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高校2年の春、摂食障害で体調を崩した私は、精神科病棟へ入院した。私物は没収され、家族とも会えない空間で、私は同じ病棟で生活する人々と出会う。それまでの人生が一変するような絶望のなかで、少女は何を感じ、どのように再び前を向くのか。話題作『高校生のわたしが精神科病院に入り自分のなかの神様とさよならするまで』の作者が自身の経験をモデルに挑む、困難と希望を描くセミフィクション。【あらすじ】高校2年生の春、加藤ミモリは摂食障害で精神科病棟へ入院した。スマホなどの私物は没収され、家族とも会えない外部と遮断された空間で、自由にベッドから降りることすら禁じられた病棟での日々。ミモリは新しい環境に戸惑い、悲嘆に暮れながらも、やがて同じ病棟で生活を送る人々と交流するようになる。いつも廊下で倒れている人、一言も喋らない人、手が赤くなるまで消毒をする人、いつから入院しているのか謎の人、そして自分と同じ病気を持つ人……一風変わった入院患者たちの存在は、いつしかミモリの気持ちに変化を促していくのだった。【解説】松本俊彦(精神科医)【「シリーズ 立ち行かないわたしたち」について】「シリーズ 立ち行かないわたしたち」は、KADOKAWAコミックエッセイ編集部による、コミックエッセイとセミフィクションのシリーズです。本シリーズでは、思いもよらない出来事を経験したり、困難に直面したりと、ままならない日々を生きる人物の姿を、他人事ではなく「わたしたちの物語」として想像できるような作品を刊行します。見知らぬ誰かの日常であると同時に、いつか自分にも起こるかもしれない日常の物語を、ぜひお楽しみください。
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 「精神科病棟」と「青春」というふたつのワードに親和性を感じず、そこが気になって読んでみたけど、ちゃんと精神科病棟と青春は繋がっていました。こういう場所が自分の"居場所"になっても別にいいんだ、と気付きました。 ・特に好きなところは? 好きというか印象深かったのは、主人公含め「精神病院にかかる・入院する」ことに対する受け入れられなさや抵抗感、偏見が一般的にはまだ強いんだなということ。摂食障害の原因になった友人も、例え主人公が入院したとてその原因が自分にあるだなんて微塵も思わないんだな、というところに絶望した。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 主人公に共感すれば当然しんどいけど、読後感はとても良いです。あとがきを読むとわかるようにこういう病院ばかりじゃないのは事実だろうけど、必要以上に恐れたり地獄のような場所だと思わなくてもいいのかなと、いい意味で精神科病棟に対するイメージが変わります。