篠崎由宇は高校二年生。優等生で何も問題なかったはずの彼だったが内面では最近、何かが行き詰まっていた。自分が何を望んでいるのか、何者なのか――反抗期に似た感情もあるが、同時にそれらの疑問もバカバカしく思えるほど、彼は達観していた。やがて、彼は部屋に引きこもり、久しぶりに登校したかと思いきや、試験の答案を全教科白紙で提出してしまう。「何かが違う… みんなと同じ右回りの時計は違う…」由宇はこの単調な生活から抜け出すために、左回りの行動を初めてとる。それは、買い与えられて放置していたバイク、ヤマハ・セロー225に乗ってひとり、旅に出ることだった…!