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「我慢の果てに何が待っているの?」「人のためなんてくそくらえ」と初対面のラノベ作家・有末涼に生き方を否定されたひろ野。彼女は他人を優先し続けて貧乏くじを引き続けてきた。解雇と恋人の去り行く中、孤独な部屋でひろ野は涼の提案を思い出す。もしもぼろぼろの人生に変化をもたらすなら、私は悪魔の手をとる覚悟だ――。心揺さぶる運命の選択、新たな勇気への第一歩が、今、ひろ野の前に広がっている。エイタツ×四ツ原フリコがおくる、人生リセット・ストーリー!
「我慢の果てに何が待っているの?」「人のためなんてくそくらえ」と初対面のラノベ作家・有末涼に生き方を否定されたひろ野。彼女は他人を優先し続けて貧乏くじを引き続けてきた。解雇と恋人の去り行く中、孤独な部屋でひろ野は涼の提案を思い出す。もしもぼろぼろの人生に変化をもたらすなら、私は悪魔の手をとる覚悟だ――。心揺さぶる運命の選択、新たな勇気への第一歩が、今、ひろ野の前に広がっている。エイタツ×四ツ原フリコがおくる、人生リセット・ストーリー!
刺さる人にはとても深々と刺さりそうです。 競争が嫌いで、自分が得をするために他人を蹴落としたくはない。 自分が得られないことで、他人が得られて幸せになるならそれもまた良い。 小中学生の頃から自己犠牲や譲ることが基軸にあり同級生から「もっと強欲になっていい」と言われて生きてきた私は、かなり深い共感を得た作品です。 常に自分より他人を優先してきて、作曲家崩れのヒモと暮らす女性・ひろ野が、ライトノベル作家・涼と出逢ったことでその考え方や生き方を徐々に変えていく物語です。 本作で、特に印象的だったのはバイト先の後輩である友枝とのエピソード。 ひろ野が慎み深さとは裏腹に「人のために何かをする」という相手の喜びを取り上げているのではないか、という部分は考えさせられました。 相手の好意への遠慮は、語弊を恐れずに言えば相手の好意を摘むこと。遠慮せずに受けた方が良い好意も、世の中にはままあることでしょう。大事なのは、それをしっかり見極められる目を持っておくことでしょうか。 自己評価がとことん低いところも共感してしまうのですが、相手が気に入ったり認めてくれていたりする自分という存在を自分で貶めるということは、相手の考え方をも貶めるということに繋がっています。 謙虚さは、時に自分に優しい者を傷付ける悪魔となってしまう。肝に銘じておきたいです。 程よく笑いも交えながら大事なことをしっかり描いている素敵な作品です。