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親じゃない。なのにいきなり子育て…!? 少女まんが家として働く花音(かのん)。ある日、姉夫婦が交通事故で亡くなり ひとり残された5歳の姪・音色(ねいろ)を引き取ることに。彼氏の行(ゆき)とケンカしてしまい、仕事も低迷気味…。はじめての子育てで、しかも自分の産んだ子供でもない。全てが思うようにいかず、音色にやつ当たりしてしまい!? ちぐはぐなふたりが本当の家族になっていく愛の物語。
親じゃない。なのにいきなり子育て…!? 少女まんが家として働く花音(かのん)。ある日、姉夫婦が交通事故で亡くなり ひとり残された5歳の姪・音色(ねいろ)を引き取ることに。彼氏の行(ゆき)とケンカしてしまい、仕事も低迷気味…。はじめての子育てで、しかも自分の産んだ子供でもない。全てが思うようにいかず、音色にやつ当たりしてしまい!? ちぐはぐなふたりが本当の家族になっていく愛の物語。
『姫ちゃんのリボン』で一世を風靡した水沢めぐみさんも、昨年で還暦を迎えられたという事実に隔世の感があります。私が生まれる前からずっとマンガを描き続けられている水沢さんですが、未だに作品には優しさや瑞々しさが溢れており敬服するばかりです。 『空の音色』、どうしたって『空色のメロディ』を思い出さずにはいられないタイトルですが、内容は異なります。 漫画家として10年目を迎えるものの直近はぱっとせず行き詰まりを感じていた主人公・花音(29)。ある日、姉夫婦が事故で他界し5歳の姪・音色を引き取って育てることに。仕事や恋愛も大変な渦中で、さらにまったくの未経験である子育てが加わりてんてこ舞いになる花音の奮闘の日々が描かれていきます。 身内が亡くなったことを悼む暇もなく、忙しない上に神経を使い続けなければならない日々の到来。父と母がなくなったという事実すら受け止めきれていない5歳児との向き合い方の難しさが伝わってきます。 お弁当の中では特にたまごやきが好きだという音色のために、たまごやき入りのお弁当を作って持たせるものの残され続けてしまい、些細なことであると頭では理解しながらも心にダメージを負って荒んでいってしまうさまなどはリアリティがありました。子供に悪気はまったくなくても、削られてしまいますよね。 ただ、そうした辛さや大変さを乗り越えて、道端の何気ない風景をゆっくりと眺めながらふたりが段々と距離を縮め家族となっていく描写の暖かさには心をほぐされます。 彼氏がまたダメな男で無神経に人の心を削ってくるのですが、幸いにして友人には恵まれており多香ちゃんのような子が側にいてくれるのはありがたいことだなぁと思います。 かわいくて読みやすい絵柄と水沢めぐみさんらしいハートフルさは、本作でも十二分に堪能できます。ファンの方はもちろん、そうでない方もここから水沢めぐみさんの世界に入るのも良いでしょう。