あらすじ

柏木たまを(27歳)は、いわゆる「喪女」。幼い頃に両親を事故で亡くした彼女は、同じ境遇で苦しむ少年・橘海と出会う。自らの名前の由来である『海』の事故で両親を亡くした少年。そんな少年に幼い頃の自分を重ね合わせたたまをは 海の親代わりとして共に暮らし始める。仕事で売れっ子漫画家・宮下なつこの担当編集を任せられたたまをは 宮下と海の繋がりに驚くが、更に宮下の誘いを受け 出向いた『海』で衝撃の事実を聞かされる。『橘海の両親は海で亡くなってはいない』 それが真実ならば何故、両親の死の原因を 海が一番苦しむような理由で誤認しているのか。見えない悪意が忍び寄る――。「コミックELMO」掲載話、第18話~第22話までを収録しています。
ハロー・マイ・ホーム 1【電子限定おまけ付き】

柏木たまを(27歳)は、いわゆる「喪女」。子供のころ両親を亡くし、親戚に心ない言葉を投げかけられて以来、喋るのが苦手になってしまった。そんなたまをはある日、自分と同じような境遇の少年・海くんと出会う。たまをは海くんに昔の自分を重ね、海くんを引き取ることに。でも喪女と根暗少年の同棲生活は、大変なことがたくさんあって……!?「コミックELMO」掲載話、第1話~第6話までを収録しています。

ハロー・マイ・ホーム 2【電子限定おまけ付き】

柏木たまを(27歳)は、いわゆる「喪女」。子供の頃に両親を亡くし、辛い経験をした彼女は自分に似た境遇の少年・海と出会い、彼の親代わりをかって出る。生活を共にする中で見えてくる、海の心に刻まれた深い傷。弱く、俯き、嘆くばかりの自分では海の心は救えない。――これは、不幸な過去に押しつぶされ続けた喪女が、初めて強く発した決意表明。「変わりたいんです。強くなりたいんです。一緒に笑って、歩いていきたいから――」「コミックELMO」掲載話、第7話~第12話までを収録しています。

ハロー・マイ・ホーム 3【電子限定おまけ付き】

柏木たまを(27歳)は、いわゆる「喪女」。漫画の編集部員として働く彼女は、子供の頃に両親を事故で亡くしていた。癒えない傷を心に抱えた彼女は、自分と同じ境遇に置かれた少年・海を救おうと共に生活を始める。弱く、俯くだけの今までの自分では海を守れない。強くなろうとするその必死な姿は、他の編集部員からの信頼を得て、売れっ子漫画家・宮下なつこの編集担当を任せられる。その漫画家が海と強いつながりを持つことなど知らずに――。※「コミックELMO」掲載話、第13話~第17話までを収録しています。

ハロー・マイ・ホーム 4

柏木たまを(27歳)は、いわゆる「喪女」。幼い頃に両親を事故で亡くした彼女は、同じ境遇で苦しむ少年・橘海と出会う。自らの名前の由来である『海』の事故で両親を亡くした少年。そんな少年に幼い頃の自分を重ね合わせたたまをは 海の親代わりとして共に暮らし始める。仕事で売れっ子漫画家・宮下なつこの担当編集を任せられたたまをは 宮下と海の繋がりに驚くが、更に宮下の誘いを受け 出向いた『海』で衝撃の事実を聞かされる。『橘海の両親は海で亡くなってはいない』 それが真実ならば何故、両親の死の原因を 海が一番苦しむような理由で誤認しているのか。見えない悪意が忍び寄る――。「コミックELMO」掲載話、第18話~第22話までを収録しています。

ハロー・マイ・ホーム

たどたどしくとも、顔を上げて前を向いて。 #1巻応援

ハロー・マイ・ホーム 空翔俊介
兎来栄寿
兎来栄寿

『三白眼ちゃんは伝えたい。』の空翔俊介さんが、『なつめとなつめ』連載の傍ら更にもう一本立ち上げたのがこちら。 ハートフルな擬似家族もので、1話目からがっしりと心を掴まれました。 かつて、大好きだった漫画家の父親と自分の絵を褒めてくれる母親を一度に亡くし、上手く喋ることも笑うこともできなくなってしまったヒロイン・たまをの境遇に、最初から感情移入してしまいます。 碌でもない親戚の下で更に心を壊され、たらい回しにされた結果優しい柏木夫妻に育てられたのは彼女の不幸中の幸い。小さい頃からの夢である漫画家にはなれなかったものの、漫画に関わる仕事をしたいということで編集者の道へ。しかし、コミュニケーション能力の不足により、担当作家や同僚からも疎まれてしまっている状態。それでも、大好きな漫画の仕事を諦めたくないという所は強いシンパシーを覚えます。 そんな彼女が、かつての自分と似た境遇の少年・海に出逢い、勇気を出して引き取って二人で暮らすようになるという筋書きです。欠けた者同士が不器用に寄り添って生きて行く話、どうしたって好きにならずにはいられません。その描き方も、1話を試し読んでいただければ解る通り美しいのです。 そして、思っていることを口に出さないことで海もまた学校という社会で疎外・迫害されていくのですが、そこにおける展開に令和的なものを感じました。かつての物語であったらこういうキャラクターがこんな役割を持たされて物語を動かして行くのだろうな、というものが綺麗に覆されていくエピソードは、逆に近年のリアルさを感じさせられました。 読んだら皆好きにならざるを得ないだろうというキャラクターがいるのですが、こういう人が実世界にも増えてもっともっと優しい世界が広がって行けば良いと思います。 読んだ後は心が暖められます。このような作品があることが、世界の優しさの総量を増やしてくれることでしょう。実写化などされて広く読まれて欲しい作品です。