田舎から出て都内の進学校に通う幼馴染の爽馬と希夢。どこに行くにも一緒、何をするにも一緒。距離感があまりにも近い、誰もが認める大親友。しかし二人には中学時代に“とある過去”が隠されていて――…。この感情は友情か執着か、それとも『愛情』か…。
断片的な記憶に毎日のようにうなされる希夢。その記憶の鮮明さは日々力を増し日常生活に支障をきたすほどになっていた。ある日、体育でバスケをしていると体調が悪くなってしまう。気を落ち着かせようと保健室に向かうが、そこでも過去の罪が希夢を逃すことはなく…。
過去に自身の行いにより爽馬を傷つけてしまった希夢は毎日のように悪夢にうなされていた。しかし、その悪夢を助けるのも「のんちゃん!」と明るく接してくれる現在の爽馬で…
夏休みに入り、爽馬の叔父の別荘で二人で過ごすことになった爽馬と希夢。夜に手持ち花火をすることになったが、花火をする爽馬を見て過去のことを思い出し体調を崩してしまう希夢。そんな希夢の姿を見て爽馬も過去の記憶に想いを馳せる…。
爽馬との過去に思い悩む希夢は、爽馬がクラスメイトと楽しそうに談笑する姿を見て彼の人生に“自分はいてはいけない”と決心する。その想いを爽馬に伝えようとするが、爽馬の反応は全く予想のできないもので…。幼馴染の友情を超えた物語。予想外のクライマックス――――