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泰昭××年。結婚直前で突然姿を消した元婚約者・藤貴のことが3年経った今でも忘れられない朱音。有名資産家の息子で8歳年上の彼は、優しく正義感が強い軍人さんで初恋の人だった。原因不明の病に倒れたと聞いたけど、いつかまたきっと会える…そう信じていた朱音の元に現れたのは、親が決めた新しいお見合い相手・秋人。なんと藤貴の親友で彼の秘密を知っているという秋人から、「藤貴に会いに行きましょう」と言われて―!?謎の病『獣化病』によって引き裂かれた二人の切なロマンス・開幕!!
藤貴の助けになりたくて秋人と偽装婚約した朱音は、藤貴に助手として認めてもらうために彼の診療所へ通って掃除や資料整理を懸命にこなす日々。そんな中、他の獣化病の住人がいる村の中へ行くことになり、朱音が獣化病ではないとバレないよう注意されるが…。
一人で村へお使いに行った帰り道、獣化病が進行して暴走した狐に襲われかけた朱音。藤貴が助けてくれたけど、恐怖心が消えなくて彼に対しても無意識に体が強張ってしまう。傷ついた表情の彼から「私も朱音さんを殺める可能性がある」と、もう村へ来ないよう突き放され――。
朱音の住む街で妖怪が出たと大騒ぎに!!ところがその正体は獣化病の人達の村を抜け出してきたいづなだった。捕まりそうになったところを助けようと朱音は必死で策をめぐらせて…。そして再び訪れた村で秋人から思いもよらない言葉を聞かされる朱音だったが――。
“藤貴を殺す人間”である秋人の、親友だからこそ抱えている覚悟を知り自分の未熟さを痛感する朱音。そんな秋人から「俺と結婚する?」と真剣に切り出されるが、どれだけ拒絶されても藤貴への気持ちを捨てることなんてできなくて…。
朱音のもとに、「藤貴の病が進行した」と秋人からの電報が。急いで駆けつけると、そこには檻の中で唸り声を上げ完全な獅子になった藤貴の姿が。このままでは処分されてしまう…受け入れられず涙しながらも、願いをこめて彼に口づける朱音。でも、藤貴は――…。一途すぎる少女×不器用な獅子のラブロマンス最終巻!!
