「いつかは、この人と結婚すると思っていたのに…」 ――恋人の拓磨と同棲している千尋。しかし、長引くセックスレスに加え結婚する気のない拓磨に対し、ついに別れを切り出す。家を出ていくことにした千尋だが、肝心の引っ越し先が見つからず…。拓磨の勧めもあり、引っ越しの当てがつくまでは同棲を続けることになってしまった。そんな時、千尋にとって理想的な男・潤平が現れる。やがて恋人関係になった二人だが、「元カレと同棲中」などと言えるはずもなく、悩む千尋。一方、実は潤平も“あるトラブル”を抱えていて…!? 【※この作品は話売り「スカビオサ」の電子単行本版です】 ■収録内容 「スカビオサ」第1話~第6話
スカビオサの花言葉は色によって違いますが、 紫 私はすべてを失った、未亡人 青 悲しむ花嫁、朝の花嫁 白 不幸な愛 ピンク 悲哀の心 黄 再起 赤 感じやすい心 と、基本的にはマイナスのイメージが暗示されます。そして、カラーページや単行本の表紙のカラー的には青や紫系の寒色の印象が強いです。実際にどうなるかは結末を見るまではわかりませんが、現時点では明るい未来が待っている可能性の方が低いように思えます。 5年ほど付き合い同棲中の恋人・拓磨と真剣に結婚を考えているのに、相手には全然その気がなさそうで家政婦のような生活に嫌気が差して別れる決意をする千尋。そんな千尋に、新たに距離を縮めてくる男性・潤平が出現。拓磨より優しくスマートな潤平にどんどん惹かれていく千尋の運命やいかに……というお話です。 女性向けの作品で彼氏や夫のダメっぷりと別れから始まる物語は数多くありますが、その中にあって意外に感じる展開・掘り下げがありました。それ故、読んでいてこの後の物語がどうなっていくのか気になります。 本作は主要キャラ以外の周りのキャラクターも立っていて、特に拓磨のお姉さんは竹を割ったような性格のとても良いキャラで、推せます。 筆者の深月くるみさんの、スタイリッシュな絵柄もお話のテイストにマッチしていて好きです。 大人の男女の痴情のもつれを見たい方にお薦めします。実写化も非常にしやすく人気を得られそうな内容なので、ドラマ化などしたら一気にブレイクするポテンシャルを感じます。 なお、続きは単話で売られていますが、単行本2巻目も3月2日発売予定です。