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森の中でひっそりと暮らしている薬師のシロネ。薬師としての腕は一流だが、彼女の作る料理は評判が悪かった。ある日薬草の採集に出かけたシロネは、行き倒れているエルフに出会い、彼に手持ちの弁当を譲る。そのまま採集を続けているうちに、いつの間にか見覚えのない土地に迷い込んでしまい──？
見覚えのない土地、見覚えのない屋敷──そこは「ホブリドの籠」と呼ばれるエルフの聖域だった。迷い込んだシロネを助けたミナリスは、行き倒れていたエルフであり、シロネの弁当によって命を救われたという。極度の偏食家である彼は、自分が完食出来たシロネの料理の秘密を探るべく、屋敷に引き留めたがるが…。
２種類の料理しか口にできない、極度の偏食家であるミナリス。彼の偏食を改善するため、シロネは薬草やエルフの知識と引き換えに「ホブリドの籠」で働くことに。立派な設備と上等な食材に目を輝かせ調理するシロネだったが、出かけたきり帰ってこない飼い犬のことが心配になり…。
ミナリスの厚意を受け、「ホブリドの籠」にて住み込みで働くことを決めたシロネ。早速、珍味「ラムレム」の肉を手に入れるべく、ミナリスと2人で狩りに出ることに。「ラムレム」には苦い思い出があるミナリスだったが、シロネの存在が希望となっていることに気づく。そんななか、2人は狩りの最中に何ものかの襲撃に遭い──？
飼い犬・ハウルと無事再会を果たしたシロネだったが、ハウルが人狼であったことが明らかに。青年の姿になった愛犬に初めは戸惑いを隠せなかったものの、すぐにふたりは打ち解ける。仲睦まじいその様子に、ミナリスは複雑な想いを抱き…。一方シロネは、ハウルとの再会で自身の師匠のことを思い出す。
シロネの師匠・オリヴィネのことを気がかりに思うミナリス。そんななか、一行は「ホブリドの籠」の管理下にある、泉の水質検査へ向かうことに。その泉の水には不思議な効能があり、口にするとさまざまな効果が現れるという。興味本位で口にしたシロネだったが、現れた効果は”最初に見た人を好きになってしまう”というもので──！？
”魅了”騒ぎをきっかけとして、お互いの存在が大きくなっていることに気づき始めたシロネとミナリス。そこへ突然、ミナリスの姉・エアリンドが訪ねてくる。偏食家の弟がいろんな料理を食べられるようになったと聞いていたエアリンドは、それを確かめるべくシロネに手料理を作るよう要求し…。
シロネとミナリスの関係を知ったエアリンドは、エルフと人間が想いを通わせることで生まれる”悲劇”を案じていた。姉弟の対話はそこからさらに、エルフにかけられた残酷な呪いの話へと発展する。そしてミナリスの偏食の真実を知ったシロネは、彼と向き合うことを選ぶが──。
ミナリスの偏食の真実を知ったシロネ。ヨルリンドのエルフたちにかけられた呪いに、自身の師匠が関係していると感じたシロネは、自分が薬師になった経緯を語り始める。幼いころ、両親を亡くしたシロネは、オリヴィネと名乗る不思議な麗人と出会い――。
人とエルフの寿命の差はあまりに大きい。自分が死んだ後のミナリスのことを案じたシロネは、彼の呪いを解くためにも、師匠へ手紙を送ることに。そのついでに元の家へ帰ってきたシロネ達だったが、そこで待ち受けていたのはかつての顧客である村人達で…。
ミナリスと初めて料理を作り、絆を深めたシロネ。師匠への手紙も投函し、あとは返事を待つのみ…かと思いきや、ポストに入っていたのは領主からの依頼状だった。急な依頼に戸惑うシロネだったが、徹夜で頼まれた薬を完成させる。一方、一足先に屋敷へ戻っていたミナリスは、シロネと離れ離れになったことに不安を感じ…。
家から忽然と姿を消したシロネに、慌てるミナリス達。シロネは依頼主である領主の屋敷で目を覚ます。すべては師匠の仕組んだ事であると察したシロネは、師匠に会わせてもらう代わりに依頼を請けることに。依頼内容は領主の妹の”居眠り病”を治療することだったが、実はそれは病ではなく呪いで…。
領主の依頼を達成したシロネは、師匠・オリヴィネと再会を果たす。オリヴィネの作った「中庭」と呼ばれる異空間に招かれ、シロネはそこでオリヴィネの正体と目的について知らされることになる。さらに、ミナリスの呪いを解きたいと願うシロネに対し、オリヴィネはひとつの提案を持ちかけるが…。
