あらすじ人々が博打に熱狂していた、幕末・天保年間 小倉藩の真剣士となった葛の葉の夜市は 用心棒の左門次と共に、藩同士の願いを賭ける 「天下博徒御前試合」へと参戦する。薩摩の真剣士・調所広郷との勝負に 決着を付けた夜市の次なる相手は義人・大塩平八郎。幕府側の代打ちとなった夜市は、反乱の足がかりを挫くことが出来るのか――!? 天下一博徒の物語、堂々完結!
皆さん、ギャンブルマンガは好きですか。私は好きです。時に命や命以上のものを賭け、知力を尽くしてバチバチにぶつかり合う様は手に汗握ります。 本作は、幕末を舞台にしたギャンブルマンガ。主人公の医者・夜市(やいち)が「天下博徒御前仕合」に出る権利を持つ博徒の最高峰「真剣士」を目指し、1万両献上の条件を達成すべく江戸時代に実際に行える賭博勝負がテンポよく次々と行われていきます。 ギャンブルにつきもののイカサマももちろんありますし、一方で心理戦に偏った勝負もあり見応えがあります。1巻ではサイコロや花札といったメジャーなものもあれば、ちょっと奇抜な種目も。 ギャンブルマンガでよくあるのが相手を暴の力で圧倒して不戦勝にするか負けても反故にしてしまえば良いのでは? という状況。それをケアした上で外連味とエンタメ性を最大限に与えた『嘘喰い』という先達もいますが、本作でも博打で負けた相手の武力行使に対しては用心棒の左門次といういぶし銀なサブキャラクターを配置することで上手く解決しています。普段は好々爺然としていながら、いざというときの格好良さたるや。『青色ストライプ』好きだったマンとしては、森田賢司さんの真剣での殺陣の良さに感じ入ります。 今後も色々な江戸時代ならではの博打が出てくると思いますし、「天下博徒御前仕合」に出てくる真剣士たち、あるいは外ツ国の者たちとの勝負はこれまで以上に熱くなるはずなので期待しています。