あらすじあなたと会ったこの街で、私たちはまた、“あの頃”の話をする。私もあなたも、もう、“あの頃”にはいないけれど。季節が巡るこの街で再会した、三ツ郎と真帆と“先生”。時間が重なり、動き出していく。体温が重なり、熱を帯びていく。――それぞれが、小さな傷を抱えたままに。初連載の新鋭が奏でる、純文学的青春譜、上下巻同時発売。●併録ふたりの男と不思議な少女は、不透明な“今”を遊転する。曖昧な光の中、車に乗って……。――読切『離々遊転』●コミックビーム 公式X(Twitter)@COMIC_BEAM
割と時系列が複雑なので2回目を読んで理解したところも結構あります。上巻は三ツ郎視点で、下巻は真帆視点なのかな。2人が喫茶店で会話するシーンなんかはそれぞれの記憶が元になってるからか微妙に言動が違うのが面白い。 非常に淡々とした作品だけどそれが不思議と心地よく感じられます。三ツ郎と真帆と先生の3人の関係が絶妙に絡んでくるんだけど結局は何も起こりません。それが太陽の周りを複数の惑星がぐるぐると回りながら近づいたり離れたりするのと似てるなと思いました。 あの日に先生と会わなければ三ツ郎と真帆は離れ離れにならなかったかもしれないなと思わなくはないけど、でも彼らはすれ違ってもまた出会える、しかもより良い形でそれが実現するんじゃないかと淡い期待を自分は感じました。