その昔……3人の兄弟がいた。かれらは世界を3つにわけそれぞれのおさめる部分をくじ引きで決めることにした。一番くじを引いた末弟のゼウスは天界の王となり、次兄のポセイドンは二番くじを引き豊穣な海界の王となった。不運な長兄のハデスは三番くじを引いた。かれはやむなく暗い地底の国の王となった……
ポセイドンの子アリオンは南への旅の果てで海を見た。はじめて出会った海はとてつもなく大きく青く父のヒザの上のように温かく思えた……だが……アリオンの旅はまだまだつづく……
アリオンは獅子王からティターン一族のとるべき二つの途について聞かされた。ひとつは人の上に栄えること、ひとつは法を識り、滅びの途を往くこと…。アリオンは彼のことばに従い南へとむかうことになる。彼を待ちうける宿命とは何か。アリオンの撰るべき途は何なのか…!
獅子王にまた助けられたアリオン。そんなアリオンは自分の呪われた運命に絶望していく。そんなアリオンを見た獅子王は、彼に出生の秘密を語っていった……。
危難に満ちた旅の果てに、自らの出生の秘密を知る…。アリオン、レスフィーナに幸せは来るのか!?長編作品感動のクライマックス!
アニメーターという「絵を動かす人」が漫画を描いたら、紙の上でどのくらい「絵を動かす」ことができるのか、その恐るべき力を見せつけた快作である。 アニメーターが描く漫画と言えば、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』漫画版が有名だと思うが、連載時期がかなり重なるこの『アリオン』は、「絵が動く漫画」として、勝るとも劣らない素晴らしさだと思う。 漫画とアニメの二刀流だった神様・手塚治虫の出世作『新宝島』は、まるで映画のような臨場感溢れるダイナミックな画面構成で、多くの読者に衝撃を与え、現代漫画の始まりを告げたのだから、そうした「動く絵」の魅力は、漫画の本質的な要素だと思うのだけれど、最近の漫画界にはそういうタイプのヒット作が少ないのは残念だ。 安彦良和は以降、漫画家として多くの作品を発表しているが、この第一作ほど「絵が動く」魅力に溢れる作品はないように思う。
アニメーターという「絵を動かす人」が漫画を描いたら、紙の上でどのくらい「絵を動かす」ことができるのか、その恐るべき力を見せつけた快作である。 アニメーターが描く漫画と言えば、宮崎駿の『風の谷のナウシカ』漫画版が有名だと思うが、連載時期がかなり重なるこの『アリオン』は、「絵が動く漫画」として、勝るとも劣らない素晴らしさだと思う。 漫画とアニメの二刀流だった神様・手塚治虫の出世作『新宝島』は、まるで映画のような臨場感溢れるダイナミックな画面構成で、多くの読者に衝撃を与え、現代漫画の始まりを告げたのだから、そうした「動く絵」の魅力は、漫画の本質的な要素だと思うのだけれど、最近の漫画界にはそういうタイプのヒット作が少ないのは残念だ。 安彦良和は以降、漫画家として多くの作品を発表しているが、この第一作ほど「絵が動く」魅力に溢れる作品はないように思う。