『嫌がってるキミが好き』の鬼山瑞樹さん最新作。 前作の最初から絵が良かった鬼山さんですが、最近ますます魅力的になっています。 正直、物語として見ると荒唐無稽なところがいくつもあり破綻しているようにも感じられます。が、「細かいことはどうでもいい」と言わんばかりに画力で殴られる感じがむしろ気持ち良いです。 何しろ、ミモザの目が良い。 引き込まれそうな虚無の瞳。 読んでいるといくつもゾクゾクするような良い表情のコマが出てきます。 「マンガはキャラクター」というひとつの真理に立ち返れば、この作品はミモザがいるだけで「勝ち」です。 そんなミモザと、主人公の少年・宗人が擬似家族を営もうとする素朴な願い。それだけで十分だと感じます。ミモザは現実に喘ぐ思春期の少年の、ある種の夢の具現化のような存在でもあると感じます。 殺し屋としては脆さであり危ういのですが、絶妙に人間味がブレンドされる瞬間も堪りません。 多分、殺し屋なら臭いがつかないように煙草も吸わない方が良いんですが、絵面がカッコいいのでそんなことはどうでも良いんです。煙を燻らせているときの表情、堪りません。 細かいところではミモザの愛好しているマスコットキャラのCHIKUWABU、好きです。
兎来栄寿
兎来栄寿
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい