでキャラクターの魅力が引き立っていますし、また物語的にも絵に一目惚れしたというエピソードが視覚的に否応なく納得感を生んでくれてララに同調できます。好きなものを見つけて、本気で取り組んでみる瞬間は大切で美しいもの。人によっては否定するかもしれませんが、これくらいのきっかけだって全然良いですよね。 必死に努力しても届かないものに、軽い気持ちで手を出そうとするララのことが気に食わない委員長の篠原ゆりこさんや、奏の弟の春を始めサブキャラクターも味があり、主軸のふたりを含め彼らがどのようになっていくのか今後も楽しみです。 なお、1巻巻末のゴールデンレトリバーちゃんもかわいいです。